今年度は全国の小・中学校より91件の応募がありました。
審査委員会による、書類審査・現地調査および厳正なる最終審査を経て、下記の通り入選校を決定しました。
最優秀校
ソニー子ども科学教育プログラム 最優秀校(2校)
教育助成金300万円とソニー製品等


射水市立片口小学校/富山県
- テーマ:
- 科学する心を育む「片口プランⅣ」
事象や日常生活から問題を見いだし、解決に向けて粘り強く探究することを通して、自他の幸せを追い求める子ども

優秀校
ソニー子ども科学教育プログラム 優秀校(11校)
教育助成金50万円とソニー製品等
八戸市立島守小学校/青森県
おいらせ町立百石小学校/青森県
郡山市立明健小学校/福島県
国立大学法人福島大学附属小学校/福島県
つくば市立竹園西小学校/茨城県
香取市立山田中学校/千葉県
袖ケ浦市立根形中学校/千葉県
学校法人新渡戸文化学園 新渡戸文化小学校/東京都
横浜市立立野小学校/神奈川県
北九州市立大積小学校/福岡県
国立大学法人鹿児島大学教育学部附属小学校/鹿児島県
奨励校
ソニー子ども科学教育プログラム 奨励校(38校)
教育助成金10万円とソニー製品等
●札幌市立中央小学校/北海道 ●遠軽町立丸瀬布中学校/北海道 ●南部町立南部小学校/青森県 ●六戸町立開知小学校/青森県 ●国立大学法人山形大学附属小学校/山形県 ●川俣町立川俣小学校/福島県 ●稲敷市立新利根中学校/茨城県 ●足利市立小俣小学校/栃木県 ●栃木県立宇都宮東高等学校附属中学校/栃木県 ●千葉市立稲毛国際中等教育学校/千葉県 ●千葉市立小谷小学校/千葉県 ●横浜市立井土ケ谷小学校/神奈川県 ●横浜市立今井小学校/神奈川県 ●横浜市立白幡小学校/神奈川県 ●横浜市立富士見台小学校/神奈川県 ●横浜市立間門小学校/神奈川県 ●三条市立一ノ木戸小学校/新潟県 ●諏訪市立湖南小学校/長野県 ●岡崎市立愛宕小学校/愛知県 ●刈谷市立朝日中学校/愛知県 ●刈谷市立小垣江小学校/愛知県 ●刈谷市立刈谷東中学校/愛知県 ●刈谷市立富士松中学校/愛知県 ●刈谷市立依佐美中学校/愛知県 ●東員町立稲部小学校/三重県 ●京都市立修学院小学校/京都府 ●国立大学法人神戸大学附属小学校/兵庫県 ●国立大学法人岡山大学教育学部附属中学校/岡山県 ●国立大学法人広島大学附属三原小学校/広島県 ●国立大学法人愛媛大学教育学部附属小学校/愛媛県 ●北九州市立永犬丸小学校/福岡県 ●北九州市立木屋瀬小学校/福岡県 ●北九州市立藤松小学校/福岡県 ●北九州市立八幡小学校/福岡県 ●荒尾市立万田小学校/熊本県 ●宇城市立豊野小学校/熊本県 ●国立大学法人熊本大学教育学部附属小学校/熊本県 ●南九州市立知覧小学校/鹿児島県
奨励校 教育みらい賞(3校)
奨励校の中から個性的な論文に贈られる賞です
教育助成金15万円とソニー製品等
●階上町立階上中学校/青森県 ●松本市立田川小学校/長野県 ●天草市立御所浦中学校/熊本県
審査委員長総評
2024年度ソニー子ども科学教育プログラム「教育実践論文」には、全国から91校の応募をいただきました。感染症対策こそ一段落しましたが、学校教育を取り巻く環境は変化し続け、より複雑になっています。その中で本プログラムの趣旨に賛同され、「科学が好きな子どもを育てる」ために熱心に取り組まれている先生方に対し、心より敬意を表します。
この数年、「科学」を広くとらえ、記載内容が多岐にわたる論文が増えてまいりました。総合的な学習の時間や教科横断での探究活動、さらには地域や企業と連携した体験的な学習における実践事例には各校の特色と個性が読み取れます。加えて2024年度は学年を超えて教科の本質について検討する取り組みや、幼保小連携・小中連携に関する記載も見受けられ、縦方向への厚みのある論文も増えてきたと感じます。
また、論文の構成の面でも、論旨が明確で図表や写真の配置や色調を意識した読みやすい論文が多く、執筆者の主張がよく伝わってまいりました。特に入選校においては、主体的な学びによる子どもの生き生きとした発言やノートを通して「子どもの変容」が実証的に読み取れ、とても印象深く感じました。一方で、「科学が好きな子どもを育てる」ための課題感と実践事例の整合性がないために、評価を下げる論文も見受けられます。無理に一般論から論旨を展開するのではなく、執筆者自身の言葉で「科学が好きな子ども」についての考察を記載していただきたいと思います。
審査に当たっては論文を精読し、多角的な観点での比較検討を行いました。評価が拮抗しましたが、慎重に審査した結果、2024年度の最優秀校は、射水市立片口小学校と国立大学法人 福井大学教育学部附属義務教育学校が選ばれました。
射水市立片口小学校は、子ども自らがつくる学習計画表が非常に効果的に活用されており、「AARサイクル」が見事に機能しており、子どもの関心を高める手立てが優れていることに感心いたしました。具体的な「子どもの姿」や「子どもの変容」も多く記載されており、子どもへの共感を大切にする教師像は素晴らしく、高い分析力を含め、全国の範となりうる優れた教育実践論文と評価いたしました。
福井大学教育学部附属義務教育学校は、小・中学校だけではなく隣接する幼稚園との交流も含めた12年間を見通した実践が行われており、様々な学年において五感を大切にし、協創する教育実践を展開するという狙いが見事に結実しています。教師が教えるのでなく、子どもとともに歩むという姿勢により実践の内容が深まり、探究する意思や動機づけが教科・学年をオーバーラップして行われている点を高く評価いたしました。
なお、同時期に募集していましたソニー子ども科学教育プログラム「未来へつなぐ教育計画」においては、さまざまな教科から子どもの資質能力を伸ばすための独自性のある斬新な計画の応募がありました。審査の結果10名の方が入選されました。こちらも引き続きより多くの先生方に応募して実践していただくことを期待しております。
ソニー教育財団は、これからも「科学が好きな子どもを育てる」ことを探究し、チャレンジされる先生方を応援してまいります。
審査委員会
審査委員長
杉野剛/独立行政法人日本学術振興会 理事長
審査委員
清原洋一/秀明大学 教授
熊平美香/一般財団法人クマヒラセキュリティ財団 代表理事
西谷清/ソニー教育財団 元理事長
山下修一/千葉大学 教授
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