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2025年06月27日

福井大学教育学部附属義務教育学校にて「子ども科学教育研究全国大会」を開催しました

グループに分かれて様々な形や大きさの箱を重ねて身の回りのいろいろなかたちについて考える1年生算数科の公開授業とそれを見守る参観者公開授業:1年生算数科いろいろなかたちなぜあるの.

6月13日(金)、2024年度にソニー子ども科学教育プログラム「教育実践論文」で最優秀校を受賞した福井大学教育学部附属義務教育学校にて、「子ども科学教育研究全国大会」を開催し、全国から約600名のみなさまにご参加いただきました。

「探究し協創するコミュニティ~学びを共に繰り上げるプロセスをデザインする~」を主題として、義務教育学校という特色を生かした教育活動の公開、さらに隣接する幼稚園の公開があり、12年間を通した「学びと育ちをつなぐ教育」を見ることができました。

午前中には、児童生徒によるオリエンテーションとポスターセッション、二つの授業の公開がありました。

体育館で児童生徒たちが複数のグループに分かれてポスターを使い発表している。その周囲で参加者が発表を聞いているポスターセッション

ポスターセッションでは、「社会創生プロジェクト」での学習内容を生徒が発表しました。興味関心や課題意識等に強く裏打ちされた課題を生徒自身が設定し、自律的に学んでいることがよく分かるものでした。

公開授業では、「発意―構想―構築―遂行・表現―省察」の五つの過程を一つの学習サイクルとして構成されていることが明確で、児童生徒もこのことをしっかりと理解して学習しているという姿が見られました。先生方は子どもたちの言葉をよく聞き、子どもたちの反応を丁寧に見て、意見を傾聴し、そして適時適切に支援、返答、助言、反応、受容等をしていました。子どもたちは安心して自分の考えをつぶやき、発信し、時に主張、説得しており、印象的であったのは先生方の子どもたちへの返答が「そうか、どうしたらいいのかな」、「なるほど、どうしてかなあ」、「それは困ったね、どうしようか」等と確かに受け止めて、そしてまた子どもたちに「学び」を返していたことでした。「『受動的な学習者』から『能動的な創り手』へ」という先生方の意識が子どもたちに学びを委ね、任せるという姿で現われていました。

数人ごとのグループに分かれ教師と子どもたちがテーブルを囲んで語り合っている分科会

特徴的なプログラムの一つが午後の分科会でした。教科ごとの分科会、その前半の時間に後期課程の生徒も参加したのです。例えば数学科の分科会では「なぜ数学科を学ぶのか」について先生方と生徒が議論を交わしていました。「正解を出すことが数学ではなく、『過程こそが大事だと学ぶこと』が数学だと思います。」とある生徒が発言していましたが、まさにこの学校の「協創」、先生も生徒も共に学ぶという理念を貫く分科会の形であったと思います。

シンポジウムでは「協働探究でひらく『世界』」というテーマで、シンポジスト3名がコーディネーターのもとに意見を述べられました。探究の肝は「よく見る」「よく考える」こと、学習を振り返った時にしっかりと「省察」すれば「活動あって学びなし」にはならないということ、そしてまた重要なことは教師が「おっ、どれどれ。」と子どもたちにかかわり、より細部に介入していく、いざなっていくということ、時に子どもと同じ目線になって驚いてみたりするなど子どもとかかわること、教師の「解像度」の上げ方やきめ細やかさが大事であるということなどが議論に上りました。

途中、義務教育学校の先生も発言を求められ、「義務教育学校になった利点の一つは、教師も子どもと共に『省察』するようになってきたことです。子どもをよく見るようになってきました。これまでは子どもたち全員を見ていた、教材を通して子どもたちを見ていたのが、子どもたち一人ひとりを見るようになったように思います。」とお答えになっていましたが、このシンポジウムにおいても、先生も生徒も共に学ぶという「協創」の理念が貫かれており、学校全体で取り組んでいることが伝わってきました。

2025年06月20日

めずらこども園にて「審査委員特別賞 実践発表会」を開催しました

0,1,2歳児専用の園庭でおもちゃの金魚すくいや、ボールなどで水の感触を楽しんでいる子どもたちの様子
園庭で水遊び(0,1,2歳児)

6月7日(土)、昨年度の「保育実践論文」で優秀園 審査委員特別賞を受賞した社会福祉法人芽豆羅の里 幼保連携型認定こども園 めずらこども園(大分県)において、「優秀園 審査委員特別賞実践発表会」を開催しました。

当日は、現地とオンラインのハイブリッド形式で行われ、全国から150名を超える保育教育関係者が集い「『おもしろい!』からはじまる探求活動」を研究テーマに、公開保育、年齢別グループセッション、研究発表と指導講評、対談など、対話を多く取り入れた研究会を実施しました。

子どもたちが作ったアート作品が飾られている部屋の中で絵具を調合して別の色を作っている5歳児の様子
室内で絵具の色作りや製作

0,1,2歳児クラスの園庭では、水道の水を出して、水の勢いや流れをじっと見つめ続ける子、全身でダイナミックに水遊びを楽しむ子。3,4,5歳児クラスでは、フォレスト(ヤギやニワトリを飼育したり、虫取りをしたり草原の場)で、産まれたてのニワトリの卵を手に、参観者とあたたかさを共有する子など、一人一人が自ら環境に働きかけ、「おもしろい!」からはじまる「科学する心」を育んでいく姿が見られました。

フォレストと呼んでいる原っぱで、虫取り網で虫を捕まえようとしている子どもたちの様子
ヤギやニワトリのいるフォレストで虫取り(3,4,5歳児)

午後は、園の先生方による受賞論文のご発表で、論文に記載されていた2歳児が○(まる)との出会いに興味を持つ実践や、今も継続して育まれている「科学する心」の子どもたちの姿。河合優子氏(聖徳大学教授・論文審査委員)による演題「実践からみんなで学ぼう!」のお話などがあり、会場との対話を通して、“みんなで暮らしを共にすることの大切さ”や、“環境教育の大切さ”について語り合う時間となりました。

参加者が複数のグループに分かれてテーブルを囲みながら話し合っている様子
年齢別グループセッション

最後に、安井正人氏(慶応義塾大学教授・論文審査委員長)、宗像文世氏(めずらこども園園長)の対談では、“子ども自らが好奇心や情熱をもちトライ&エラーを繰り返していくことの重要さ”や、“生命倫理の根源である「相手を思う心、共に生きる心」が「科学する心」を育む根っこである”ことなど、参加者一人一人の心の奥深くに響く対話が繰り広げられました。

講師の先生方と園長先生によるトークを聴いている参加者の様子
講師の先生と園長先生の対談

2025年06月13日

荒尾第一幼稚園にて「最優秀園 実践発表会」を開催しました

2025年5月24日(土)、昨年度の「保育実践論文」で最優秀園を受賞した荒尾第一幼稚園(熊本県)にて、「最優秀園 実践発表会」を開催しました。全国から約150名の保育・教育関係者が集い、「広がりと深まりを生む環境との対話」を研究テーマに掲げて開催された本実践発表会では、午前中は公開保育を実施。午後には研究成果をまとめたポスターセッションやパネルディスカッションを行いました。「保育実践論文」の審査委員でもある秋田喜代美先生(学習院大学教授)や中ノ子寿子先生(尚絅大学助教)をはじめ、荒尾市長、荒尾市教育長、荒尾市立清里小学校校長にもご登壇いただき、お話を伺う貴重な機会となりました。

午前:公開保育

園庭にできた水たまりで色の混色を楽しむ子どもたち
公開保育

当日は朝から雨模様でしたが、室内外問わず、好奇心を刺激されながら主体的に遊びこむ子どもたちの姿が見られました。光や鏡、段ボール、廃材、土粘土など、多様な素材を自由な発想で使いこなす子どもたちの姿からは、安心して遊びに没頭できる豊かな保育環境と時間が保障されていることが伝わってきました。

遊戯室の天井からつるされた布に映し出された大樹の下で遊ぶ子どもたち
公開保育

たとえば、テントの下に広げられた模造紙大のキャンパスにダイナミックに筆を走らせたり、水たまりにスプレーボトルで絵の具を吹きかけて混色の変化を楽しんだりしていました。また、ホールでは天井からつるされた布でかくれんぼをしたり、映し出された大きな樹の下で友達とイメージを共有して楽しんだりする姿が見られ、天候さえも保育環境の一部とする柔軟な発想が印象的な保育が展開されていました。

午後:ポスターセッションとディスカッション

小学校の先生と保育者が作成したポスターの前で行われたディスカッションの様子
ポスターセッション

午後の部は、近くのショッピングモールの広場にて開催。担任自ら作成したポスターの前で、参加者と語り合い、大いに盛り上がりました。会場が公共の場であったため、ポスターのモデルとなった子どものご家族や通りすがりの買い物客も足を止め、地域に開かれた発表会の意味深さを実感する場面も見られました。

園近くのショッピングモールで開催された午後の部の様子
午後の部

パネルディスカッションでは、秋田先生のファシリテーターのもと、小学校と幼稚園それぞれの立場から、「幼小連携」をテーマとしたクロストークが行われました。お便りの交換による交流の実践例を通じ、形式的な連携ではなく、「目の前の子ども」を中心に据えた本質的な連携の重要性が語られました。そのためには、就学前教育と小学校教育が互いのことをより理解し合う姿勢が不可欠であるとの意見も共有されました。

ご講演と締めくくり

最後には、秋田先生によるご講演「『科学する心』でつながりあうまなざし」が行われました。ご講演では、未来を見据えたこれからの社会に必要なのは、「質の高い探究的な学び」であること、そしてキーワードは「探究」であると語られました。保育における未来志向の実践の重要性が示されました。

本実践発表会では、荒尾市の市長、教育長、小学校長をはじめ、地域の皆様、全国からご参加いただいた保育・教育関係者とともに、学びを深め合う一日となりました

2025年05月28日

ミライティーチャーズアカデミー[第3期]中間発表会 開催

集合写真
チーム発表の様子
質疑応答の様子

4月27日(日)にソニーグループ本社(東京)で第3期ミライティーチャーズアカデミー中間発表会を行いました。新年度が始まり忙しい時期ではありましたが、全国から受講生の皆さんが集まり熱心な議論が交わされました。

この研修は全体を大きく3つのPhaseに分けて段階的に学びを進めており、現在はPhase3の時期に入っています。

昨年12月末の「テーマ発表会」で各チームの方向性が固まり、徐々に実践に取り掛かり始めているチームもあります。

次回は、8月の「成果発表会」になります。1年半の研修を通して仲間たちと練り上げてきたプロジェクトの最終発表の場です。今の社会や教育をどのように受け止め、全体テーマ「子どもたちが2050年に自分らしく生きられるように、あなたたちは何をしますか」にどのようなアプローチで迫るのか、各チームの発表に期待をしたいと思います。

2025年05月19日

[募集終了]「子どもの見取りから実践のまとめ方まで」

「子どもの見取りから実践のまとめ方まで」 イメージ画像

昨年度のソニー教育助成論文に入選された先生方から実践発表や論文への取り組みについてお話いただく「科学が好きな子どもを育てる『子どもの見取りから実践のまとめ方まで』」をオンライン(Zoom)で開催します。当日は2025年度論文の説明もあります。ぜひご参加ください。

  • 【開催日時】2025年6月6日(金)20:00-21:30 ※参加費無料
  • 【内容】
    • 2024年度ソニー教育助成論文入選者・優秀校による実践発表:20:00-21:00
      • 齋藤祐聖さん(鹿児島大学教育学部附属小学校)
      • 村西祐貴大さん(香取市立山田中学校)※前任校
      • 鴫原卓さん(郡山市立明健小学校)
    • 2025年度論文募集説明会(ソニー教育財団):21:00-21:30
  • 【開催形態】オンライン(Zoom)
  • 【対象】小・中学校の教員ならびに教育関係者
  • 【申込締切】2025年6月3日(火) 2025年6月5日(木)15時 ※締切を延長しました
  • 【申込方法】参加申込フォームより必要事項をお送りください

2025年04月01日

[募集終了]<第1弾>子ども科学教育研究全国大会 特派員募集!

子ども科学教育研究全国大会 特派員募集 イメージ画像

ソニー教育助成論文で最優秀校に選ばれた学校を会場に開催される「子ども科学教育研究全国大会」(以下、全国大会)へ参加するための交通費を助成します(上限1万円)

優れた実践や取り組みを間近で見て、感じたことをレポートにまとめて発信していただけませんか そして全国から集まった仲間と交流を深め、ネットワークを広げませんか。

第1弾は6月13日(金)開催の福井大学教育学部附属義務教育学校の特派員を募集します。(応募締切:5月7日(水)15時)
詳しくは募集案内をご覧ください。