保育のヒント~「科学する心」を育てる~

温かい・冷たい/学校法人中沢学園認定こども園 会津若葉幼稚園(福島県)

砂に手をついている子どもたちの写真子どもたちの発見や気づきに寄り添う時、どのようなことを大切にされていますか?

今回は、「ここは温かい」「こっちは冷たい」など、地面を触った時の“子どもたちにとっての大発見”に注目した事例をご紹介いたします。

子どもたちの気づきや発見を、保育者が見逃さずに共感したことが、試したり考えたりする姿につながっています。また、子どものワクワク感を共有する保育者や友達の存在が「科学する心を育てる」体験を支えていることが読み取れます。

「さわってごらん!」(6月)/3歳児

砂に手をついている子どもたちの写真砂に手をついている子どもたちの写真
砂の温度を確かめる子どもたちの様子
子どもの姿 保育者の気づき・願い・援助

戸外遊びで日の当たっている場所の砂を触っていたEさんが、「あったかい!」と、発見したことをつぶやいた。

保育者の援助Eさんの傍で一緒に砂を触り「ほんとだね!あったかい!」と大きな動作や表現で共感する。

保育者の願いEさんには、友達や保育者に共感されることで、さらに発見する嬉しさを味わうことにつなげたい。また、他の子どもたちにもEさんの発見を知って欲しい。

そして Eさんは、仲良しのFさんを呼んで「触ってごらん!」と誘う。

保育者の気づきEさんは、Fさんに伝えたい!という気持ちが出てきた。

保育者の援助FさんにEさんの思いが伝わるよう「Eちゃんが温かい砂を見つけたんだって!」と言葉を添える。

保育者の気づきFさんは興味をもち、笑顔でEさんのところへ向かった。

Fさんは「ほんとだ一!」と喜び、手を砂に埋めて一緒に温かい砂を触ることを楽しむ。

保育者の願い子ども同士、言葉でやりとりし、発見や友達へ“伝える・伝わる”嬉しさを知ってほしい。

2人のやりとりを見ていたGさんは「黒い砂はちょっと冷たいよ!」とEさんとFさんに伝えにくる。

保育者の援助EさんとFさん、Gさんの関わりを見守り、伝えられないところは気持ちに寄り添って援助をする。

(黒い砂とは影になっているところにある砂)黒い砂を実際に触ってみて「ほんとだ!」「冷たいね! 」と笑顔で顔を見合わせる。

保育者の気づき見たまま、感じたままの表現(あったかい砂・黒い砂等)が出てきた。子ども同士で自分の体験から言葉などで表現して伝えている。

次にFさんが「じゃあ、この階段はどうかな?」と提案し3人でコンクリート製の階段を触ってみる。

Eさん:「この階段はちょっとだけ冷たい!」
Gさん:「私も触ってみる!」
Fさん:「ほんとだ! なんか黒い砂よりは温かいね! でも、この砂(一番初めに触った砂)よりは冷たい!!」

保育者の願い「発見して楽しい! 嬉しい!」「経験を誰かに伝えたい」「ワクワクする気持ち」などを十分に受け止めたい。また、伝えることで嬉しさが大きくなる経験をして欲しい。

大発見をしたことが嬉しく、得意気に「先生も触ってごらん!」と伝えにくる。保育者が共感してくれたことを喜び、みんなにも「触ってごらん!」と誘う。

保育者の援助子どもたちの発見を「先生に教えてくれてありがとう!」と伝え、それぞれの場所に行って一緒に触ったり、「みんなにも教えてあげたら?」と提案したりする。

保育者の気づき発見を周りに知らせ、面白さを共有する楽しさや友達や保育者と同じ気持ちになる嬉しさを味わっている。

振り返り

  • 面白い!楽しい!ことがあった時、自分だけで楽しむだけでなく周りの友達や保育者に伝えたい思いが溢れてくる。自分だけでなく、友達や保育者とワクワクする気持ちを共有することが嬉しいようだ。また、友達がまた別のワクワクを見つけることでいろいろな発見ができる楽しさを味わっていた。
  • 保育者が、子どもたちのやりとりを尊重し、表現を受け止めて援助することで、より一層発見することが面白くなると思われる。
  • この時期、友達や保育者との関わりが増え「みて!みて!聞いて!」と働きかける姿がたくさん見られた。周りに発信したい気持ちを十分に受け止め、面白さに共感していくことが今後のやってみようという気持ちや「科学する心」の育ちにつながっていくと考える。
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