今年度は全国の幼稚園・保育所・認定こども園より153件の論文応募があり、
書類審査、現地調査および厳正なる最終審査を経て、下記の通り入選園が決定しました。
今年度は全国の幼稚園・保育所・認定こども園より153件の論文応募があり、
書類審査、現地調査および厳正なる最終審査を経て、下記の通り入選園が決定しました。
ソニー幼児教育支援プログラム 最優秀園(2園)
教育助成金200万円とソニー製品
ソニー幼児教育支援プログラム 優秀園 審査委員特別賞(1園)
教育助成金30万円とソニー製品
ソニー幼児教育支援プログラム 優良園(13園)
教育助成金10万円とソニー製品
●(福)五倫会 美郷こども園/青森県 ●川俣町立富田幼稚園/福島県 ●江東区立もみじ幼稚園/東京都 ●(学)錦秋学園 錦秋幼稚園/東京都 ●(福)喜慈会 子中保育園/神奈川県 ●新潟市立沼垂幼稚園/新潟県 ●安城市立東端保育園/愛知県 ●草津市立矢倉幼稚園/滋賀県 ●(大)京都教育大学附属幼稚園/京都府 ●幼保連携型認定こども園 津田このみ学園/兵庫県 ●玉野市立荘内南幼稚園/岡山県 ●(福)愛育福祉会 幼保連携型認定こども園 こばと保育園/宮崎県 ●(大)鹿児島大学教育学部附属幼稚園/鹿児島県
ソニー幼児教育支援プログラム 奨励園(50園)
教育助成金5万円とソニー製品
●札幌市立手稲中央幼稚園/北海道 ●札幌市立はまなす幼稚園/北海道 ●(学)ろりぽっぷ学園 ろりぽっぷ泉中央南園/宮城県 ●(学)ろりぽっぷ学園 ろりぽっぷ保育園/宮城県 ●(学)七郷学園 蒲町こども園/宮城県 ●(学)中沢学園 認定こども園 会津若葉幼稚園/福島県 ●二本松市立あだたら保育所/福島県 ●川俣町立川俣南幼稚園/福島県 ●(学)勝田学園 大成幼稚園/埼玉県 ●さいたま市立指扇保育園/埼玉県 ●さいたま市立寿能保育園/埼玉県 ●さいたま市立曲本保育園/埼玉県 ●(学)くるみ学園 認定こども園 くるみ幼稚園/千葉県 ●君津市立常代保育園/千葉県 ●(福)檸檬会 レイモンド汐見丘保育園/千葉県 ●足立区立中島根保育園/東京都 ●(福)砂原母の会 そあ保育園/東京都 ●北区立浮間保育園/東京都 ●(福)あすみ福祉会 茶々そしがやこうえん保育園/東京都 ●千代田区立番町幼稚園/東京都 ●(福)砂原母の会 そあ季の花保育園/東京都 ●(福)さがみ愛育会 幼保連携型認定こども園 愛の園ふちのべこども園/神奈川県 ●(大)上越教育大学附属幼稚園/新潟県 ●(大)山梨大学教育学部附属幼稚園/山梨県 ●伊那市立高遠保育園/長野県 ●伊那市立西春近北保育園/長野県 ●(福)信州福祉会 わかば保育園/長野県 ●安城市立安城北部幼稚園/愛知県 ●西尾市立鶴城幼稚園/愛知県 ●幸田町立大草保育園/愛知県 ●(福)どんぐり会 どんぐり保育園/滋賀県 ●(福)徳雲福祉会 大井こども園/京都府 ●(福)徳雲福祉会 千代川こども園/京都府 ●京都市立楊梅幼稚園/京都府 ●(学)共立学園 認定こども園 新光明池幼稚園/大阪府 ●(福)照治福祉会 阿武山たつの子認定こども園/大阪府 ●(福)堺暁福祉会 幼保連携型認定こども園 かなおか保育園/大阪府 ●(福)ゆずり葉会 幼保連携型認定こども園 深井こども園/大阪府 ●富田林市立新堂幼稚園/大阪府 ●(福)長尾会 長尾保育園/大阪府 ●加古川市立両荘幼稚園/兵庫県 ●(福)ウエル清光会 仁川ウエル保育園/兵庫県 ●(福)任天会 日野の森こども園/兵庫県 ●奈良市立富雄北幼稚園/奈良県 ●出雲市立窪田保育所/島根県 ●(学)水谷学園 認定こども園 北陵幼稚園・北陵保育園/島根県 ●(特非)あいあいの杜 あいあい保育園/岡山県 ●(福)広島和光園 広島和光園保育所/広島県 ●(福)遊亀会 いけだ認定こども園/長崎県 ●そらいろえん/沖縄県
2019年度「ソニー幼児教育支援プログラム」には、全国33都道府県の幼稚園・保育所・認定こども園から、昨年の過去最多応募数を更新する153件のご応募をいただきました。継続して応募されている園の増加に加えて、今年度から主な対象を広げて1歳児から5歳児としたことで、初応募の園も増えています。また、保育者の皆さまが、「科学する心を育てる」保育を指標として子どもたちへの理解を深め、園の特徴を生かした工夫を図った結果、最終的に保育の質の向上につながったという論文が多数寄せられました。
実践事例でも、論文主題の「科学する心を育てる」(Nurturing a Scientific Mindset)に迫真する質の高い実践が多数見受けられ、選考は困難な作業でしたが、詳細な現地調査もあわせた厳正なる審査の結果、最優秀園2園、優秀園9園、優良園13園、奨励園50園を選出致しました。さらに、優秀園の中で、特にユニークな実践をご報告いただいた1園を審査委員特別賞と致しました。それ以外の園には、熱心な取り組みに敬意を表し、「チャレンジ賞」と致しました。
応募論文からは、子どもたちが、人や自然、もの、出来事への気づきや疑問に心を動かす瞬間を見逃さず保育を工夫することで、興味を深めて探究活動をしたり、発想や創造力を発揮し、体験を広げたりする豊かな体験を重ねていることが伝ってきます。また、入選された論文には、子どもの主体性を尊重した「願い」「予想・予測」「推測」に焦点を当て、体験のプロセスを追うことなども実施されています。さらに、子どもの理解を深めるために細やかに記録をとり、丁寧に振り返りながら考察されています。そして、「科学する心」に迫る体験の豊かさを深耕している優れた保育が示されています。特に、保育者が子ども一人一人に寄り添い、満足するまで諦めずに遊ぶための環境や援助の工夫をすることで、子どもたちが事象の予測を検証したり、ものの法則を探ったり、生き物の生態への興味や探究を深めたりすることなどは、関わる人々の視座を高めています。これらの優れた実践は、「科学する心」の確かな育ちにつながっており、多くの園の参考になると考えられます。加えて、事例の深い読み取りのための保育者間のカンファレンスや記録の工夫、保護者及び地域との連携を深める掲示物などの活用、探究を深める子どもの気づき、疑問、発想など実態に添って地域の教育力を生かし科学の本質に迫る実践など、周囲の大人も協働して子どもの成長を支えることの重要性を学ぶことができます。また、子どもたちの「科学する心」を育てたいという思いと、保育の質の向上への努力が相まって、保育者の感性と創造性を育むことにつながっています。そして何より、発信された保育情報からは、子どもと保育者が共に学び育ったことが伝わってきます。一方で、多様な活動の一場面だけを取り上げているため、残念ながら「科学する心」が育まれる変容の過程を読み取ることが難しい報告も増えています。今回の優れた実践論文を参考にされながら、各園にて子どもたちの体験が深まる過程や成長を追っていただき、論文主題に迫る実践につなげてくださることを期待致します。
ご応募いただいた実践の多くからは、「科学する心」が育まれていく子どもの姿に保育者が感動し、さらに、質の向上への意欲を高めていることが強く感じとれました。このような素晴らしい実践例をご報告くださった先生方の熱意とご努力に、深い敬意を表すとともに、心より感謝申し上げます。
これからも子どもたちのために、子どもたちの目線で理解を深め、園全体で多角的かつ俯瞰的な広い視野をもって、「科学する心を育てる」保育を目指して取り組まれることを願って止みません。
次年度も地域や園の特徴を活かし、独自の発想から生まれたユニークな実践のご応募をいただけることを期待しております。
小泉英明/(株)日立製作所 名誉フェロー
青木清/上智大学 名誉教授
秋田喜代美/東京大学大学院 教授
大豆生田啓友/玉川大学 教授
神長美津子/國學院大學 教授
(五十音順)