科学の泉-子ども夢教室

科学の泉について科学の泉-子ども夢教室

「自然に学ぶ」の様子

「科学の泉-子ども夢教室」は、小学校5年生から中学校2年生までの約30名を対象に毎年8月に実施している自然体験教室です。ノーベル化学賞を受賞された白川英樹先生を塾長とし、2005年度から始まりました。

子どもたちが、仲間や指導員と寝起きを共にしながら、自然とのふれ合いを通じて、好奇心を育み、感性を磨くことを目的としています。子どもたちは『自然に学ぶ』を主テーマに、自然をじっくりと探索する中で「自ら疑問や関心をもち、よく観察し、よく記録し、よく調べ、よく考える」ことを大切に活動します。異学年のグループでの活動を基本とし、仲間と発見を共有したり、意見交換したりしながら追究する6日間を過ごします。また、白川英樹先生のノーベル賞受賞のきっかけとなった導電性プラスチックの実験も行います。

修了後も年に一度の交流会を開催するなど、参加者同士が継続して交流を深めています。

  • 特色

    導電性プラスチック実験の様子
    1. 白川英樹先生から直接お話を聞く機会があります。
    2. 自然をじっくりと探索し、その中で自ら持った疑問や興味を仲間と共有し、追究します。
    3. 地域、学年の異なる4~5人でグループを作り、期間中はそのグループでの行動を基本とし、自立的に生活します。
    4. 導電性プラスチックの実験や透明フィルムスピーカーをつくる実験もあります。
    5. 各グループに指導員が付きますが、自分たちの力で解決していくことを大切にします。
    6. 自然探索や観察、実験などを通して科学的な関心を高めるだけでなく、よい人間関係、よい仲間づくりの機会です。
    7. 期間終了後も開催年度を越えた参加者同士での関わり、つながりがあります。
  • 交流会

    「科学の泉-子ども夢教室」修了後も、参加者、白川英樹先生、指導員の先生方との交流が継続できます。

    具体的には、年に1度交流会を開催し、情報交換や研究発表を行っています。それぞれが興味を持っていることや夢を伝え合う中でお互いに励ましあい、高めあえるような交流を期待しています。

    開催は10回を超え、初期メンバーは社会人や大学生になりました。現在では「科学の泉」修了者が中心となり、交流会の企画や運営を行っています。

塾長 白川英樹先生から子どもたちへのメッセージ

塾長 白川英樹先生

皆さんは小学校や中学校で国語、社会、算数(数学)、理科など色々の教科を勉強していることでしょう。その中で皆さんが大好きな理科(科学)は自然と深く関係した教科です。人間は太古の昔から自然と親しむことにより、自然から多くのことを学び、色々なことに応用してきました。

動物や植物などの生物、光や音、電気や磁石、地球と宇宙など、皆さんが学校で学ぶ理科はすでによく分かったことだけですので、自然はもうすっかり明らかにされてしまったと思うかも知れません。しかし、実際には未だ分からないことの方がはるかに多いのです。その証拠に新しい発見や発明が新聞やテレビなどで次々と報道されています。新しい発見や発明のチャンスは次世代を担うあなた方にもあるのです。

そのためには自然に親しみ、自然をよく観察することが大切です。観察したことをありのままに記録することも大切です。そして観察し、記録したことを図鑑や辞典などでよく調べて見ることが大切です。そうすることによって、これまで多くの人が見逃していたことを見つけたり、学校で習ったことが間違いであったりすることが分かるかも知れません。

「科学の泉-子ども夢教室」での5泊6日の体験が、文字通りの夢ではなく、将来への飛躍のきっかけとなることを願っています。

塾長略歴

白川英樹(シラカワヒデキ)

1936年 東京生まれ/専門分野:高分子化学、物質科学

  • 略歴

    • 東京工業大学理工学部化学工学科 卒業
    • 同大学院理工学研究科修士課程、博士課程修了 工学博士
    • 筑波大学 名誉教授
  • 学会活動

    • 日本化学会 名誉会員
    • 高分子学会 名誉会員
    • 電気化学会 名誉会員
    • 日本物理学会 会員
    • 日本学士院 会員(第2部第5分科)
  • 受賞

    • 1983年 高分子学会賞(1982年度)
    • 2000年 高分子科学功績賞(1999年度)
    • 2000年 文化勲章 受章
    • 2000年 文化功労者 顕彰
    • 2000年 ノーベル化学賞
    • 2000年 横浜文化賞学術特別賞
    • 2001年 日本化学会 特別顕彰
  • 主要著書

    • 白川英樹・山邊時雄編、〈化学増刊87〉合成金属-ポリアセチレンからグラファイトまで(1980)
    • 白川英樹 イリューム、第2巻2号(1990)「現代の錬金術-電気を通すプラスチック」
    • 雀部博之 監修、「導電性高分子材料」 シーエムシー(1983)
    • 緒方直哉 編、「導電性高分子」 講談社サイエンティフィク(1990)
    • 白川英樹、「化学に魅せられて」 岩波新書(2001)
    • 白川英樹、「私の歩んだ道 」 朝日選書(2001)
    • 白川英樹、大江健三郎、読売ぶっくれっと「何を学ぶか 作家の信条、科学者の思い」 読売新聞社(2004)
    • 読売新聞調査研究本部編、「中高校生の君たちへ ノーベル賞受賞者との対話」 中央公論新社(2005)