教育助成

2016年度教育助成プログラム 入選発表教育助成(論文・発表)

今年度は、全国の小・中学校より220件、幼稚園・保育所・認定こども園より109件、合計329件の論文応募があり、書類審査、現地調査および厳正なる最終審査を経て、下記の通り入選校・入選園が決定しました。

最優秀校・最優秀園

ソニー子ども科学教育プログラム 最優秀校(1校)/教育助成金300万円とソニー製品

  • 諏訪市立中洲小学校/長野県

    「科学する心」を豊かに育む 自分づくり・ふるさとづくり~予想し検証を重ねながら対象”自然事象”に迫る子ども~
    講評

    本校が考える「科学が好きな子ども像」を明確にしたうえで「いのちの教育」を研究の主題として、「自分づくり・ふるさとづくり」を通して科学と自分・郷土との関わりを子どもたちに実感させ、理解させる実践が行われています。また、科学の基本である「予想し検証を重ねながら“自然事象“に迫る」ための単元展開を工夫するとともに、「対象との出会い・働きかけ・対話」、「予想と検証」、「対話や振り返り」、「子どもの変容」を「学びの道筋」として基本に据えて、子どもたちの学びの姿を丁寧に見とる実践が行われています。
    具体的な実践においては、「御柱祭」という郷土の伝統文化に関連する題材を取り上げるなど、「ふるさと中洲を科学する」教材や環境を積極的に取り入れて子どもたちの興味・関心を喚起し、理科の有用感を持たせるようにしています。また、授業の対話や振り返りの場面では、子どもたちが予想や検証を重ねる過程での自分の見方や考え方を科学的な根拠に基づいて発表しやすいように言語化や図示を重要視するなどの工夫が随所に観られました。

    論文概要

    本校では、予想検証を重ねながら自然事象に近づいていく過程で、自然の巧みさに驚き感動し実感する子どもを「科学が好きな子ども」と捉え実践研究を重ねてきた。
    その結果、身体全体を使った体験的な学びや他者の視点に立ち多様な見方を可能にする対話的な学び、対象に自己を重ねて学びを実感する振り返りを通して、子どもたちの今ある見方や考え方が科学的な見方や考え方に変容していく過程を「自分づくり」とし、その姿を捉えることができた。
    ふるさと「中洲」に視点をあて地域の自然環境を教材化することにより、なにげなく「知っている」ことが、「なるほど。」「すごい!」と感動し実感できるように、授業実践を重ねていきたいと考えている。

ソニー幼児教育支援プログラム 最優秀園(2園)/教育助成金100万円とソニー製品

  • 社会福祉法人ゆずり葉会 幼保連携型認定こども園 深井こども園/大阪府

    あそびの足跡~たどると分かるあそびのふり返り~
    講評

    本園は、2011年度から積み上げてきた成果と昨年度の課題を基に、改めて主題に正対して取り組み、「遊びの足跡」に着目しました。さらに、保育者の意識の変化や子どもの内面理解の深まりを、環境の工夫に繋げた結果、子どもたちに「科学する心」が育まれるという大きな成果に結び付きました。
    園独自の発想で作られた「科学する心」の構造図を枠組みとし、気付きの分類(素朴な気付き・関係付けの気付き・探索探究の気付き)を行って、0~5歳までのそれぞれの気付きの姿を丁寧に捉えた記録を積み重ねています。これらの記録を図式化し(WEB図)、気付きの分類から全体を整理・俯瞰することを、園全体での研修に取り入れ、熱心に取り組まれています。3つの気付きの深まりや広がりだけでなく、気付きが確信や自信に変わった瞬間を捉えることにも注目した点は、これからの教育に求められる「主体的な学び」を見据えた取り組みと言えます。加えて、「遊びの足跡」を観ることで振り返り、見通しをもつというサイクルから子どもを理解する実践は、どの園でも応用できる、他園の参考になる取り組みです。これらの「科学する心」を育てる研究や実践が高く評価されました。
    5歳児では、種の発見から種類による様々な違いに気付き、さらに種から野菜を育てようとする事例、4歳児の泥団子作りでの土の感触の違いに気付き、その違いを活かして遊びを深める事例、3歳児のダンゴムシへの興味を深め、飼育にふさわしい住処を考える事例などからは、子どもたちに、好奇心、観察力、探究心、思いやる心など、「科学する心」の育ちを読み取ることができます。
    どの年齢の事例においても、子どもの思いや興味・関心など、子どもの実態に即した保育者の援助や新たな環境の工夫が図られており、子どもたちのより深い探究が生まれています。特に、地域の教育力を活かすことで、子どもたちの体験を豊かにしていることも分かります。
    現地調査においても、子ども理解に添った保育者の工夫した環境の中で、子どもたちが生き生きと主体的に対象への興味を深め、探究していることが分かりました。また、園全体で、継続して新たな実践の共有に努め、地域の園との交流や保護者との活発な連携が、子どもたちの「科学する心」の育ちを支えていることが確認できました。

    論文概要

    「科学する心を育てる」に取り組んで6年目となる。子どもの気づきを保育者が気づくことから、「あれ?」「なんだろう?!」の気持ちをより膨らませていける保育を大切にしてきた。今年度は特に、「遊びの足跡」というテーマを設定し、今子どもたちが興味をもっている遊びを「起点」として、今後、予想される活動内容の広がりを示し、次の広がりに向けて、環境の構成を大切にした。この中から、子どもたちの気づき、育ちの変化を探っていきたいと考えた。
    「遊びの足跡」をたどる際は、気づきの変化を3つの分類(「素朴な気づき」「関係づけの気づき」「探索探究の気づき」)から捉え、さらに気づきが確信や自信に変わった瞬間を捉えることに注目し、整理した。また、園内研修を工夫し、遊びの内容を月日を追って「遊びの足跡」としてWEB化をし、保育者全員で意見交換しながら共有を図った。
    5歳児では、種の発見から様々な気づきがあり、さらに種から野菜を育てる過程で、特に失敗から新たな方法が生まれた時に、「気づきが確信・自信に変わった瞬間」となることが分かった。また、4歳児では、泥団子作りでの土の感触の違いに気付き、その違いを活かして遊びを深める中で、目当てのものができた時や友達との意見の共有や共感時に、「気付きが確信・自信に変わった瞬間」を捉えることができた。3歳児では、ダンゴムシへの興味を深めていく過程で、観たり、触ったり、比べたり、捕まえたり、餌を探したりなど、実際に体験した時に、「気付きが確信・自信に変わった瞬間」があった。そして、0歳児から5歳児までの事例から分かったこととして、「気付きが確信・自信に変わった瞬間」と「活動を通して育った力や気持ち」を一覧にまとめた(論文参照)。
    今年度の取り組みを通して、子どもたちは今まで以上に「なんだろう?」「試してみよう!」という気持ちが大きくなり、より意欲的に遊びを楽しんでいる。
    これらのことから、保育者は、子どもたちの様々な気づきを見付け、繰り返し遊びを楽しめる環境作りと遊びの時間を保障することの大切さを実感した。これからも、職員間で子どもたちの遊びの中の気づきを共有し、アイデアを出し合い、子どもたちの体験が深まり広がるような環境作りに努めたいと考えている。

  • 奈良市立都跡こども園/奈良県

    「“もっとおもしろく”で広がる遊びの世界」~夢中になって遊ぶ姿を見つめて~
    講評

    本園は、「“もっとおもしろく”で広がる遊びの世界」という園のテーマを揚げ、昨年の「子ども自ら遊びを創る」から踏み込んで、「夢中になって遊ぶ姿を見つめて」をサブテーマに、継続する遊びに着目して取り組んでいます。これにより、子どもたちが「遊びをおもしろくしよう」と諦めずに試行錯誤して、体験を深めていることが事例から伝わってきます。
    保育者が、「遊びの深まりのプロセス」を可視化する記述の仕方を独自に創り出し、共有しやすい図に表して子どもの思いや葛藤を読み取り、園全体で共有しています。また、「もっと遊びをおもしろくしよう」と、子どもたちが思いや目的をもって主体的に遊びを展開している年齢ごとの事例には、子どもらしい発想を実現するための物的な環境もあります。このような環境を子どもたちがダイナミックに使いこなしている遊びの姿には、「科学する心」が育まれています。これらの熱心な主題への取り組みは他園の参考になるものであり、高く評価されました。
    事例では、年齢に応じた発達の特徴を分かりやすく示しており、3歳児では「遊びの面白さ」を、4歳児では「気付き」を、5歳児では「大きな目標を持つ遊び」の展開を記録しています。そして、子どもたちの「小さな目標」に目を向け、「遊びの深まりのプロセス図」に整理して記録を読み取る工夫により、保育者がどう分析し考察したのか、この過程を把握できます。これらの記録やプロセス図からは、保育者が子どもたちに寄り添って言葉がけをしたり、思いや言葉を丁寧に拾って教材の工夫をしたりと、子どもたちの気付きや驚きが引き出されて、豊かな展開に繋がったことが読み取れます。
    現地調査においても、3歳児から5歳児までの子どもたちが、「友達と創意工夫をして遊びを展開する場面」や、「異年齢の友達を思い素材や遊び方を考え合う場面」がありました。そこには、子どもたちの発想や工夫を支える環境、子どもたちの思いや気付きを受け止めている保育者の援助があり、子どもたちも保育者も活気に溢れていました。

    論文概要

    本園では、子どもたちが主体的に“ひと・もの・こと”に関わり試行錯誤して遊ぶことが「科学する心」にどのように繋がるかを追究し、子どもの姿を追ってきた。今年度は「“もっとおもしろく”で広がる遊びの世界」を研究テーマに、「もっとやってみよう」という意欲をもって遊ぶ中で、主体性と創造的な思考力を培う保育の研究に取り組んだ。昨年度、導き出した年齢ごとの「遊びを創り出すプロセス」を基に、今年度は「遊びの深まりのプロセス」を年齢ごとに図に示し、実践を通して遊びが深まっていく過程と、「科学する心」を育むために必要な保育者の援助や環境構成を探った。
    泥や泡に関わり「もっとおもしろく」遊ぶ3歳児の事例では、様々な事象に出合える環境や保育者の援助により、新たな気付きや思いをもち繰り返し楽しみ、遊びが深まっていった。経験を土台に「小さな目標」をもって遊ぶようになる4歳児は、実現に向けて思うようにならない体験をし試行錯誤を重ねる。そこで、保育者が子どもに寄り添う援助をして、タイミングよく環境や支える援助をすることにより、子どもたちは夢中になって繰り返しやってみる姿になり、遊びが深まり達成感を味わった。5歳児は、大きな目標をもって夢中になって遊ぶ。一緒に遊ぶ友達と「どんなことが必要か」「どうしたらよいか」など予想をして小さな目標を重ねて遊びながら、大きな目標を達成するために生じる問題を考え合い、アイデアを出し合って夢中になって遊ぶ。子どもだけでは目標達成への発想が難しい場面で、子どもに寄り添い、考えや行動が引き出せる新たな視点や提案を示す保育者の援助や環境の工夫が重要になった。
    年齢ごとの「遊びが深まるプロセス」の特徴を明らかにしたことは、発達の特徴を踏まえて遊びの深まる過程を十分に読み取り、子どもに寄り添う援助や環境構成をすることに繋がった。子どもたちが、友達や保育者と時間をかけて目標に向かった試行錯誤を繰り返し、遊びを創り出していくことで、「科学する心」が育まれると考え、今後は、更に細かく、子どもたちが“もっとおもしろく”と遊びに夢中になる姿を見つめていきたい。

優秀園 審査委員特別賞

ソニー幼児教育支援プログラム 優秀園 審査委員特別賞(1園)/教育助成金20万円とソニー製品

  • 幸田町立豊坂保育園/愛知県

優秀校・優秀園

ソニー子ども科学教育プログラム 優秀校(14校)/教育助成金50万円とソニー製品

  • 六ヶ所村立尾駮小学校/青森県

    論文概要

    本校は、「疑問を感じ取り、納得するために徹底的に追究し、新しいことを作り出すことを楽しめる子ども」を科学が好きな子どもの姿と設定し、目指す子ども像に近づけるために「子どもの生き抜く力を育む尾駮小トライアングル充実プラン」の実践を重ねている。このプランは、大きく3つの柱「授業充実」「体験充実」「成長実感充実」で構成している。特に、「授業充実」では、子どもたちが自ら問題に気付き、主体的・協働的に解決していく尾駮小オリジナルの学習スタイルを取り入れることで、子どもたちの感性や主体性の向上を実感することができた。2017年度はこのプランをさらに発展させるように綿密な計画のもと、取り組みたい。

  • 山形大学附属小学校/山形県

    論文概要

    私たちは、「科学が好きな子ども」とは、「自然の中にくらす自分を確かにしていく子ども」であると捉えました。子どもは、科学的な手続きのもと自然の事物・現象とかかわりながら生きている世界を広げ、その中で、自然の事物・現象と自分とのつながりを太くし、自然の中にくらす自分を確かにしていこうとします。こうした営みで子どもは科学が好きになると考え、実践研究に取り組みました。子どもに育む能力や教師のはたらきかけはどうあればよいのか、①「自然と自然のかかわりを見つめるために」②「科学的思考で問題を解決するために」③「自分と自然とのかかわりを強くしていくために」の3つの視点を設定し、実践を重ねたところです。

  • 匝瑳市立八日市場第二中学校/千葉県

    論文概要

    本校は、「自然に親しみ、『科学する心』を発揮し、深い理解を求めて、自ら考えて行動する子ども」の育成を目指して、「『科学する心』を組み交わすプロジェクト2016」を提案した。そして、「アクション1 深い理解を求めた理科学習」「アクション2 匝瑳の豊かな自然に学ぶ取り組み」「アクション3 学校全体へ広げる取り組み」に取り組んだ。科学的に探究する学習活動の充実や自然環境の活用と地域社会(人材)との連携を行い、成果を得ることができた。それぞれのアクションにおいて、ひろがりを求める必要性が明らかになったことから、「ひろがりを求めて」を副題に据え、科学が好きな子どもの育成に向けた取り組みを継続している。

  • 袖ケ浦市立蔵波小学校/千葉県

    論文概要

    本校では「学びをつなぐ子ども」の育成を目指してきた。「学びをつなぐ」とは、実験・観察から得た知識や技能などを基に、事実と事実を関係付けて、自然の仕組みやきまりを児童自身が発見していくことを示す。知的好奇心を引き出せるような事象を提示することや発見させたい自然の仕組みやきまりを見据えて、実験や観察の観点を焦点化することなどの手立てを通して、予想時に自分の考えをもつことができたり、実験・観察から得た事実を基に考察したりする児童の姿が見られた。

  • 千葉市立作新小学校/千葉県

    論文概要

    昨年度までの研究を振り返り、次の3点を重点事項として実践を行った。①子どもがじっくり自然の事物現象を観察することによって問題を見付ける、②子どもがもんだに対する予想をもとに検証方法を考える、③観察した結果に対して自分の表現で考察やまとめを話したり書いたりすることをめざした。その結果、本校の子どもが自然の事物現象と日常生活のかかわりを実感し、発言やノートの記述より科学的なものへ変わってきた。来年度は子どもの発達段階と学習の系統を考慮しながら、知的好奇心を柱として「表面的な見方」「時系列(変化)・内部的な見方」「因果関係・統一的な見方」をもとにして深い学びにつなげ、科学が好きな子どもを育てたい。

  • 千葉市立花園中学校/千葉県

    論文概要

    ハワード・ガードナー氏が提唱する多重知能(マルチプル・インテリジェンス)の考え方を取り入れた「花園中マルチプロジェクト」を実践した。言語能力、数学的能力、空間能力、運動能力、音感能力、人間関係形成能力、自己観察能力、自然との共生能力の8つの能力を土台として取り組んだ結果、本校の科学が好きな生徒像でもある「自然に対する探究心をもって、主体的に学び、自らの考えを表現できる生徒」の育成につながった。さらに、マルチプロジェクトを発展させた、新プジェクトである「花園中スタンダード」へとつなげることとした。

  • 横浜市立白幡小学校/神奈川県

    論文概要

    本校が目指す科学が好きな子ども像は「意欲的に問い続け、学び続ける子ども」「問題に対してみんなで考えを出し合い、解決していこうとする子ども」である。
    この姿を具現化するために「つながり」を意識した実践を重ねてきた。国語科と理科のつながり、社会科と理科のつながり、アニメのワンシーンと現実のつながり、電気と磁石のつながり、学習したことと身の回りの道具のつながり。つなげることで見える世界が広がり、深まることを実感した子どもたちは、より意欲的に学ぶことができるようになっていった。
    授業中の発話記録とノートの記述を丁寧に分析していくことで、授業改善を繰り返し、「科学が好きな子ども」を目指している。

  • 福井市美山中学校/福井県

    論文概要

    私たちは「科学が好きな子ども」とは、「『なぜ』を楽しみながら探究し、学び続ける生徒」であると捉えている。そこで、①生徒の「なぜ」を解明していく授業、②学びがつながり、ひろがっていく授業、③学習プロセスの評価の3点を大切にして授業を行ってきた。具体的には、粒子概念を探究の軸とした水和と状態変化の授業、本物のプロジェクターを分解・再現して凸レンズの仕組みを解明する授業、未来の主権者として北陸新幹線福井駅開業後の地域戦略を考える授業、特別支援学級においてつながりを大切にした自己肯定感を育む授業等を実践した。そしてこれらを振り返り、生徒の学びのプロセスを明らかにして、その深まりについて考察している。

  • 富士見町立富士見中学校/長野県

    論文概要

    「科学する心」を涵養することで「科学が好きな子ども」を育む継続的な取り組みを「生徒の学びをどう深めるか」(Active Acquirement)「学びに向かう環境や基盤・素地の充実」(Build up Base)「自分と他者や事象がどうつながっているか意識する」(Connection&Cooperation&Create)のA,B,Cに整理しなおした。この柱をもとにミッション型課題授業(MPL)や原理法則を自分なりに考え探す授業の工夫や、校長講話や校長室前展示など学校全体で理科に関係することの環境を高める取り組み、ずれや矛盾をもとに話し合いを深めて互いの考えや日常生活への繋がりを意識した授業をおこなった。

  • 豊川市立西部中学校/愛知県

    論文概要

    自然を大切にし、よりよい暮らしを創造する人間を育成したい。「知識や経験では説明できない事象」に出合った子どもは、問題を解決するために仮説を立て、確かめる実験を各自が繰り返した。そして、結果をもとに話し合い、結論を導き出した。3年生は、等速直線運動や自由落下運動から条件を導き、落下する的を一発で射貫いた。2年生は、酸化鉄の還元方法を数多く調べ、よりよい方法を決めた。1年生は、各自が違う光合成の実験を行い、植物の神秘を感じた。子どもは、「自分で考えると楽しい」「みんなで話し合うと成功できる」「何気なく見ている植物はすごい」と感じた。「なぜ」を大切に、感性・創造性・主体性を育て、自然の神秘や科学の有用性を実感した。

  • 今治市立乃万小学校/愛媛県

    論文概要

    本校では、『一人一人のよさを発揮し、共に科学を創造していく』子どもを育てたいと考え、「なじむ」「感動する」「自分事になる」の3つの視点をもち、問題解決の過程を大切にした実践に取り組んできた。子どもが思いをもつためのなじむ時間の保障や感動する瞬間の教材化、専門家に学ぶものづくりなどによって、よさを発揮する主体的・創造的な授業を行うとともに、感性を磨く環境づくりを工夫した。今後は、「きっとこうなる(仮説)」、「こだわりと共感」、「共感的支援」の3つをキーワードに、「やってみたいな」「あっ、そうか」「だったらこうかな」という驚きや矛盾、実感を重視した問題解決学習に取り組み、科学が好きな子どもを育てたい。

  • 愛媛大学教育学部附属小学校/愛媛県

    論文概要

    私たちは、「自然が好き、人が好き、自分が好きな子どもを育てる授業」を目指し、授業実践や授業改善を行ってきた。その実践や改善のポイントは、子どもが自然や人、自分自身と主体的につながろうとする発動要因を「学ぶ喜び」と捉え、そこに働き掛けを行うことにより、子どもの「科学する心」を一層育んでいくことである。そのために、時間軸(発達段階)と空間軸(学習材)の二つの軸で単元(授業)を構想し、目の前の子どもをありのままに見取り、それにちょうど合った学習材をうまく創り上げ、それらの相乗効果から「科学する心」の育ちを最大限に促すよう試みた。

  • 北九州市立藤松小学校/福岡県

    論文概要

    「見る」活動を「内容(教材)」、「方法(教師の関わり)」、「環境(人材・自然)」の視点から充実させることで、「自ら自然事象に関わり、自分の目で見て、自分の頭で考え、自然世界を理解することを楽しむ子ども」の育成を目指した。
    「何を」「どのように」見せるのかを検証し、①必要なものを②本物を③友だちの様子を④意外なものを、見せること、①子どもが欲した時に②多面的に③視点を絞って④順序立てて⑤見えるように、見せること、そして、「ヒト(豊かな人材)」「モノ(身近な自然)」「コト(体験活動)」の有効な活用で学びの環境を整えることで、「見る」活動の充実を図ることができることを明らかにした。

  • 山鹿市立稲田小学校/熊本県

    論文概要

    本校では、「科学が好きな子ども」を「科学的な見方や考え方ができる子ども」ととらえ、具体的に目指す児童像を「わくわく・どきどき・いきいき・観察や実験をする子ども」「実生活と関連付けて、自分の考えを表現できる子ども」「実生活の中で、理科のよさや楽しさを実感できる子ども」と設定し、目指す児童像に迫るために3つの視点を設定し、実践に取り組んだ。
    本論文では、視点に沿った全学年の授業実践例や、授業での学びを支えるために全校で取り組んでいる理科的環境整備や日常活動を紹介している。

ソニー幼児教育支援プログラム 優秀園(12園)/教育助成金20万円とソニー製品

  • 社会福祉法人五倫会 美郷保育園/青森県

  • 南陽市立赤湯幼稚園/山形県

  • 学校法人くるみ学園 認定こども園 くるみ幼稚園/千葉県

  • 社会福祉法人代々木鳩の会 鳩の森保育園/東京都

  • 学校法人あおい学園 あおい第一幼稚園/東京都

  • 学校法人恵愛学園 愛泉幼稚園/新潟県

  • 社会福祉法人なのはな 菜の花保育園/山梨県

  • 社会福祉法人信州福祉会 わかば保育園/長野県

  • 社会福祉法人徳雲福祉会 千代川保育園/京都府

  • 京都市立中京もえぎ幼稚園/京都府

  • 堺市立みはら大地幼稚園/大阪府

  • 社会福祉法人顕真会 よいこのもり幼保連携型認定こども園・よいこのもり第2幼保連携型認定こども園/宮崎県

奨励校・奨励園

ソニー子ども科学教育プログラム 奨励校(93校)/教育助成金10万円とソニー製品

  • 旭川市立大有小学校/北海道
  • 札幌市立二条小学校/北海道
  • 札幌市立円山小学校/北海道
  • 美幌町立北中学校/北海道
  • 十和田市立四和小学校/青森県
  • 八戸市立小中野小学校/青森県
  • 三沢市立三沢小学校/青森県
  • おいらせ町立木ノ下小学校/青森県
  • 南部町立向小学校/青森県
  • 上山市立西郷第一小学校/山形県
  • 会津若松市立謹教小学校/福島県
  • いわき市立大野第二小学校/福島県
  • いわき市立小名浜第一小学校/福島県
  • いわき市立好間第二小学校/福島県
  • 相馬市立桜丘小学校/福島県
  • 田村市立瀬川小学校/福島県
  • 田村市立滝根小学校/福島県
  • 福島市立飯坂小学校/福島県
  • 福島市立岡山小学校/福島県
  • 福島市立森合小学校/福島県
  • 福島大学附属小学校/福島県
  • 天栄村立広戸小学校/福島県
  • つくばみらい市立三島小学校/茨城県
  • 高崎市立吉井西中学校/群馬県
  • さいたま市立大谷口小学校/埼玉県
  • さいたま市立本太小学校/埼玉県
  • 埼玉大学教育学部附属小学校/埼玉県
  • 市原市立市原小学校/千葉県
  • 千葉市立院内小学校/千葉県
  • 千葉市立寒川小学校/千葉県
  • 千葉市立都賀小学校/千葉県
  • 千葉市立緑町小学校/千葉県
  • 千葉市立宮崎小学校/千葉県
  • 銚子市立第三中学校/千葉県
  • 習志野市立東習志野小学校/千葉県
  • 国立市立国立第七小学校/東京都
  • 横浜市立井土ヶ谷小学校/神奈川県
  • 横浜市立稲荷台小学校/神奈川県
  • 横浜市立権太坂小学校/神奈川県
  • 小千谷市立小千谷小学校/新潟県
  • 県立柏崎翔洋中等教育学校/新潟県
  • 長岡市立中之島中央小学校/新潟県
  • 新潟市立東中野山小学校/新潟県
  • 福井市明道中学校/福井県
  • 福井市森田中学校/福井県
  • 岡谷市立岡谷南部中学校/長野県
  • 岡谷市立神明小学校/長野県
  • 富士見町立富士見小学校/長野県
  • 岐阜市立陽南中学校/岐阜県
  • 瑞浪市立瑞浪中学校/岐阜県
  • 瑞穂市立穂積北中学校/岐阜県
  • 岡崎市立葵中学校/愛知県
  • 刈谷市立朝日小学校/愛知県
  • 刈谷市立朝日中学校/愛知県
  • 刈谷市立小垣江東小学校/愛知県
  • 刈谷市立刈谷東中学校/愛知県
  • 刈谷市立刈谷南中学校/愛知県
  • 刈谷市立日高小学校/愛知県
  • 刈谷市立富士松北小学校/愛知県
  • 刈谷市立依佐美中学校/愛知県
  • 知立市立知立南小学校/愛知県
  • 西尾市立西尾小学校/愛知県
  • 西尾市立平坂中学校/愛知県
  • 幸田町立幸田中学校/愛知県
  • 京都市立洛央小学校/京都府
  • 堺市立八田荘西小学校/大阪府
  • 堺市立浜寺石津小学校/大阪府
  • 姫路市立御国野小学校/兵庫県
  • 姫路市立妻鹿小学校/兵庫県
  • 日野町立黒坂小学校/鳥取県
  • 江田島市立江田島小学校/広島県
  • 江田島市立切串小学校/広島県
  • 東広島市立河内小学校/広島県
  • 熊野町立熊野中学校/広島県
  • 下関市立向井小学校/山口県
  • 阿波市立一条小学校/徳島県
  • 今治市立鳥生小学校/愛媛県
  • 北九州市立青山小学校/福岡県
  • 北九州市立到津小学校/福岡県
  • 北九州市立祝町小学校/福岡県
  • 北九州市立合馬小学校/福岡県
  • 北九州市立清水小学校/福岡県
  • 北九州市立熊西小学校/福岡県
  • 北九州市立曽根東小学校/福岡県
  • 福岡市立香椎東小学校/福岡県
  • 福岡市立名島小学校/福岡県
  • 長崎市立鳴見台小学校/長崎県
  • 熊本市立銭塘小学校/熊本県
  • 合志市立西合志東小学校/熊本県
  • 出水市立出水小学校/鹿児島県
  • 鹿児島市立瀬々串小学校/鹿児島県
  • 鹿児島大学教育学部附属小学校/鹿児島県
  • 薩摩川内市立平佐西小学校/鹿児島県

ソニー幼児教育支援プログラム 奨励園(52園)/教育助成金5万円とソニー製品

  • 学校法人ろりぽっぷ学園 ろりぽっぷ幼稚園/宮城県
  • 学校法人ろりぽっぷ学園 ろりぽっぷ保育園/宮城県
  • 学校法人中沢学園 みなみ若葉こども園/福島県
  • 社会福祉法人慈育会 若葉台保育園/福島県
  • 二本松市立石井幼稚園/福島県
  • 二本松市立小浜幼稚園/福島県
  • 福島市立岡山幼稚園/福島県
  • 福島市立庭塚幼稚園/福島県
  • 川俣町立川俣南幼稚園/福島県
  • 学校法人勝田学園 大成幼稚園/埼玉県
  • さいたま市立常盤保育園/埼玉県
  • さいたま市立本太保育園/埼玉県
  • 学校法人武蔵野学院 武蔵野短期大学附属幼稚園/埼玉県
  • 学校法人鴻ノ巣学園 きたかしわ幼稚園/千葉県
  • 学校法人岩崎学園 くりの木幼稚園/千葉県
  • 品川区立大井保育園/東京都
  • 墨田区立立花幼稚園/東京都
  • 墨田区立第三寺島幼稚園/東京都
  • 墨田区立柳島幼稚園/東京都
  • 社会福祉法人豊島区社会福祉事業団 西巣鴨さくらそう保育園/東京都
  • 社会福祉法人龍美 陽だまりの丘保育園/東京都
  • 学校法人織田学園 おだ認定こども園/東京都
  • 社会福祉法人立野みどり福祉会 立野みどり保育園/東京都
  • 学校法人あおい学園 あおい幼稚園/新潟県
  • 学校法人山梨学院 山梨学院幼稚園/山梨県
  • 伊那市立竜東保育園/長野県
  • 安城市立城ヶ入保育園/愛知県
  • 岡崎市百々保育園/愛知県
  • 認定子ども園 岡崎市豊富保育園/愛知県
  • 社会福祉法人徳雲福祉会 大井保育園/京都府
  • 学校法人常磐会学園 認定こども園 常磐会短期大学付属常磐会幼稚園/大阪府
  • 学校法人常磐会学園 幼保連携型認定こども園 常磐会短期大学付属いずみがおか幼稚園/大阪府
  • 富田林市立新堂幼稚園/大阪府
  • 富田林市立錦郡幼稚園/大阪府
  • 学校法人長尾学園 長尾幼稚園/大阪府
  • 社会福祉法人長尾会 長尾保育園/大阪府
  • 社会福祉法人長尾会 第2長尾保育園/大阪府
  • 社会福祉法人友愛福祉会 伊丹ひまわり保育園/兵庫県
  • 姫路市立御国野幼稚園/兵庫県
  • 奈良市立布目こども園/奈良県
  • 奈良市立六条幼稚園/奈良県
  • 出雲市立高松幼稚園/島根県
  • 出雲市立中央保育所・幼稚園/島根県
  • 学校法人水谷学園 認定こども園 北陵幼稚園・北陵保育園/島根県
  • 呉市明徳保育所/広島県
  • 丸亀市立城坤幼稚園/香川県
  • 福岡市立雁の巣幼稚園/福岡県
  • 諫早市立諫早幼稚園/長崎県
  • 社会福祉法人愛育福祉会 幼保連携型認定こども園 こばと保育園/宮崎県
  • 学校法人押野学園 幼保連携型認定こども園 せんだい幼稚園/鹿児島県
  • 石垣市立いのだ幼稚園/沖縄県
  • そらいろえん/沖縄県

審査委員長総評

ソニー子ども科学教育プログラム

2016年度「ソニー子ども科学プログラム」に、多くの小学校・中学校から論文のご応募をいただきました。本年の応募数は、昨年の208校を超えて220校となり、この10年間では3番目に多い応募となりました。本プログラムの趣旨に賛同され、論文の作成を通じて授業の実践を振り返り、次年度の計画を立案し、真摯な取り組みをされておられる全国の先生方が着実に増えていることを示しており、誠に心強く思います。

本年度の最優秀校には、長野県諏訪市立中洲小学校が選出されました。

本校では、論文の主題である「科学が好きな子ども像」を明確にしたうえで、「いのちの教育」を研究の柱に据え、科学の基本である「予想し検証を重ねながら“自然事象“に迫る」ための単元の展開や、子どもたちの学びを丁寧に見とるための「学びの道筋」を基本に据えた特色ある実践がなされています。特に、郷土の伝統文化や環境に関連する題材を取り上げるなど、子どもたちの興味・関心を喚起するとともに、理科の有用感を持たせるように工夫された授業が行われています。また、次年度の計画では、本年度の実践を丁寧に振り返り、系統的かつ具体的な計画が明確に示されています。

本年度は中学校の最優秀校はありませんでしたが、年々、論文にまとめられた実践や計画の内容は充実しており、選考の過程では様々な議論がありましたが最終的には現地調査の結果を踏まえて決定にいたりました。

今年度の論文の傾向として、理科の授業の充実に重点が置かれ、学校全体の取り組みが少ない論文が多く見られましたが、現地調査では論文執筆の核となる研究代表者だけでなく、複数の先生も加わって優れた実践に取り組んでいる学校を見出せたことは、大変喜ばしいことであり、これらの取り組みがさらに学校全体へと発展・展開されることを期待しています。また、本プログラムは、応募要項にも記載の通り6つの観点で審査を行っていますが、「教育実践の成果と課題の考察」を踏まえて、これに基づく次年度の「教育計画」をしっかりと具体的に記述した論文が少なかったことは残念なことです。年間計画や単元全体をどのような“ねらいや方針”で取り組むのかという見通しを系統立てて示していただくことが重要と考えます。本プログラムの実践をカリキュラムのPDCAサイクルに位置づけていただくことで、目指した実践の成果と課題の明確化や次年度の教育計画の策定など、継続したプロセスとして展開できます。是非ともこの点に留意していただき、これからの理科教育を牽引するような、新規性や独創性のある先進的な取り組みに挑戦していただくようお願いします。

最優秀校と優秀校の論文は当財団のホームページで公開しております。多くの先生方や教育に携わる方々がご覧をいただき、目指す子どもの姿や単元計画の策定、実践での手立てとしてお役立てくだされば幸いです。

最後に、「ソニー子ども科学教育プログラム」の趣旨にご賛同いただき、子どもたちの輝ける未来のために、日々創意工夫を凝らして実践に取り組んでおられる学校や先生方と、その活動を温かくご支援くださっている保護者や地域の皆様に心より感謝申しあげます。

審査委員長
  • 御手洗康/元文部科学事務次官
審査委員(五十音順)
  • 渥美雅子/弁護士
  • 大髙泉/筑波大学大学院教授
  • 清原洋一/文部科学省初等中等教育局主任視学官
  • 久保田重夫/元東京大学生産技術研究所特任教授

優秀校の論文は2017年2月ごろ公開予定

ソニー幼児教育支援プログラム

2016年度も「ソニー幼児教育支援プログラム」に、多くの幼稚園、保育園(所)、認定こども園から論文のご応募をいただきました。「科学する心を育てる」ために、真摯な取り組みをしておられる全国の多くの園や保育者の方々へのお礼と共に、そのご努力に対して心から敬意を表します。

今年度は、全国25都府県から109園のご応募をいただきました。本プログラムのスタートから15回目を迎えた今年度は、子どもたちのさまざまな思いや気付きに寄り添い、「科学する心」の観点から保育を振り返り、論文の作成を通して子どもたちの成長や保育の方向性を明らかにされた園が増えています。子どもたちが、主体的に生き生き遊ぶ環境・援助を工夫する重要性や、子どもの育ちが明らかになる保育の喜びを実感し、子どもたちに豊かな体験ができるよう、意欲的に実践されていることが伝わってきました。

特に、園独自の方法で保育を振り返り、子ども理解や環境の工夫を園全体で共有し、質の高い実践を展開している園がとても多く、選考の過程は困難を極めました。詳細な現地調査も踏まえた審査の結果、最優秀園2園、優秀園13園、奨励園52園を選出いたしました。また、優秀園の中から、特にユニークな事例を報告いただいた1園を審査委員特別賞といたしました。

「科学する心を育てる」を目指す、「ソニー幼児教育支援プログラム」に入選された園の論文では、実践の内容として次のような諸点が明瞭に示されています。

  1. 子どもたちが生き物の命や自然物の不思議さに心を動かして、繰り返し関わり探究を深めている。
  2. 子どもたちが自ら興味をもって、人や自然、もの、出来事に関わり、豊かな発想が実現できるように創意工夫して遊びを展開している。
  3. 自然から様々な学びをする子どもたちの思いや気付きを深く理解し、自分たちで思いを実現できるように環境の工夫を図っている。
  4. 保育を振り返り、園全体で子どもの理解や今後の方向性を共有している。

加えて、子どもたちの健やかな成長を願う保護者や地域の方々が、園と共に、「科学する心」が育まれる子どもたちの体験を支援してくださる実践を重ねられています。子どもたちの思いや気付きの生まれる場面、試行錯誤や創意工夫する過程に加えて、思いや目標を実現しようと諦めずに挑戦する場面など、遊びが展開したことで、子どもの確かな成長につながった実践が多く、心強く思います。

このような優れた実践の数々をご報告いただいた先生方の熱意とご尽力により、これからも子どもたちのために、より広く、より深い視座から幼児の発達や実践を共有し合い、日々の幼児教育に取り組まれることを願っております。

審査委員長
  • 小泉英明/(株)日立製作所・役員待遇フェロー
審査委員(五十音順)
  • 青木清/上智大学名誉教授
  • 秋田喜代美/東京大学大学院教育学研究科教授
  • 大豆生田啓友/玉川大学大学院教育学研究科教授
  • 神長美津子/國學院大學人間開発学部教授