保育のヒント~「科学する心」を育てる~

季節を楽しむ~冬の寒さ~/社会福祉法人 信州福祉会 わかば保育園(長野県)

冬の寒さの中、子どもたちは、どのような遊びを楽しんでいますか?

今回は、地域ならではの気候による自然事象と出合い、体を動かして遊びを楽しむ子どもの姿をご紹介いたします。

雪や氷などの対象に、感覚・感性を発揮して関わる過程で、自然の不思議さを感じ、疑問をもったり試行したりする姿に、「科学する心」に繋がる体験を読み取ることができます。

雪・氷/5歳児

土手でのそり滑りは楽しい

雪の斜面を滑り降りる子どもたちの写真
  • 1月、待ちに待った大雪が降った。子どもたちは、さっそく、レジ袋や肥料袋を持って、“ぽかぽか畑”の土手に向かった。大人から見れば急斜面の土手であるが、子どもたちは平気で滑り降りて速さを楽しんでいる。
  • お尻で滑っていた子どもたちの中に、横向きでゴロゴロと、転がるように滑り降りる子どもがいた。
  • それを見ていたAちゃんが、「僕はこうするよ」と、前向きになって顔から滑り降りた。滑り方を工夫しながら楽しむ姿が見られた。
  • 翌日、「もっと寒くなれば、土手滑りができるのになあ」とCちゃんが言ったので、保育者が、「どういうこと?」と質問した。
    「だって、寒いと雪が溶けないでしょ。土手の雪が堅くなって(よく)滑るんだよ」と、Cちゃんは言った。周りの友達や保育者も、この考えに共感した。

ザクザクの氷は柔らかい

割った氷を持ち上げる子どもの写真
氷の上に乗っている子どもの写真
  • 1月中旬、氷点下10℃以下の日が続いた朝、園庭の脇を流れる用水路の流水が凍り付いて、その氷で遊ぶ子どもの姿があった。水路に凍った氷を指で突いて、下を流れる水に落として楽しんでいた。
    1. 子ども:「トントンとやると、バサッて落ちて面白いね」
    2. 子ども:「どうして、氷、白いのかな? かき氷みたいだね」
    3. 子ども:「どうして、水の上の方に氷があるの?水についていないよ」
    4. しばらくすると、氷を割って取り出し、持ち上げて水滴が垂れることを楽しむ子どもがいた。
  • ザクザクしていることに疑問を感じているように思えたので、子どもたちの感じていることに共感しながら、次のように投げかけた。
    1. 保育者:「どうして、ザクザクの氷になったと思う?」
    2. 子ども:「(しばらく考えて)雪が川に入って凍ったんじゃないの?」
    3. 保育者:「雪が凍るとザクザクになるんだ」
    4. 子ども:「だって、雪で色水作ったとき、ザクザクになったよ」
  • Aちゃんが、川をさかのぼり凍り方の違う氷に気がついた。
    1. Aちゃん:「ここなら乗れそう」と言って、流れの緩やかな所に来て、ゆっくりと氷に乗り、歩き出した
    2. 保育士:「こっちの氷は、乗れるんだね」
    3. Aちゃん:「ツルツルしていて、堅そうだから大丈夫。スケートみたい」

考察

  • 滑りながら、気温と雪解けの関係や、斜面と自分の体の動きとの関係など、様々なことを感じ取りながら、滑ることの面白さを味わっている。滑り方、滑るために使うものなど、自分なりに工夫したり、友達の動きが刺激となったりして、遊びを楽しむことができた。
  • 園の畑脇の水路に出かけて凍り遊びをする子どもの姿を見ていると、流水の凍り方や流れの緩やかな所で、凍り方の違い、氷の質の違いなどを感じ取っていることが分かった。白くザクザクした氷は流れの急な所に、透き通るように硬い氷は流れの緩やかな所にできることなど、氷遊びを通して体で感じ取っている。子どもの「面白そう」「やってみよう」という意識を大事にしていくことで、ものを見る目が育つのではないかと思われる。
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