保育のヒント~「科学する心」を育てる~

気づく・試す~2歳児~/伊那市立高遠保育園(長野県)

皆さんの園では、異年齢の子どもたちが関わり合う姿は、どのような場面で見られますか? また、どのような関わりの場面を大切にしていますか?

今回は、1・2歳児が、泡遊びをする4歳児や保育者の姿に心を動かして遊びが展開する事例です。2歳児が使う物に気づいたり、少し難しいことを「やってみよう」と挑戦したりして遊びを楽しむ姿から、「科学する心」の芽を感じ取ることができます。

泡遊び/1・2歳児

8月(プール遊びが中心になっていたが、天候によってプール遊びができない)

実態

砂場遊びや固定遊具で体を動かす遊びが好きで、戸外でよく遊んでいる。数人の子どもたちは、時々、幼児組(3歳児~5歳児)の色水や泡遊びに入れてもらって遊ぶ姿があった。夏季になり、戸外ではプール遊びが中心になった。プール遊びができず、プール以外の遊びを戸外で楽しめる時に、子どもたちと一緒に泡遊びを楽しむ場面を設定しようと考えていた。

場面1
子どもの姿と保育者の関わり、思い
子どもの姿保育者の関わり、思い
  • 「Aちゃんもやりたい」「Bちゃんも」と、2歳児数名の子どもが保育者と道具を取りに行き、ボウルと網を取る。
  • 泡遊びをしている場所に行き、幼児組の遊ぶ様子を見ている。
  • 「いいよ」と言い、4歳児数名が口々にやり方を教えてくれると、子どもたちは泡作りを始める。
  • 石鹸を削ることがなかなか上手くできない。
  • 「Bちゃんもやる」と、石鹸を取り、自分で頑張って削っている。
  • 網でシャカシャカと上手に泡立て始める。
  • 1歳児のCちゃんも、最初はぎこちない手つきだったが、次第に上手になってくる。
  • 保育者は、「泡遊びをやりたい人」と、遊びができることを伝えて誘い、一緒に道具を取りに行く。
  • 遊び出せるように、幼児組の子どもたちに、やり方を教えて欲しいと、声を掛ける。
  • 石鹸を削ることが難しい様子なので、保育者が援助する。
  • 「アワアワになってきたね」「上手だね」など、子どもたちの姿を認める声を掛けながら一緒に楽しむ。
  • 「ピンクになったー」など、粉絵具を入れる度に、Aちゃんは泡の色の変化を口にする。
  • Aちゃんの姿に刺激を受け、Bちゃんも同様に言い始める。
  • そのうちに、「アワアワ屋さんですよー」「この泡あげるね」など、AちゃんとBちゃんの間で少しやりとりが始まる。
  • Cちゃんの姉や友達が来て、Cちゃんの様子を見て助けたり、AちゃんやBちゃんに自分たちの泡を分けてくれたりする。
  • Cちゃんは、保育者の問いかけにうなずき、泡を入れる器を持って、泡を盛り始めた。
  • 「先生が、魔法の粉を入れてあげるね」と、粉絵の具を入れる。
  • 「何色になったかな?」「色が変わったね」など、子どもの楽しんでいること捉えて、色の変化を一緒に楽しみ共感する。
  • Cちゃんも、同じようにやってみたい様子が感じられたので、保育者が、「泡を入れる物いる?」と気持ちを代弁する。
考察
  • 石鹸を削る子どもの様子ピンク色の泡を作る子どもの様子
    泡の魅力や幼児組の子どもたちのモデルになる遊びや憧れの姿などにより、「石鹸を削る」「泡を立てる」という難しいことにも挑戦する姿につながった。
  • 泡の作り方を教えてもらったり、途中Cちゃんの姉や、姉の友達が見に来てくれたりと、泡を通じて異年齢の関わりをもつことができた。
  • 泡の色の変化により、新たな遊びのイメージが生まれ、子ども同士の関わりが引き出された。
場面2
子どもの姿と保育者の関わり、思い
子どもの姿保育者の関わり、思い
  • 「泡遊びをしたい」と、2歳児のDちゃんが言い、戸外に行く。
  • しばらく、砂場、色水、泡など転々とするが、「Dちゃんもしたい」と言い、泡遊びを始める。
  • 道具を手慣れた手つきで使い、泡立てる。
  • 型抜きをしている所を覗き「いい?」と聞く。
  • 保育者が作っておいたもののように泡をかけ、枝を挿し、泡の上に少量の砂をつまみ、少しずつ様子を見ながらかけて飾る。
  • 「これも!」とたっぷり泡をかける。さらに、「これも!」「これも!」と、次々に泡をかけ、飾っていく。
  • 時折、保育者の様子をうかがい、顔を見る。
    大きな枝は、上手くささらず少し考えて、小さくしてから挿す。
  • 使っていた泡作りの道具を、2歳児が遊ぶ時に設定できるように準備する。泡遊び付近に、カップケーキの型抜きをした泡をたくさん作って置く。
  • 型抜きをしたいくつかに泡や枝、花や砂など落ちていた物を飾り、付近に枝や花などを集めて置く。
  • 「これを使っていいよ」と、準備していた泡作りの道具を示す。
  • 「泡になってきたね」「フワフワがたくさんだね」「クリームがたっぷりだね」「上手にクリームがのせられたね」など声を掛けたり、顔を見合わせたりする。
考察
  • カップなどを使用して泡を作る子どもの様子2歳児なりの動きながらも、考えて工夫して遊んでいる。
  • 繰り返し遊ぶことで、道具の使い方を習得し、上手になっている。
  • 自分の遊びがあり夢中になると、じっくりと長時間遊ぶことができる。
  • 周りを気にしたり、お手伝いや大人の真似をしたいDちゃんなので、砂を少量つまんで様子を見ながらかけたり、シャベルで砂を集めたりする姿につながった。模倣をしようという思いでやってみるだけではなく、自分の遊びに取り入れて実現しようとする意欲につながり、考えたり試したりする体験ができた。
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