保育のヒント~「科学する心」を育てる~

園庭環境の工夫~草花を使っての色水遊び~/安城市立城ヶ入保育園(愛知県)

「自然物を使っての色水遊び」が楽しめる環境を、考えたり見直したりしたことがありますか?

今回は、子どもたちが、自分なりの創意工夫で色水遊びを楽しめるようにと、園庭の環境を工夫した園の事例です。色の変化や、匂いの違い、感触の違いなど、子どもたちが感じていることに、保育者が丁寧に共感して、友達とその楽しさを共有できるように援助をしています。

共に取り組み、楽しさや面白さを共有する友達や保育者の存在が、「科学する心」の育ちには大切なことも読み取れます。

色水遊びって面白いね/3〜5歳児

園庭環境の工夫

園舎・園庭配置図(園庭に複数ある花壇のひとつにはゴーヤ・オクラ・綿・トマト・サツマイモ・ナス・キュウリを、ひとつを「草花コーナー」として赤シソ・青シソ・マリーゴールド・アサガオを植えている。また、ゴーヤをアーチ状に植えて下をくぐれるようにした「ゴーヤトンネル」を設けている。)

色水遊びをしよう!

  1. 園庭のフェンスや花壇を工夫し“草花コーナー”を作るなど、自由に草花で遊べる環境にした。アサガオは5歳児と一緒に、種を蒔き、育てる過程で、アサガオの生長に興味をもつ姿が見られた。色水遊びを経験している4・5歳児は、すぐに色水遊びを始めた。
    1. Aちゃん(4歳児):「アサガオがピンクの水になったよ」
    2. Bちゃん(4・5歳児の遊びを見ている3歳児):「私もやりたーい」
    3. Cちゃん(5歳児):「オレンジ(マリーゴールド)の花もやってみよう!」
  2. 子どもたちは、アサガオだけでなく植えてあるマリーゴールド、赤シソ、青シソにも関心をもち、いろいろな草花の色水作りを楽しんでいる。
    1. Dちゃん(3歳児):「アサガオとマリーゴールドを入れたら、こんな色になった」と見せながら言い、「他に何かないかなー」と、辺りを見回す。
  3. 保育者は、「他の草や花もやってみる?」と、声をかけ、他の草花でも遊べるようにする。子どもたちは、“草花コーナー”以外の植物を探して色水遊びを始めた。

葉っぱで色水してみよう!

    1. Eちゃん(5歳児):「ゴーヤの葉っぱでも色が出たね」
    2. Fちゃん(5歳児):「何か、匂う」
    3. Eちゃん:「緑のブドウ(マスカット)の匂いじゃない?」
    4. 保育者:「本当だね。ゴーヤじゃないみたい」と、子どもの気付きに共感していく。
  1. 子どもたちは、担任以外の保育者にも作った色水を見せて、ゴーヤの色水の発見を伝える。
    1. Fちゃん:「他の葉っぱも、匂うかな?」
  2. サツマイモ、ピーマン、トマトなど、保育園の栽培物でも試す。 保育者は、子どもたちの取り組みの姿を認め、「他のお友達にも、教えてあげたらどうかな?」と、周りの友達にも知らせ、共有する場をつくる。クラスの友達が集まってきた。何が始まるのか、ワクワクした表情である。
  3. 子どもたちは、「この色水はブドウの匂いがします。何の葉っぱでしょうか?などと言いながら、他の友達に、それぞれの色水の匂いを嗅いでもらう。
    1. Gちゃん(5歳児):「トマトはトマトの実の味と一緒だ」
    2. 保育者:「他の葉っぱはどんな匂いがするのかね?また、やってみようね」
    3. Fちゃん:「明日も、やってみたい!」

オクラの葉の大発見!

    1. Hちゃん(5歳児):「オクラの葉っぱでやってみよう」
  1. ゴーヤやトマトの葉と同じようにカップに入れて、葉を揉んでいる。
    1. Iちゃん(5歳児):「あれ?なんか水がヌルヌルしてきた」
    2. Hちゃん:「本当だー。何これ、気持ち悪い」
  2. 気持ち悪いと言いながらも、ヌルヌルの感触を楽しんでいる。
    1. Hちゃん:「Jちゃんにも、教えてあげよう」
  3. 保育者は、「Hちゃんたちが、オクラの葉っぱで色水したら、ヌルヌルの水になったんだって」と、他の子どもに興味・関心がもてるように、遊びの様子を伝える。Hちゃんは、仲良しのJちゃんを呼んで来て、再度、オクラの葉で色水遊びを一緒に楽しむ。このいつもと違うHちゃんたちの様子に気付いた子どもが、近くに寄ってきて、遊びの様子を見ている。
    1. 保育者:「どうしてオクラだけ、他の葉っぱと違って、ヌルヌルするんだろう?」
    2. Kちゃん(4歳児):「だってさー、オクラ食べたらヌルヌルするもん」
    3. Lちゃん(5歳児):「納豆みたい!ほーら!」「オクラお化けだぞー」
  4. お化けになって3歳児を驚かす。3歳児は「キャー」と言いながらも嬉しそうである。保育者は、3・4歳児にも、「お化け怖いねー」と遊びの中に参加しやすい雰囲気を作る。
  5. オクラの葉の色水で5・4・3歳児が関わりながら楽しむことができた。

振り返って

  • 草花を思う存分使って楽しめるように“草花コーナー”を設置したが、子どもの興味はコーナーだけに留まらず、園全体の自然物に広がっていった。草花コーナーは、遊び出すきっかけとなる環境としては良かったと感じた。その後、いろいろな草花で色水遊びがしたいという子どもの思いを受け止めたことで、他の草花への興味・関心が広がり、色水遊びがより楽しくなった。また、花や草の色の違いに気付き、もっとやってみたいという意欲をもって、遊び込んでいくことができたのだと思う。
  • いろいろな葉で色水作りを試し、その中で匂いにも気付くことができた。子ども自身が気付いたことを友達同士で共感できた。保育者が、クラスの友達にも遊びの魅力が伝わるようにしたことで、仲間が増え、色水遊びの楽しさを継続させることに繋がったのだと思う。
  • オクラの葉での色水作りは、保育者にとって初めてだったこともあり、水に粘りが出たことに対しての驚きを子どもたちと共有できた。5歳児は友達との繋がりが深いため、友達と一緒に遊ぶことで、より遊びが盛り上がった。また、5歳児の遊んでいる様子に魅力を感じ、3・4歳児も5歳児の遊びに自然に入ることができ、楽しさを共有していた。
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