保育のヒント~「科学する心」を育てる~

他園の保育に学ぶ保育者研修

他園の公開保育や研究発表会に参加する機会はありますか?また、参加した研究会の情報を園内で共有することはありますか?

「他園に学ぶ保育者研修」は、2016年度にスタートした企画です。本年度も、3回実施しました。研修者の方には、公開保育や実践発表、協議会や講演から、学ばれた内容を「研修レポート」にしていただきました。

今回は、研修者の声をご紹介いたします。この企画は2018年度も引き続き実施の予定です。皆さんも、他園の保育実践を通して、「科学する心」を育む保育について考えてみませんか?

保育者研修/3~5歳児

「他園に学ぶ保育者研修」とは、「科学する心」を主題に取り組まれている幼稚園・保育所・認定こども園に所属する保育者の方々が、他園の保育から学び、主題の理解を深め、自園の保育の質の向上に繋げていく研修に参加する機会を支援するため、ソニー教育財団が実施している助成制度の一つです。

審査委員特別賞実践提案研究会/幸田町立豊坂保育園にて実施

審査委員特別賞実践提案研究会 概要
研修レポートから抜粋

  • 模造紙などに子どもたちの写真とそのコメントが記載されたものが掲示されており、 保育の情報発信と共有が丁寧に行われていた。写真付きのお便りもあり、保護者にも保育が見えるような「可視化の工夫」を様々されていることが良いと思った。
  • 実践発表を伺い、移動動物園の羊の毛を頂いて、洗って白くしていく過程がとても面白く、そこに結びつくこと自体が、すごいと思ったことと、それを実際にやってみたいという子どもの思いに応え、環境を準備し、子どもの発見や気付きを大切にしていく保育は素晴らしいと思った。(繭玉も綿等も同様)今後の保育のヒントをいただいたように思う。
  • 記念講演では、子どもの気付きや不思議に大人が理由を伝えるのではなく、子どもたちから興味を引き出して共に追求していく。また小さい年齢からしっかりした教育を受けていくことで大人になってからもやる気・情熱がもてる。そして、幼児期の「科学する心」とは、小学校の理科のようなものではなく、子どもの意思・意欲・興味を引き出すものであることを学んだ。
    また、脳内には脳幹(生命を維持する脳)・古い皮質(生きる力を駆動する脳)・新しい皮質(より良く生きる脳)があり、「幼少期に入ってこなかった情報は大きくなってから入れても入らない。そのため大きくなってから創造的にやらせるということは難しい。自発的に動き、結果を体験することで脳は学んでいく」というお話が印象に残った。

最優秀園実践発表会/社会福祉法人ゆずり葉会幼保連携型認定こども園 深井こども園にて実施

最優秀園実践発表会 概要
研修レポートから抜粋

  • 都会の中にあるにもかかわらず、一歩園内に入るとそこだけとても自然豊かな環境に工夫されていることにとても驚いた。園庭の環境一つ一つがとても魅力的。子どもたちが毎日遊ぶ園庭は、思わず遊びたくなるようなものでなくてはならないということ、そのためには、保育者全員で考え工夫していくことが大切なことだと思った。5歳児の遊びでは、子どもたちが試行錯誤しながら、砂場まで水路を繋げている姿が印象的だった。遊びの中で何か問題があると、子どもたちが自分たちで考え、工夫できるように、保育者は実際に起きていることだけを子どもたちに伝えていた。保育者の役割とは、子どもたちが遊びの中で、主体的に遊び、「あれ?なんだろう?」の気持ちをもち、友だちと一緒に試行錯誤を繰り返し、いろいろなことに気づいていけるようにすることなのだと学んだ。
  • 指導講評では、子ども主体とした遊びに大切な環境について、子どもたちが試行錯誤できる環境であるか、自園を見直し、試したり工夫したりできる環境を心がけたいと思った。また、園内研修の大切さ、協議でどのようなことを深めていけばよいのか学んだ。
  • 記念講演を伺い、物事の成果だけを追い求めるのではなく、「子どもたちのどういう経験を大事にし、どういう姿を育てたいか」ということを常に考え、カリキュラム・マネジメントを園全体で促進していきたいと思った。
    また、「科学する心」とは、幼児期こそ培いたい本質的な心であり、「すごい!」「ふしぎ!」「きれい!」「なんだろう?」「どうしてだろう?」「やっぱりそうだ!」などの子どもたちの姿を大事にし、遊びや生活を通して、保育者が意図的に関わる環境の工夫さえすれば培っていけるのではないかと確信した。自園の実態に合わせて、明日からできる取り組みを毎日、少しずつでも進めていきたいと心から思った。

最優秀園実践発表会/奈良市立都跡こども園にて実施

最優秀園実践発表会 概要
研修レポートから抜粋

  • 遊びが全て子ども主体で進んでいる。保育者の姿から見ても、日頃から、子どもの姿・つぶやき・発想を大事にし、「やってみる」を大切にした保育が積み重ねられてきての、この日の公開保育だと感じた。どの活動からも、遊びを創り出すプロセスを大切に、保育者が丁寧に関わってきたことが感じられた。様々な環境、その日に遊んだ場で行う遊びの振り返りの姿など、園内のいたるところに、遊びを楽しんできた跡や場、雰囲気が溢れていると感じた。
  • 参観者が数人ずつのグループに分かれ、参観中のメモを出し合いながら気付いたことや感想等を話し合った。私たちのグループは、年齢ごとの子どもの姿や保育者の援助、環境構成などの共通の視点から話を進めていくことでそれぞれの先生が違う場面を見ていても、実際の場面を想像しながら話し合いをすることができた。また、記録の先生が話を聞きながら素早く、端的に記録をして下さり、そのこともスムーズに話し合いを進める上でとても大事なことだと改めて感じた。
  • 記念講演では、具体的なエピソードから学ぶことがたくさんあった。特に、保育者は“子ども理解のプロとして、子どもが何を面白がっているのかを理解し、必要な環境をつくる”、“子どもが見ているワクワクしている世界を共に見ることができる存在”という言葉が心に残っている。自分自身が子どもにとって、そのような存在でいられているのか、改めて自分の保育を振り返るきっかけと、大切にしたいことを考える機会となった。
    また、園の保育やこれまでの研究の取り組み・事例から、研究のプロセスや意味付けを話していただき、さらに理解が深まった。「遊びが学びであるという『保育の質』について」「対話や協同(もっと楽しい)が生まれる保育」について具体的にお話いただいた。また、幼児期に育つ「科学する心」7つの視点として、ソニー教育財団の「科学する心」の具体例をお話いただいた。上記の点と保育とを重ね合わせ時に、自園の保育を振り返るきっかけや視点が示され大きな学びとなった。
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