保育のヒント~「科学する心」を育てる~

探索~泥団子に適した土~/諫早市立諫早幼稚園(長崎県)

泥団子作りは、多くの園で見られる遊びの一つです。子どもたちの主体的な取り組みを支え、満足感や達成感を味わえるようにするために、どのような環境や援助を工夫していますか?

今回は、泥団子を作る目的をもった子どもたちが、園内の様々な場所の土を探索する事例です。子どもたちが、土の感触を味わったり、試行錯誤しながら泥団子を作ったりしていく過程で、「保育者の思い」として読み取ったことを明らかにし、子ども理解に繋げていることも読み取れます。

触って遊んで、泥でも発見!/4歳児

砂場での水遊びが主体的に続いていたので、子どもたちの興味を捉え、「泥遊びの絵本」を読んだ。絵本の中の泥団子に、子どもたちの目が輝く。
その後も、自分たちで絵本を見て、「光る泥団子すごい!」「どうやって作ると!?」「にじ組のお姉さんなら作れるかなぁ?」と、友達同士考え合ったり、作り方をよく見て覚えようとしたりしていた。

「ここの泥、面白い」
保育の様子と、保育者の思い
保育の様子保育者の思い

子どもたちは、砂場での砂団子作りを始めた。そして、これまでの経験から、砂の団子が崩れやすいのは知っていた。子どもたちが発見したのは、園庭の朝顔の水やりでプランターの底から漏れた水たまりだった。

  1. 子ども:「ベチョベチョする」
  2. 子ども:「気持ち悪いー」
    「足跡のスタンプ!」
    「先生ー三輪車のタイヤの跡ー!

手で握ったり裸足で踏んだり、乗り物で通ったりしながら存分に泥の感触を楽しんでいた。

絵本に載っている泥はどこにあるのか?
実際に触って踏んで感触を確かめている。
  1. 子ども:「固まった!」
  2. 子ども:「固い団子ができた」
  3. 子ども:「光る団子には、サラサラの土がいる」
  4. 子ども:「この土、いい?」
  5. 子ども:「ダメ、石が混じってる」
  6. 子ども:「この砂、気持ちいい!毛布みたい」

「どこの土が丸めやすいか」「サラサラの土がある場所はどこか」、プランターの下、滑り台の下、かけっこフィールド内のラインパウダーの混じった土など、子どもたちはジョウロで土を濡らしながら園庭の様々な場所を探索した。

探索の結果、「ないなら、作ろう!」と土をフルイにかけて、より細かくしようとする子どもも現れた。

光る団子作りは、細かい粉状の土をかけながら、丸めて乾かす工程がある。園庭を探し回ったり、保育者に部分的に手伝ってもらって作ったりした。必要なものを得るための試行錯誤がたくましい。

Gちゃんは、サラサラの土を繰り返し泥団子にかけて、滑らかな表面の泥団子を作った。友達から口々に「上手ね」「きれい」と言われ、笑顔がこぼれた。Gちゃんは、その後、同じような泥団子をいくつも作り、大切に保管し続けた。

友達に認められた喜びが、自信やさらなる意欲、自分で作ったものを大切にする態度に繋がった。
泥団子を手に砂山に登る
  • できた泥団子を大事そうに手に持ち、砂山に登る子どもたち。
    1. 子ども:「壊れるよ」
    2. 子ども:「固く作ったら、大丈夫さ」と話しながら頂上から転がした。
  • 遠くまで、あるいは速く転がる泥団子は誰のか? 砂の団子は転がりながら壊れ、柔らかい泥団子やいびつな泥団子は坂の途中で止まっていた。
  • 子どもたちは、壊れたり、途中で止まったりすると、より固くより丸くなるように、作り直す姿が見られた。
  • 転がしチャンピオンのTちゃんは、「だって、かたーく、まるーく作ったもん!」と得意そう。何度も転がし、水と土の微妙な割合の微調整をしながら、大人も顔負けの固い団子を丸めていた。
保育者の思い

光る泥団子はハードルが高かったが、子どもたちの試行錯誤でたくさんの楽しい発見があり、保育者にとっても興味深かった。

振り返って

  • 身近な環境である水や土に触れ、試行錯誤や工夫を繰り返しながらその性質を知り、遊びを膨らませていく姿を捉えることができた。
  • ”泥と砂の性質の違い”の気付き、泥団子作りに必要な質の土探し、転がりやすい泥団子にするための土と水を微調整しながらの調合、積極的に絵本で調べる姿など、子どもなりに探求を重ねている。これらの試行錯誤は小学校以降の意欲的に学ぶ姿勢にも繋がっていくのではないかと思われる。
  • 遊びの中には多くの学びの要素が存在する。今後も子どもたちには、このように試行錯誤や探求する遊びをたくさん体験して成長してほしい。
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