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<開催速報>2019年度 審査委員特別賞実践提案研究会:札幌市立もいわ幼稚園(北海道)ニュース

テーマ 「科学する心を育てる」~「なぜ?」「どうする?」「こうしよう!」わくわくが広がる豊かな遊び~
開催日 2019年8月30日(土)
会場 札幌市立もいわ幼稚園
主催 札幌市立もいわ幼稚園・公益財団法人 ソニー教育財団
講演 大豆生田啓友氏/玉川大学教育学部 教授
作った泡のクリームでケーキを作る4歳児
貯めた水が砂から湧き出る面白さを
繰り返す3・4歳児
作った色水をプラネタリウムに置く5歳児
ビオトープと羽化したオニヤンマ
グループ協議発表
金澤恵美氏
大豆生田啓友氏

8月30日(金)、2018年度「ソニー幼児教育支援プログラム」の「優秀園 審査委員特別賞」である札幌市立もいわ幼稚園において、「審査委員特別賞実践提案研究会」を開催しました。札幌市の小学校、幼稚園、保育園、認定こども園の保育・教育関係者を中心に、南は沖縄県の石垣島、北は道内の北見市などから合わせて約180名の参加がありました。

公開保育では、5歳児は、コロコロゲーム作り、影絵クイズ、人形作り、色水作りなど、友達と考えを出し合って遊びを進めていました。4歳児は、虫取りや石鹸クリームのケーキ作り、製作など、自分なりに考えたり試したりして遊んでいました。3歳児は、草花の色水作り、塩ビ管や樋を使っての水遊び、泥遊びなど、自分のペースで思い思いの遊びを楽しんでいました。5歳児の色水遊びでは、インクカートリッジで作った透明の色水をプラネタリウム(積み木や段ボール等で自分たちで作った場)の中に置いて、光を当ててできる影の美しさに感動する姿がありました。各クラスでの、遊びの振り返りでは、友達の作った物をよく見たり、真剣に話を聞いたり、認めたりする姿が多く見られました。また、園庭のビオトープでは、オニヤンマの羽化と出合い、園庭にいた子どもたちと参観者と保育者とが、感動の瞬間を味わう場面もありました。

場所を隣接の藻岩南小学校に移して行われた全体会の開会に当たり、ソニー教育財団会長 盛田昌夫による挨拶がありました。2018年度応募論文にある、北海道の自然と地域との連携を生かしたダイナミックな取り組みである「雪山作りの事例」を例に、子どもたちの「科学する心」と「仲間との協力・協働」のつながりが顕著に表れた実践として高く評価された点を述べました。

実践発表では、「雪山大作戦」や「ムシムシ研究所」の事例を中心に、子どもたちの興味が、保育者の援助や環境の工夫、地域や保護者の協力により、探究へと体験が深まり、表現など質の違う遊びへと広がり、「科学する心」が育っていく過程が語られました。

保育公開と実践発表を受けてのグループ協議では、「なぜ?どうする?こうしよう!と、子どもが心を動かし探究している姿」「そのための教師の援助や環境構成について」を視点として、当日の保育の具体的な場面の記録を基に活発な意見交換が行われました。協議後のグループ発表を受けて、札幌市教育委員会指導主事の金澤恵美氏による「指導・助言」がありました。

最後に、玉川大学教授の大豆生田啓友氏による記念講演がありました。まず本園の特徴として、子ども一人一人の特性や個性を温かく肯定的に受け止めていることが保育の基盤になっていることを挙げられました。また、「物の特性や仕組み、試行錯誤を楽しめる遊びの環境」「遊びの共有が子ども同士の一体感を生み、体験の深まりに繋がる仕掛けとなっている」「保育の発信をして保護者を保育に巻き込む工夫がされている」など、子ども一人一人に寄り添った保育者の援助や環境の工夫について具体的に解説されました。
次に、「子どもたちが遊びに夢中になる、遊び込むことを大切にした保育では、非認知能力が育つ」「非認知能力の育ちは認知能力の育ちに繋がる」とともに、「乳幼児期に大人に受容的・応答的に関わられたことが、将来に亘り影響すること」について、具体例を通してお話されました。またこれらは、裏付ける研究(ペリープリスクール調査など)によって明らかにされていることも加えられ、だからこそ、今「保育の質が問われている」と力説されました。
さらに、「子どもたちの遊びにブームが生まれる保育」の具体事例を通して、「子どもの見ている世界に応じて環境を再構成すること(絵本を含めて)が豊かな学びに繋がる」「ドキュメンテーションなど、保育の可視化の重要性」「子どもたちの興味・探究に、保護者や地域を巻き込む工夫」などについて、「科学する心を育てる保育」に結び付けて述べられました。

2019/09/05