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<開催速報>2019年度 最優秀園実践発表会:奈良市立鶴舞こども園(奈良県)ニュース

テーマ 「科学する心を育てる」創造的なひらめきから「いい」をかたちづくる~「いい」こと考えた―きっと「いい」はず―「いい」とはこれだ~
開催日 2019年6月1日(土)
会場 奈良市立鶴舞こども園
主催 奈良市立鶴舞こども園・公益財団法人 ソニー教育財団
講演 無藤隆氏/白梅学園大学 名誉教授
作ったものを保育者に受け止められて
喜ぶ3歳児
今日の遊びの振り返りをする4歳児
転がしのコースを
友達と試行錯誤しながら作る5歳児
協議会
指導講評 本山方子氏
記念講演 無藤隆氏

2018年度「ソニー幼児教育支援プログラム」の「最優秀園」である奈良市立鶴舞こども園において、「最優秀園実践発表会」を開催しました。関西地区を中心に、北は北海道、南は福岡県など各地の認定こども園、幼稚園、保育所、小学校などの教育・保育関係者総勢約310名の参加がありました。

公開保育では、豊かな自然環境を活かして創意工夫された環境の中で、子どもたちが生き生きと遊んでいました。入園してまだ2か月の3歳児は、砂場や草花での遊びの中で、素材の感触や見立てを楽しんだり、思いや言動を保育者に受け止められたりして、安心して自分のしたい遊びをする姿が見られました。4歳児の砂や泥遊びや色水遊びなどでは、自分なりに試したり工夫したりすることで起こる様々な事象を面白がったり、友達に思いを伝えたりしながら、夢中になって遊んでいました。5歳児は、継続して取り組んでいる転がし遊びや草花を使っての色水や叩き染めなどを楽しんでいました。それぞれ、目的に向かって、友達と考えを出し合う中で、素材や用具などの特徴に気づき、それを生かしたり試行錯誤したりしながら遊びを展開していました。片付けの前には、学級のみんなで今日の遊びを振り返り、友達の気づきや発見を認めたり、楽しさに共感したりする姿があり、今後の遊びの展開への期待につながっている様子が見られました。参加者の皆さんが、「その子どもにとっての“いい”」を見つける視点をもって、熱心に記録を取られる姿が大変印象的でした。

場所を隣接の鶴舞小学校に移して行われた全体会の開会に当たり、ソニー教育財団会長 盛田昌夫による挨拶がありました。「創造的なひらめき」に注目したひときわ独創的な研究視点のみならず、保育者同士のカンファレンス、豊かな自然を存分に生かす保育環境の創意工夫など「最優秀園」として高く評価された点を述べました。次に、研究発表がありました。受賞論文に掲載されている事例を基に、子どもたちの「創造的なひらめきから、“いい”がかたちづくられていく過程」を分かりやすく説明されました。そして、「科学する心を育てる」には、子どもの姿からひらめきの要因を探り、自分の意志や判断で“いい”をかたちづくれるように援助することや実態に添って環境を工夫することの大切さについて発表されました。その後、各クラス担任から公開保育についての自評がありました。

午後のグループ協議では、公開保育でのワークシートに記述した記録や日頃の保育の中での子どもの姿を基に、「“いい”が誘発される要因」について活発な意見交換と情報共有が行われました。協議会のまとめとして、白梅学園大学教授 本山方子氏による指導講評がありました。「一年半で為しえた鶴舞の奇跡」として、本園の本日に至るまでの保育や日々のカンファレンスなどで積み重ねてきた研究の特徴やよさについて、「いい」を深めるカリキュラムマネジメントの展開を中心にお話いただきました。

最後は、「子どものひらめきを活かす幼児教育-子どもの姿ベースの保育とは」を演題に、白梅学園大学名誉教授の無藤隆氏による記念講演がありました。冒頭に、今回の教育要領・保育指針の改訂で示された、「幼児教育としての共通性」「幼児教育と小学校以上の教育を貫く柱」「幼児教育の構造や幼児教育の資質・能力」について、丁寧に解説いただきました。また、「幼児期の終わりまでに育って欲しい10の姿」から、特に科学的な思考や「科学する心」の育ちにつながる姿について、鶴舞こども園や様々な園の保育の写真を通して、掘り下げてお話しいただきました。加えて、「乳児保育の充実に向けて」「記録を保護者や子どもと共有し、保育を振り返る」「子ども姿ベースの環境デザインのポイント」など、幼児教育が質の時代へ向かう今、今後の幼児教育で大切にしていくべき点について述べられました。

2019/06/04