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<開催速報>2018年度 審査委員特別賞実践提案研究会:石垣市立いのだ幼稚園(沖縄県)ニュース

テーマ 「科学する心」~自然との関わりを通して ~」
開催日 2018年8月29日(水)
会場 石垣市立いのだ幼稚園
主催 石垣市立いのだ幼稚園・公益財団法人 ソニー教育財団
講演 大豆生田啓友氏/玉川大学教育学部 教授
ヤギに餌をあげて散歩へいく子どもたち
子どもの思いを受け止める保育者
子どもの気持ちになって
ワークショップを楽しむ参加者
実践発表をする伊良皆教諭
グループ協議の様子
記念講演 大豆生田啓友氏

8月29日(水)に、石垣市立いのだ幼稚園において、「審査委員特別賞実践提案研究会」を開催しました。石垣市内の小学校、幼稚園、保育園、認定こども園からの保育・教育関係者を中心に、東京や沖縄本島、与那国島などから合わせて約100名の参加がありました。いのだ幼稚園は、職員3名・園児3名の小規模園です。夏季保育期間中は、近隣の園との合同保育が行われており、他園から通っている子どもたちもすっかり園の環境に慣れて、自分の興味がある遊びに安心して取り組む姿がありました。

子どもたちは、豊かな自然環境に加えて、子どもの視点に添って工夫された環境の中で、好きな遊びを楽しんでいました。登園すると、飼っているヤギの様子を気にかけ、学校の広々とした校庭に散歩に連れていきました。その後、興味をもって観察を続けている昆虫の成長を観たり、虫取りをしたり、卵を探したり、昆虫の種類を調べたりしていました。その後、園庭や校庭から、実や葉や花びらを選び取ってきて、すり鉢に入れ、色水遊びを始めました。水の量を調整したり、葉と花びらの色を合わせたり、匂いを楽しんだりなど、一人一人が、試行錯誤しながら、自分のイメージした色水作りに夢中になって取り組んでいました。

全体会の実践発表では、子どもたちが、自然への興味・関心を高め、「次はこうしよう」「明日はこうしたい」と発想を広げたり、表現活動に繋がったりなど体験が深まる中で、好奇心や探究心が育まれる姿、すなわち「科学する心」の育ちが語られました。さらに保育者が、子どもたちと共に、日々疑問に思ったことを調べたり対象を観察したりしながら、環境の構成の工夫と充実を図ってきたことについて発表がありました。保育公開と実践発表を受けての協議会は、4つの教室に分かれての分科会形式で行われました。「直接体験の事例紹介と子どもたちにとっての成果、伸びる力について」などを協議の柱に、各園の具体的な保育の場面を通して、活発な情報共有と意見交換が行われました。協議後のグループ発表を受けて、前園長による「協議のまとめ」がありました。

最後に、玉川大学教授の大豆生田啓友氏による記念講演がありました。先ず本日の保育の写真を基に、「知識と直接体験」「個々のテーマと集団のブーム」「サイエンスとファンタジー」が、それぞれ行き来きして総合的に遊ぶ=学ぶ保育が、本園の特徴、よさとして語られました。また、その背景にある子どもに寄り添った環境の工夫、特に可視化の工夫(分類・数量を意識した掲示・見渡せる学びの履歴のカレンダー等)が、好奇心・探究心を育む保育に繋がっていることを具体的に解説されました。さらに、学校指導要領・教育要領・保育指針の改訂に触れられ、乳幼児期の遊びが、「小学校以降の資質・能力の三つの柱」に、どの様に繋がっているかについても、具体的に述べられました。加えて、多くの園の実践から、「保育者から肯定的・受容的に関わられたことが、いかに後々に大きく影響するか」「遊びを大事にしている園は、問いと探究が多く生まれる。そこには、子どもたちの興味・関心事は何か、何をどう面白がっているかを捉え、深い学びへと繋げる環境の再構成の工夫がある」など、主題に迫りながら、「乳幼児期の保育の質の重要性」について力説されました。

参加者からは、「子どもたちが熱中して遊び込んでいる姿を見て、自分の園はどうか、と考えさせられた。環境の見直しを今一度園全体で考えたいと思った」「講演を伺い、心を尽くして子どもと関わり、子どもが今、何を面白がっているかを読み取れる保育者になるために頑張ろう!と思えた」など、“明日からの保育に活かしたい”との思いに溢れた感想が寄せられました。

2018/09/05