ニュース

<開催速報>2018年度 最優秀園実践発表会:岡崎市豊富保育園(愛知県)ニュース

テーマ 「科学する心を育てる」~疑問やピンチが“大発見”になる子どもたち~
開催日 2018年6月16日(土)
会場 岡崎市豊富保育園
主催 岡崎市豊富保育園・公益財団法人 ソニー教育財団
講演 神長美津子氏/國學院大學 教授
ザリガニに餌をあげる子どもたち
(ザリガニハウス)
ダンゴムシのための様々な棲み処を
確認する子どもたち(ダンゴムシロード)
見つけた虫について
青山様に質問する子どもたち
豊富第二保育園の実践をまとめたポスターと
ノイチゴの展示
グループ協議の様子
記念講演 神長美津子氏

6月16日(土)、梅雨の中休みのさわやかな風が心地よい中、2017年度「ソニー幼児教育支援プログラム」の「最優秀園」である岡崎市豊富保育園において、「最優秀園実践発表会」を開催しました。愛知県の保育者中心に、全国各地の保育者、保育者養成校や行政などの保育関係者約250名が参加しました。

午前の公開保育では、3歳児から5歳児の約100名が、登園時の保育室での活動を終えると、元気に戸外へ飛び出しました。砂場での遊びをする3歳児は、作りたいものや遊びのイメージを友達に話し、一緒に楽しむ姿がありました。シャボン玉遊びでは、シャボン玉ができることを楽しんでいた姿から、大きいシャボン玉を作ろうとしたり、たくさんのシャボン玉が一度に出るようにしたりする息のふき方を試す姿や、どこまで飛んでいくか見届けたり、風で飛んでいくように場所を考えたりしている姿がありました。また、固定遊具に挑戦する遊びや円形ドッジボールなどの運動遊びをする4、5歳児の姿が見られました。登り棒では高く登ったこと、鉄棒では挑戦してできたことややり方を友達や保育者に伝えて、できた快感や認めてもらう喜びを味わっている姿がありました。

園庭には、ザリガニハウス、田んぼ(カエル、オタマジャクシ、アメンボ)、ごっとうのおうち(カブトムシの幼虫)、ミミズのおうち、バタフライガーデン、むしむしらんど、ダンゴムシロードなど、子どもたちと保育者が作った様々な生き物に関わる環境の工夫があり、研究会の資料では、イラストで紹介されていました。園庭の様々な場所で生き物を見つけたり探したりする姿があり、興味をもって継続して観察を楽しんでいることが伝わってきました。また、隣接する地域の協力者の青山様の畑では、栽培しているタマネギやジャガイモの観察の他、虫探しや花摘みなどを友達と楽しんでいました。

その他、公開保育中には、豊富第2保育園の「のいちごに関わる子どもたち」を紹介するビデオやポスターセッション、梅ジュースのコーナー、青山様の古民家では、子どもたちが作ったお茶を味わうコーナーがありました。参加者が体験を通して、子どもの気持ちになったり取り組みを理解したりする工夫もされていました。

研究発表では、2016年~2017年に進められた具体的な事例を通して、子どもたちが、疑問や問題を感じながら動植物と関わり、探究を深めた実践を中心に述べられ、その後、各クラス担任から公開保育についての自評がありました。

午後の研究協義では、「今までの保育の中で、思いもよらない子どもの姿や遊びはありましたか?」をテーマに、参加者が25グループに分かれて話し合いが行われました。参加者の様々な体験談をもとに、熱心に協議され、後半は新保育指針の「幼児期の終わりまでに育ってほしい10の姿」が示されている資料を共有し、「10の姿」につながる保育について、活発に意見交換がされました。

最後に、豊富保育園の保育のテーマの一つである「好奇心や探究心を大切にする教育」を演題に、講師の神長美津子氏による記念講演がありました。研究協議で話し合われた「幼児期の終わりまでに育ってほしい10の姿を視点にして」をサブテーマとし、学校教育の改訂の重要な内容である「育みたい資質・能力の3つの柱」や、新保育指針で求められている保育や教育について、当日の資料にある論文の事例や公開保育の場面に触れ、丁寧に解説してくださいました。講演の後半では、「科学する“心”」の動きや、好奇心・探究心が育まれる豊かな体験をする子どもの姿や、子どもを理解する保育者自身の「科学する心」の重要性に触れ、保育者の役割について述べられました。さらに、保育記録を通して、環境づくり、幼児理解を学び合う園内研修の在り方を挙げ、子どもを中心に据えた「保育の質」を向上させることの重要性を強調されました。参加者からは、「子どもたちに育む資質・能力に関する理解を深めることができた」などの感想がありました。

2018/06/21