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<開催速報>2017年度 優秀園実践提案研究会:菜の花保育園(山梨県)ニュース

テーマ 「科学する心を育てる」~五感の刺激から育つ子どもの感性~
開催日 2017年7月1日(土)
会場 甲府市 南部市民センター
主催 社会福祉法人なのはな 菜の花保育園
共催 公益財団法人 ソニー教育財団
講演 高橋良寿氏/五感教育研究所 所長
多田幸子氏/山梨県立大学 准教授
色水遊び4種のワークショップ

2017年7月1日、2016年度「ソニー幼児教育支援プログラム」の「優秀園」を受賞した社会福祉法人なのはな 菜の花保育園が、甲府市南部市民センターにて「優秀園実践発表会」を開催しました。4都県34園の保育園、認定こども園、幼稚園の先生方や保護者など、110名の参加がありました。

会場には、昨年度の論文の実践事例にある色水遊びの体験ができる4つのワークショップコーナー「草花とビニール袋での色水」「草花の色水と綿棒での描画」「味や香りを楽しむ色水(ジュース)」「音や炭酸を楽しむ色水(ジュース)」があり、参加者が説明を聞きながら、子どもたちが楽しんできた体験に夢中になる姿がありました。また、昨年度の実践が伝わってくる「ドキュメンテーション」や保育記録、様々な発見や遊びの展開を子どもが振り返るようにまとめた「色水図鑑」など、子どもの姿が伝わってくる掲示物や展示物に参加者が見入る姿がありました。

講師 多田幸子氏
中島文彦氏
園長 渡邉正志氏
保育士 板倉秀将氏
講師 高橋良寿氏

初めに、菜の花保育園の特徴的な園庭の環境や、保育者が子どもの姿に敏感になり保育の工夫が図られていった実践「色水遊びからの発見」の発表がありました。会場のワークショップでの体験と結び付く、実際の子どもたちの姿が伝わってきました。

次に、「子どもの科学する心の火種」をテーマに、主任 石田幸美氏のコーディネートによるシンポジウムがありました。登壇者した、講師の多田幸子氏(山梨県立大学 准教授)より、子どもたちが探索・探究を重ねる3つの事例(動画)「溜まった水」「シャボン水」「氷」を通して、外界のものに真剣に関わる子どもたちの姿から『科学する心の火種』が見えてくるというご提案がありました。その後、保護者の中島文彦氏からは、家庭では見られない園での姿や、自然との関わり、飼育活動を通して見えた我が子の成長についてのお話しがありました。また、園長 渡邉正志氏からは、子どもに答えを出さずに一緒に活動したり、子どものことや保育について盛んに話し合ったりする自園の先生方の姿についてのお話しがありました。フロアからの「子どもの発想や火種に関連していることをどのように共有しているのか?」という質問については、保育者の板倉秀将氏から、保育者同士で情報を交換したり、保育について考え合ったりしている事例が紹介されました。

続いて、「なぜ、子どもを自然の中で遊ばせなければいけないのか?」を演題に、講師の高橋良寿氏(五感教育研究所 所長)による講演がありました。実際に様々な自然物や遊び方を示しながら、「自然を教材化する」大切さや自然に関わる子どもたちの成長発達について、たくさんの事例が紹介されました。そして、「自然物の特徴や仕組みを感じ取って理解していくことや、五感を働かせて繰り返し遊びながら多くの気付きをした体験が、その後、創造性を発揮することに繋がる」という“これから求められる力や心の育ち”を、幼児期にこそ大切に育てて欲しいと強調されました。

午後は、8つのグループに分かれて、グループ協議がありました。実践発表やシンポジウム、講演を受けて、「『科学する心』に関する自園の実践事例」と「環境や援助」について各自が記述した付箋を使い、「明日の保育の工夫」について協議しました。その後の指導講評では、多田先生は、「どの園のどの先生の話からも、子どもたちの姿に、『科学する心の火種』がたくさんあることが分かる。その火種が、どのような大きな炎になるのか?大きな炎になった時、何が起こるのか?どのように発展するのか?質の高い保育とはいったいどういうものなのか?ぜひ、これを機会に他園との保育のネットワークの中で、解明し実践して欲しい」と、これからの取り組み方にも触れるお話がありました。また、高橋先生からは「どのグループの先生方も、子どもの気付きを捉えて、それが消化し発酵するまで見守り、“待とう”とすることを大事にされていることが共通していた。そして、教えるのではなく、その子どもなりの目線で考えられるようにするということが話題になっていた。子どもたちは、五感を働かせ、多くのことに気付く。そして、自分に気付き、自分の心に気付くようになって欲しい」と、まとめのお話しがありました。

2017/07/04