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<開催速報>2016年度 審査委員特別賞優秀園実践提案研究会:都跡こども園(奈良県)ニュース

テーマ 「科学する心を育てる~子ども自ら遊びを創る~」
開催日 2016年7月16日(土)
会場・主催 奈良市立都跡こども園
共催 公益財団法人 ソニー教育財団
講演 横山真貴子氏/奈良教育大学教育学部 教授
秋田喜代美氏/東京大学大学院教育学研究科 教授
朝の受け入れ/3歳
泡遊び・砂遊び/3歳
コース作り/4歳
ペットボトルの船作り/5歳
今日の振り返り/5歳
横山真貴子氏
グループ発表
秋田喜代美氏

7月16日(土)、2015年度ソニー幼児教育支援プログラム優秀園 審査委員特別賞である奈良市立都跡こども園において、「審査委員特別賞優秀園実践提案研究会」を開催しました。遠くは宮崎県や富山県など、県内外の保育関係者や市内の養成校の学生など、合わせて約220名の参加がありました。

公開保育では、今の子どもたちの実態に即したきめ細やかな指導案を基に、子どもたちの「もっとおもしろくしたい!」を実現するために、保育者の関わりや環境の再構成の工夫がさらに図られており、「子どもも保育者も生き生きとした遊び」が展開されていました。

3歳児の朝の受け入れ場面では、子どもの思いを保護者と保育者とで共有する姿が多く見られました。そして3歳児は、泡遊び、砂遊び、樋を使った水遊びなど、自分でしてみたいことに自分のペースで取り組み、素材の感触を味わったり、思い付いたことを何回も試したりしていました。

4歳児は、生き物との関わり、樋を使ったコース作り、色水や泡作り、手作り楽器の遊び、ウォータースライダーなど、自分のしたい遊びを心ゆくまで楽しんでいました。自分の「こうしたい」という思いを実現しようと試したり、友達に考えを伝えたりしながら遊んでいました。

5歳児は、ウォータースライダー、ペットボトルの船作り、砂場で水の滑り台作り、泡や色水作りなどの遊びを、友達と考えを出し合い、工夫したり、試行錯誤したりしながら進めていました。また、遊び方など、互いの考えを取り入れて、自分たちで遊びをつくり出していました。
最後に、遊んだ場で、今日の振り返りを行っていました。友達の考えや困ったことなど聞いたり、自分なりのアイデアを伝えたりして、互いの遊びについて共有する場面がありました。

全体会では、初めに2015年度の論文を中心に、子どもたちが「もっとおもしろく」と主体的に遊ぶ姿を主題に繋げての実践発表がありました。各年齢ごとに、子どもの姿を捉え、その姿に添った上で、「見守る」「認める・共感する」「提案する」という3つの視点で分類した保育者の援助や環境構成について明らかになったことを語られました。

次に、奈良教育大学教授の横山真貴子氏による、指導講評がありました。「子どもたちが創り出すダイナミックな遊びを支える細やかさ=科学する心」「“やってみたい”が“今ここ”でかなう」「“もっと”が生まれる園文化(遊びの伝承・保育者のかかわり・環境)」「ひらく・つながる・育ち合う園文化」など、都跡こども園の保育の“おもしろさ”“魅力”を、数年前~今日に至る子どもたちの具体的な保育の場面をもちいてお話いただきました。

午後は、各担任からの保育の自評を踏まえて、3歳児、4歳児、5歳児の学年別分科会がありました。参加者が「もっとおもしろくに繋がる保育者のかかわりとは」の視点に沿って、付箋紙に書いた子どもの姿と保育者の援助・環境構成について、グループで共有し、模造紙にまとめていきました。分科会のまとめとして、市内の園長先生方による各年齢の特徴的な姿や保育者の関わりについて報告がありました。

最後に東京大学大学院教授の秋田喜代美氏による「“もっとおもしろく”で広がる保育」を演題に、「科学する保育・教育で大事なこと」について、都跡こども園の子どもたちの姿や保育者の関わり、環境構成の画像をふんだんに取り入れた記念講演がありました。
「年齢や関心に応じた環境構成のきめ細やかな工夫」「子ども自身が選び、試し、わがものとして使いこなせる環境」「“もっと”を生み出す環境」「適時に探求の観点を提示する関わり」など、都跡こども園の保育の特徴や園文化、環境構成の工夫について、主題に繋げてのお話をいただきました。
また、都跡こども園の論文から、「認める、共感する援助」「提案する援助」に焦点を当て「あなたならどうしますか?という参加者同士の話し合い」を踏まえて「もっとおもしろくに繋がる保育者のかかわり」についての解説がありました。さらに、園内で、さまざまな子ども・活動・環境や場について語り合うことを日常化する、そこに指針や要領を持ち込み活かすことが、主題に迫る保育には、大切であることを強調されました。

2016/07/22