公益財団法人 ソニー教育財団    
ソニー子ども科学教育プログラム「科学が好きな子どもを育てる」

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米津小学校 実地評価

科学が好きな子どもを育てる米津学習
学校長 鴨下 和子
教頭 藤田 徹
研究代表者 長谷川 勝一
生徒数 410
学級数 14
電話 0563-57-3457
審査員 大高 泉
1.計画の実践状況

スタンダード学習の理科授業としては、「調べよう太陽のはたき」(3年)、「豆電球にあかりをつけよう」(3年)を、チャレンジ学習の理科授業としては、「発見 もののとけ方の不思議」(5年)、「ものの燃え方と 空気」(6年)を、それぞれ参観した。

成果が認められる実践

  1. 「調べよう太陽のはたき」では、「ペットボトルの中の水温をできるだけあげる装置を考える」、という明確な目的意識を持って一人ひとりが「作戦カード」にしたがい、実験を進めていた。実験のポイント(「みんなのルール」)も共有化され、「ばっちり」・「お助け」カードなどの活用によって学習活動のルール・習慣の形成も図られていた。子どもたちの考えは、太陽光を吸収しやすい黒色素材と、断熱性の高い素材の利用に2分されていた。温度上昇の結果から、両素材と熱との関係について議論されたと思う。3年生で個別実験ができることは素晴らしい成果である。
  2. 「豆電球にあかりをつけよう」では、身の回りにある電気を通すもの通さないものを自分のテスターを使って調べる授業であった。金属非金属、傘、ぬいぐるみ等々、家庭や学校にあるありとあらゆるもの約200品(?)が用意されていた。これだけの物品を調べてみれば、電気を通すものがどんなものか帰納できると思われる。一人ひとりの実験が保証されていた。
  3. 「発見もののとけ方の不思議」では、飽和食塩水に新たに砂糖が溶けるか、など大人でも迷うような課題に取り組んでいた。実験操作のスキル(ろ過、など)の熟達が見られるのみならず、1つひとつの操作(なぜガラス棒を伝わらせて溶液を入れるのか、など)の意味もよく理解されていた。「わくわくサイエンスタイム」等のツールが充実しており、目的意識を持ち、見通しを持った実験活動になっていた。
  4. 「ものの燃え方と空気」では、空気の成分気体がそれぞれ燃えるかどうかを調べ、ものを燃やす働きのある成分気体を特定する実験であった。それぞれ熟達したスキルで実験を進めていた。気体缶に付けたストローでシャボン玉を作り、ストローを外してそのシャボン玉に点火する、という操作は技術的にも難しく、子どもたちはなかなかうまくいかなかった。シャーレにシャボン玉液を入れ、そこに気体缶に付けたストローでシャボン玉をつくり、それに点火する、という方法をとれば、安定したシャボン玉に容易に点火でき、子どもたちにも十分操作可能であると思われる。
2.その他の諸教育活動
  1. 研究発表を理科専門でない教員も分担して行ったことにも現れているように、校長のリーダーシップのもと教員が一丸となって、研究・実践を進めていた。学校、PTAをあげて「科学が好きな子どもを育てる」プログラムになっていた。
  2. 子どもたちの表情も生き生きしていて、また挨拶もよくでき、礼儀正しく、授業作りの最も基盤にある子どもたちの学ぶ姿勢が形成されていた。
  3. 廊下、校庭、教室の壁面等々に、展示等いろいろな工夫が見られ、授業外の活動においても「科学が好きな子どもを育てる」環境が整備されていた。
3.計画の成果
  1. 授業における子どもたちの学習活動に活気があった。授業、実験に熱中していた。
  2. 教員全体の取り組み・実践レベルが高い。
  3. さまざまな教材が用意されていた。またよく工夫されていた。
  4. 多様なワークシートやコミュニケーション・ツールなどが活用され、学習活動を制御・促進していた。
  5. チャレンジ学習では、意見・予想が別れるような課題が設定され、主体的な追究・探究活動の動機付けを果たしていた。
  6. 「アンケート結果によると、科学に興味を持つ児童は常に90%を超えている」(冊子p.63)という事前調査の結果も首肯できるものであることがわかった。

愛知県の理科教育の実践レベルは高いが、米津小学校の研究・実践レベルの高さがよく示されていた。

4.計画の課題
  1. 参観した授業に共通していたのは、個別実験が保証されていて、それを実施する児童のスキルも磨かれていることであった。いくつかに類型化される課題について個別的な実験がなされていたが、そうした個別実験の結果をクラス全体で共有し、理解を深める学習活動が少なかったと思われる。児童同士が、根拠をもって討論するような活動を取り入れ、科学的思考力を深める機会を増やすようにしたい。
  2. 教材開発は、国内外各地で行われているので、そうした情報を受発信してより良い教材の開発に努められたい。これは終わりのない課題である。
5.助言
  1. 授業では、教師の発問に児童が答える、というコミュニケーションが主流であり、児童相互のコミュニケーション活動は相対的に少なかった。実験活動が個別的に行われることは、望ましいことではあるが、児童相互のコミュニケーション活動を活性化して、互いの考え・主張・根拠等々をクラス全体で共有化を図ると、子どもたちの理解・思考が深められ、日本の子どもの弱点である論述力・表現力が育成されると思われる。

以上

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