公益財団法人 ソニー教育財団    
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2002年度入選プロジェクト校 
  北海道札幌市立幌北小学校

幌北ハートフルプラン
―ナイスキャッチきみの声! 心をキーワードに…―
学校長
野田 孝夫
PTA会長
守城 英照
教頭
長田 知之
研究代表者
新井 弘通
児童数
303
学級数
18
電話
011-726-2461
実践評価
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1.ナイスキャッチきみの声!

 本校では感動する心や共感できる心といった『感性』を育むべく,教育活動の見直しを図ってきた。互いに理解し合い,尊重し合うことを大切にしたいという願いから,『ナイスキャッチきみの声!』という合言葉も生み出し教育活動を推進してきた。この合言葉のもと,一人一人を大切にした教科や総合的な学習の実践を行ったり,子どもの思いや願いが生かされたりするように行事,特活などを見直して教育の総合化を行っている。

2.心をキーワードに…

 本校では「きみの声」を「心の声」とおさえ,ほとんどの教育活動を「心(ハート)」をキ−ワ−ドにして推進している。現在まで,行事や特活では「心」の部分を色濃く出した活動を具現化している。次年度はさらに研究の部分でも「心」をキーワードにして研究を進めていくことを計画している。

3.感動する心を育んでいくには…

 感動する心や共感できる心といった『感性』を育てるためには,自然科学を学んでいくことはとても有効である。子どもが瞳を輝かせて,「きれいだな!」「不思議だな?」「なぜだろう?」「知りたいな!」と事象に自ら働きかけていくような学習を繰り返し行っていく。すると事象の変化についての驚きや感動が生まれ,そして問題が醸成されていき,友達と交流しながらその問題を解決していくことで『感性』を育成することができるのである。

 そこで,本校では新たに理科部会を新設して授業改善を行ったり,総合的な学習では環境教育に関連する単元を,それぞれの学年で1単元以上実践していったりする。理科や総合的な学習を通して問題探究・解決していく力をつけるとともに,感動する心を育てていくためである,そこでこれからは,キ−ワ−ドとしての「心(ハート)」の部分を更に広げ,自然科学と「心」がリンクしていけるような教育を推進し,自然科学に感動するとともに科学が好きな子どもを育てていきたいと考えている。

4.自然科学と心(ハート)がリンクする3つの場

 今までの総合的な活動の時間に「心(ハート)」という視点を新たにテ−マに加えることで,活動がより主体的になるなどの成果が見られた。そこで来年度は今までの活動に「心」という視点を新たにリンクさせ,自然科学に『ひたり合う』場,『かかわり合う』場,『深め合う』場を設定し,科学が好きな子どもを育んでいきたいと考えている。

5.3つの場から6つの幌北ハートフルプランへ

 自然科学と「心(ハート)」がリンクする『ひたり合う』『かかわり合う』『深め合う』という3つの場を,本校ではより具体的な計画を立てて実践したいと考えている。これが次に述べる6つの幌北ハートフルプランである。

3年 理科「電気の通り道」
アルミ缶は電気を通すかな?
「ピカピカ光るものは電気を通すと思うけど…」
6.活動の広がりについて

 子どもが自然とふれ合う体験を豊富にすることにより,より多くの疑問,驚き,感動,喜びなどが生まれてくる。最初は隣の友達に,次に先生に,そしてクラス全体,学校全体,地域へと喜びや発見の度合いに応じて,周りに発信したくなってくる。子どもたちのかかわりが,校内から地域へ,更にインタ−ネットなどで,全国へと広がって欲しい。更に受信先から返事がくるなど,双方向でのかかわり合いに発展することを期待している。

〜ひたり合う〜 幌北ハートフルプラン1
ビオトープを大切に育てていきます!

 昨年ビオトープ開きに協力した現6年生は,ビオトープに強い愛着とこだわりをもっている。そこで,「どんなビオトープにしていきたいか」「どんな動植物を誘致したいか」などをテーマにアンケートを取ったり,TV番組に出演したりしている。

 近隣には緑のキャンパスが広がる北海道大学があり,子どもたちは総合的な学習で調査活動に行ったり,休みの日を利用して動植物の観察や採取に出かけていったりしている。こうした調査・観察をもとにビオトープの活動計画を練り直し,幌北小のビオトープを長いスパンで育てていこうと考えている。

幌北小のビオトープ
アメンボ・糸トンボ・ゲンゴロウなどが池に飛来している。
また,小山の泉には,様々な鳥が水浴びをしに来るようになった。
NHKでのTV出演の様子
12月にNHK教育テレビで幌北小のビオトープを紹介した。
幌北ハートフルプラン2
北大の施設や人材を活用して学習します!

 本校と北大は距離にして1km弱の場所にあるので,虫かごや虫捕り網を持って歩いて行くことができる。第2農場跡地にあるひょうたん池の周りで,生活科や理科の学習で虫捕りをしたり,総合的な学習でビオトープの見学に行き,自然にひたり合ったりしている。また,本校では北大で学んでいる外国からの留学生の子どもが多く在籍し,北大に勤務している保護者も多くいて,教育活動にとても協力していただいている。

 北大と幌北小はとても密接な関係にある。これからも北大の施設や人材などを活用した学習をしていきたいと考えている。

北海道大学 重要文化財 「モデルバーン」
〜かかわり合う〜 幌北ハートフルプラン3
青少年科学館や理科センターとの連携・協力!

 科学を好きな子どもを育てるために,もっと理科,そして総合的な学習や特別活動などで科学館や理科センターと現場が協力しながら有効に活用するには,本校ではどのようなプランがあるのかを考えてみた。

  • 現在行われている小学校の見学活動と同じように,展示室などを見学し,科学的な興味や関心を喚起させる。
  • 理科実験クラブなどでサイエンスショーを見学したり,PTA活動の学年レクなどで施設を利用したりする。
  • 移動天文台に学校に来ていただき,希望者を募って天体観測をする。
  • 授業のまとめや,学校ですることが困難な実験などを行い,学びを深めていく。
  • 総合的な学習でその施設の内部にあるものから問題を作って解決していく活動を行う。
6年 理科「土地の作りと変化」
幌北ハートフルプラン4
近隣の学校と連携した教育活動をします!

 幌北小学校のすぐ1.5km札幌の中心部側に北九条小学校がある。給食は幌北小学校が親学校として,北九条小学校に毎日運んでいる。子ども同士の交流も盛んで,サッカー少年団が合同で活動している。2つの学校は,ほんの少ししか離れていないので,これからは子ども同士のスポーツなどの交流だけではなく,両校の研究や,運動会や遠足などの学校行事などでも交流を深めていきたいと考え,本年度から合同で全校研を行うなどの活動をしている。

〜深め合う〜 幌北ハートフルプラン5
特活やPTA活動から環境教育へ発展します!

 本校の特別活動は,心をキーワードにした活動の推進が図られている。子どもの自主的な活動をより促すために,委員会・クラブ活動の名称を,それぞれボランティア活動・ふれあいたいむと改称して昨年度新しく生まれ変わった。また,より教育の総合化を図り,子どもの「心」の育成をするために,校務分掌にも手を加えてきた。児童活動部と学級活動部を統合し,児童学級活動部として発足させて活動している。本年度はボランティア活動環境週間を設定し,様々な活動を行っていこうと考えている。

 PTA活動も心をキーワードにした活動を行っている。本校では,これまでにPTA活動の一環として,リングプルや古切手・使用済みプリペイドカード,ベルマークの回収活動を行ってきた。また,1か月に1回,各家庭にお知らせをし,廃品などを業者に集めていただいてリサイクルしていくようにしている。これらの活動を通して,自分たちの暮らしを見つめ直し,物の大切さやリサイクルする意味を知るきっかけとなっている。このようにPTA活動でも困っている人をいろいろな手段を通して助けたりしようという「心」の部分を大切にした教育活動が行われている。

3年 総合的な学習「花いっぱいになあれ」
日赤奉仕団の方から,花の種類や植え方を教えてもらったよ!
ボランティア環境週間
『考えよう私たちの生活』で考えられる活動
いきもの 滅び行く動物たち,自然と人間のかかわり
きゅうしょく 食物や栄養を通して,
けんこう 身体の仕組みクイズ大会
おんがく 廃品を利用した楽器作り・演奏に挑戦
としょ 環境に関する本の紹介・読み聞かせ
かんきょう 地域の環境を調査しよう
せいかつ 資源の大切さ(水の働き,紙はどこから)
じょうほう 環境に関するビデオの上映
なかよし 環境週間の企画運営
幌北ハートフルプラン6
科学が好きな子どもを育てる授業改善をします!

 本校では,総合的な学習の時間と理科との関連・発展を具体化することを中心に考えて授業を作ってきた。さらに来年度は,その他によりはっきりと科学が好きな子どもを育てるという目標を立て,今までの総合的な学習部会と本年度新設した理科部会をもとに,それらの授業改善に取り組んでいこうと考えている。本校では,生活科や総合的な学習を専門に研究している教員が2名,理科を専門に研究している教員が5名いるので,授業を作る場合にはそれぞれの部会や全体研修で話し合い,より子どもたちが興味・関心をもって生き生きと取り組める学習を目指していきたいと考えている。また,外部の研究団体の話し合いにも積極的に参加し,多くのものを吸収して日々の授業に生かしていこうと思っている。

 これからはより一層自らの研究を深め合っていき,それを子どもたちに返し,子どもたちが瞳をきらきらさせながら授業に参加することができるよう,授業改善をしていこうと考えている。

5年 理科「天気の変化」
雲の動きを見て天気を予想してみよう(現地調査より)
おわりに

 休み時間に「突然!実験クラブ」を催したり,環境ボランティア活動で家から持ってきたペットボトルを使って,水ロケット発射実験を行ったりした。教科や総合的な学習だけではなく,特活や休み時間の活動などでも科学が好きになる子どもを育てるようなかかわりをしている。

 これからは6つの幌北ハートフルプランをもとにして,子どもが科学を好きになるようなかかわりをしていきたい。ビオトープに住んでいる生き物を隣の学校に知らせたり,青少年科学館とも協力したりしながら理科や総合的な学習が深まるようにしていきたいと考えている。そして,「心(ハート)」が自然とふれ合ったものを自分から伝えようとするようにもさせていきたい。今後この研究で子どもたちの感性や心の豊かさが育っていくことを期待している。

中休み 突然実験クラブ
ヒヤロンを作ってみよう!
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