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杉並第十小学校 実践評価

自然に親しみ、進んで働きかけ、考える子どもの育成
学校長
伊藤 冨士雄
教頭
永井 昌美
研究代表者
徳永 俊二
児童数
456
学級数
13
電話
03-3313-1364
審査委員
川上 昭吾

評価

1.計画の実践状況

 計画された7項目は平成15年度に入ってもすべて堅実に継続実施されている。
 その他、理科と総合学習で近くの科学館を利用する活動も行われている。
 キッズISO14001sと科学創意工夫展への参加は、学校の時間外の活動であるが、この2つも含めトータルに科学に目を向ける指導が行われており、これが科学好きな子どもを育てる基盤となっている。
 しかし、これらの体験的活動における子どもの感動や気付きの内容を抽出し、それをすべての児童に伝えることで感動の輪を広げたり気付きを深めたりすることが必要なのではないだろうか。

2.授業及びその他の教育活動

 3年と6年の理科の授業は発見的な問題解決学習が目指されていた。4年の総合においても同様であった。さらに1年の生活でもアサガオの成長の変化に気付く(発見する)ことが目指されていた。
 これらの授業の指導理念は今後においても大切にされるべきことである。
 しかし、上の学年になるにつれて気付きや理解をきちんとさせる指導観が必要なのではないだろうか。
 教室の外側に廊下がなく広々としたオープンタイプの教室と広いテラス、さらに蚕糸の森公園の自然環境を十分に使った教育活動が行われておりすばらしいものである。

3.環境構成

 本校の特徴は蚕糸の森公園とビオトープに代表される環境構成にある。その恵まれた環境は、理科の指導では、たとえば3年の昆虫単元で、カイコ、アゲハ、アオスジアゲハなど身近な自然環境を使うことに利用されている。

4.その他(教職員の関わりの状況/保護者地域の協力度など)

 各学年が体験活動を計画し、全校が一丸となって実施しておりすばらしい。花いっぱい運動、天体観測、巣箱作り、キッズISO14001s、及び科学創意工夫など保護者等の協力が得られるよう努力がなされている。

入選教育計画の実践レポート

 第一回科学研究会全国大会発表後の本校の取り組みを以下に報告する。
 昨年度、本校では花いっぱい運動やビオトープ作り、天体観測、巣箱作り、キッズISO14000s等の様々な取り組みを通し科学(理科)や環境に対し子どもたちがより関心を持てるよう取り組んできた。そして、その様々な取り組みは一つの学年を超え異学年及び子どもたちの家庭や地域まで広がりをもつこととなった。

1.子どもと保護者が守り育てる花いっぱい運動とその栽培活動

冬に植えたパンジーがまだ咲き続けている
 16年前の移転当初より行われている学校周辺の花の栽培活動(3年生の親子による)は学校の子どもたち全員による苗作りから始める活動へと発展させた。6月より各学級で苗を育て夏休みには学級によっては全員、または有志によって各家庭に持ち帰り苗を育て続け9月に苗の植え替え作業をした。さらに12月にも同様に植え替えをした。この植え替え作業の1週間前には地域の人たちに自由に植えてあった苗を持ち帰ってもらい、学校から地域に花いっぱい運動を発信していくことをねらった。
 この活動は植え替えの面積が広いため一部は購入してきた苗が植えられているが、今後も引き続き行われていく。

2.自然の様子を丸ごと教材化するビオトープ

簡易ビオトープ
 昨年度理科室前のテラスに改装した大きなビオトープでは、今もメダカが元気よく泳ぎ回り植物も春を迎え新芽が見られるようになってきた。そして昨年産み落とされたヤゴはブロックの間から見え隠れし少しずつ成長しているようである。今年の夏にはこのビオトープからたくさんのトンボに羽化して飛び立つのが楽しみである。子どもたちも理科の授業の後テラスに来てはビオトープの中を興味深く見つめている。
 また、各クラスのテラスに設置された簡易ビオトープでも1年間そっと置いているが、水の中では小さな命が育ってる。こちらも夏にトンボの羽化が見られることを期待している。

3.親子で参加する天体観測と物作り

 昨年度は各学期で1回ずつ行われた天体観測では月、木星、土星、二重星を観測した。活動が夜間なだけに保護者の引率が不可欠になるが毎回平均親子で100人程度参加者が訪れてくる。該当学年が4年生であるが兄弟関係で訪れてくる子どもたちや天体に関心のある5,6年生も観測会に参加する。さらに、2学期には星座早見盤を作成するなどして天体観測をより身近に感じ、関心もより深まってきた。今年度は理科の教科書に合わせ1学期と3学期の2回を予定している。

4.意図的・計画的な環境学習から理科学習へ

 本校ではJICA(ジャイカ)の要請を受け平成12年度から毎年十カ国程度の研修生が訪れ「ゴミの学習」の参観をしている。授業では「土に埋めたゴミは、どうなるのだろうか」の課題で4年生の学習として取り上げている。1ヶ月間、生ゴミやビニール、卵の殻などを地中に埋めておき1ヶ月後掘り返してゴミの状態を調べる学習である。本年度も6月に来校予定である。この学習の後は全校児童と研修生達との交流会を開き国際理解の学習としている。

5.蚕糸の森公園の野鳥に巣箱のプレゼント

テラスに設置されたえさ台
 昨年度は研究発表会の際、6年生が総合的な学習の時間に取り組んだ「蚕糸の森に飛来する野鳥」についての学習でムクドリ用の巣箱とえさ台を作成した。作成の際には地域の東京土建組合杉並支部の方々に指導を仰ぎ作成した。その後作成した巣箱とえさ台は各学年に配布し巣箱は蚕糸の森の木々に取り付けた。さらにえさ台は各学年のテラスに設置し給食の残飯や果物などを置いて飛来してくる野鳥に関心がもてるようにしてみた。この取り組みで6年生だけでなくそれぞれの学年で野鳥を通し生き物へ関心をもつことや愛情をもつことで自然環境を大切にしていこうとする心情を育てていきたいと考えている。

6.キッズISO14000Sの入門編から初級編に挑戦

 本区ではキッズISO14000sに一昨年度より取り組んできている。昨年度本校では5,6年生が約90名ほど参加しその中で一昨年度入門編を終了し昨年度は初級編に取り組んだ児童の内4名ほど国際認定された。この活動を通し、省エネやゴミの減少に努め家族ぐるみで取り組むようになってきた。本年度も多くの子どもが初級編に参加し国際認定されることを望んでいる。

7.科学創意工夫店への出展の奨励

 本区では毎年科学創意工夫展を実施している。それに伴い本校では夏休みの自由研究の中から20点前後の作品を選び、科学創意工夫展に出展してきた。これらの作品が本校に帰ってきた後でコモンスペースを使って入選作品の展示会を行ってきた。入選作品を見ることで研究の仕方やまとめ方など、どのように工夫すれば良い研究になるかを子どもたちに実感してもらいたいと考えた。昨年度はその中から「教育委員会賞」を受賞した作品があった。また、昨年度4月には本校の一昨年度までの実績が認められ、第44回創意工夫功労学校表彰において文部科学大臣賞を受賞することが出来た。

 以上、このような指導の積み重ねが子どもの自然を豊かに感じる感性を育て、科学に興味をもち、自ら興味をもち、自ら課題を見つけ、解決する子どもが育っていくものと信じ、今後も引き続き継続して実践していきたいと考えている

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