
2002年度ソニー子ども科学教育プログラム:審査委員長 講評
野ア 弘(独立行政法人 国立博物館理事長、元文部事務次官)
学校の特色を出し、新しい試みと工夫を
教育計画の募集という新しい形の教育論文の募集を始めて2年目となります。今回も「科学が好きな子どもを育てる教育計画」という主題に対し、全国から多数のご応募をいただきました。皆様の教育にかける情熱に深く敬意を表します。
今回は5校が入選プロジェクト校に選定されました。これらの学校に共通することは次のとおりです。
- 「科学が好きな子どもを育てる」という主題に対して正面から取り組み、学校独自の考え方に基づく提案をしていること。
- その提案には学校の特色が出ていて、創造的・先駆的で、他の学校の参考になるものであること。
- 連続して入選プロジェクト校に選ばれた学校が2校あるが、両校の次年度の計画は、前回の計画(今年度の実践)を踏まえてさらに進化したものであること。
一方、残念な結果となった応募計画の中には、つぎのようなものが散見されました。
- 「科学が好きな子どもを育てる」という主題に対して正対していないもの。
- 計画の実現性に疑問が持たれるもの。
- 前回の入賞校(入選・奨励・努力)で連続応募しているのに、
- 現在実践中の前回の計画について、どのような成果があり、何が今後の課題なのか、という考察・評価がなされていないか、不十分なもの。
- 前回の計画から、あまり進化のないもの。
また、応募論文の全体的な傾向として、次の点に問題があります。
- 理科学習の実践と計画について言及しているものが少なく、特に計画では総合的な学習の時間で組み立てる、というものが目立ちました。科学が好きな子どもを育てる教育計画なのですから、ぜひ、理科について計画を出して頂きたいと思います。
- 計画についての効果測定ということも考えて頂きたいと思います。科学が好きな子どもが育っているだろうか、と考察・評価することは、とても大切なことです。特に前回入賞(入選・奨励・努力)して連続応募する場合には、現在実践中の計画で、子どもたちがどのように変わってきているのかを見取ることは、次の計画を立てる上で、貴重な指針となるはずです。
このプログラムは教育計画の募集であります。「ぜひこうしてみたい」という、夢のある計画を披露し提案していただきたいのです。科学が好きな子どもが、もっと好きになる計画もあって良いと思います。「基礎基本の定着と個に応じた学習指導」が求められておりますが、この「個に応じた学習指導」について新しい試みや工夫を積極的に出してほしいのです。
また、入選プロジェクト校2校を含め、小規模校からのご応募もありました。小規模校では、授業の場以外での先生方と子どもたちとの触れ合いにも期待したいと思います。
第3回(2003年度、平成15年度)には、今回にも増して意欲的な計画が、多数応募されることをお待ちしております。
審査委員
| 野ア 弘様 |
(独立行政法人国立博物館 理事長) |
| 木原 信敏様 |
(株式会社ソニー木原研究所 会長) |
| 角屋 重樹様 |
(広島大学大学院教育学研究科 教授) |
| 松本 勝信様 |
(大阪教育大学教育学部 教授) |
| 川上 昭吾様 |
(愛知教育大学教育学部 教授) |
※本事業について、審査委員へのお問い合わせは固くお断りします
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