見えた!?科学する心


皆様から寄せられた応募論文の中から選び出した様々な事例、印象に残った子どもたちの一言などのご紹介を中心に、毎月第1・第3月曜日に更新いたします。(1月のみ第2火曜日、第4月曜日に更新いたします。)

Vol.40

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テーマ

目的に向かって

ここから見える 応募いただいた論文の中の事例をご紹介いたします。
写真をクリックすると、詳細が表示されます。
常磐会短期大学付属常磐会幼稚園(大阪府)
 
札幌市立ひがしなえぼ幼稚園(北海道)
常磐会短期大学付属常磐会幼稚園(大阪府)
実践事例集Vol.335・36頁の事例です
札幌市立ひがしなえぼ幼稚園(北海道)
実践事例集Vol.337・38頁の事例です

転がす遊びの中に見える

 子どもたちの遊びの中には、目的や目当てがあったり、困難や問題を乗り越えてやり遂げようとしていたりする姿があります。常磐会幼稚園の事例は、共通の目的をもった友達同士で、ゲームをするお客さんのことを思いながら、転がす玉、ゴールの仕方など「どうしたらゲームが面白くなるか」考えたり試したりしながら進めている事例です。ひがしなえぼ幼稚園の事例は、こまが回せるようになったことで気付いたこまの特徴や発見を友達と共有しながら試行を重ねていく事例です。これらの事例から『遊びの中の学び』が見えてきます。財団の実践発表会の中で、秋田喜代美先生が「幼児期には、幼児教育の中にある『遊びの中から学ぶ』大切さを訴えなくてはいけないということが、最近特に言われるようになってきました」と述べられています(二葉幼稚園講演)。2学期末のこの時期は、『遊び』『学び』『科学する心』の結びつきを感じるような子どもたちの姿や遊びの展開から、健やかな成長を見出すことができると思います。

実践事例集vol.3は http://www.sony-ef.or.jp/preschool/practice/ へ

ことばのたね 応募いただいた論文の中から子どもたちの素敵な一言をご紹介いたします。
桐生市北幼稚園(群馬県)
桐生市北幼稚園(群馬県)
実践事例集Vol.355・56頁の関連事例です
 泥団子遊びが盛んになったある日、土山から転がす遊びを始めました。
 「石が混ざってうまく転がらないよ」と気付いて訴えたことから、砂場の樋に気付くように保育者が投げかけると賛同し、土山に樋を置いて転がしました。「すごい、よく転がるよ」「競争しよう」「僕の方が遠くまで転がったよ」と遊びが進みました。
 泥団子が転がることが分かると「樋を高くしてみよう」と新しい遊び方を展開し、どのくらいの傾斜をつけたら遠くまで転がるか、樋を置く高さや角度を変えて試していました。
 大学生から以前「はかる」ことを教わった子どもたちは、次は泥団子の重さが気になり、作った泥団子の重さを量りました。「80グラムだ」「私のは小さいから50グラムしかないね」こうして量って、いつものようにお皿に置いておくと…。
 1週間ほどして「あれ、60グラムだ!」「どうして軽くなったんだろう」…。
 転がしてみることになりました。「作った時遠くまでいったね」「乾いたのは軽くて壊れちゃうか心配…」いろいろな思いの中、いよいよ転がしてみました。「あれ、割れないよ。すごい」「乾いたほうが遠くに行った」「どうしてだろう」「今日作ったのは重いし、手にベタベタつくよ」「ベタベタつくとうまく転がらないよ」「水が入っているから重いんだよ」「じゃあ、どうして乾かすと軽くなるの?」「う〜ん、水がどこかへいっちゃったんだ」「そうだよ、ハンカチがぬれた時、太陽に向けて干しておくと乾くでしょう。泥団子も同じだよ」「そうか、水がなくなったらかるくなるんだよね」
 泥団子遊びで、観察もイメージも会話も、そして考える楽しさも味わえました。

えぴそーど 現場の先生方からお寄せ頂いたエピソードを2つご紹介します。

幸田あけぼの第一幼稚園(愛知県)から
幸田あけぼの第一幼稚園(愛知県)
 5歳児年長組の子どもたちみんなで、全身を使って表現遊びを楽しみました。広い体育館でのびのびと体を動かす遊びをした後、紙で遊んだことを話し合い「紙になって遊ぶ」ことになり、みんな思い思いの「紙」になりました。「紙ってどんな感じ?」全身で思う表現が始まります。「やさしく丸めてみよう」「小さく丸めてみよう」「転がしてみよう」など、今まで遊んだイメージが浮かぶ言葉かけで、喜んで動いていました。
 「紙飛行機作ろう」と言うと、「シワシワで飛ばない」と声があがり、新しい紙になりました。
 「どんな飛行機にしようかな?」と言うと「よく飛ぶ」「スピード出る」「回転する」など子どもたちの言葉が飛び交い、様々な表現が出ます。「ポツン。ポツン。ザザー」と雨の音の声をかけると、ぺしゃんこになってしまいました。「どうしよう?」と問いかけると、「太陽で乾かす」「窓にはりつける」という子どもたちの言葉で問題解決。
 みんな窓にはりついてギラギラ暑い太陽で乾いていきました。
 もう一度紙飛行機になって、保育室に帰ることができました。

大田区立千鳥幼稚園(東京都)から
大田区立千鳥幼稚園(東京都)
 千鳥の森に虫取りに出た子どもたち。カマキリを見つけて大喜び。早速捕まえると、このニュースはすぐに伝わって、何人もの子どもたちがカマキリを囲みました。バッタを捕まえた子が、「エサをあげよう」と、カマキリの前に差し出すと、カマキリがカマでがっちりとバッタを抱え込んだのです。見ていた子どもたちはこの様子に目が釘付けとなり、カマキリに注目していました。カマキリがバッタを食べ始めると、緊迫した様子ながらも更に興味津々の姿で「頭は固いからきっと食べないよ」「お腹のところに黒いのがある。バッタの糞かな?」「足も食べるのかな」と感じたこと気付いたことを言葉にします。保育者は「カマキリは生きた虫を食べるということを知っている子どもたちは、こうしてエサを食べさせて様子を見たいという思いをもつ。子どもたちがこのように活動を展開することは自然な流れなのだろう」と思いながらも「この体験をどうしたらいいのだろう。バッタの命のことにも、思いを寄せるきっかけは必要だろうか」と疑問や課題も感じ、一緒にその場で様子を見守りました。
 その後、初めに見つけた4人の子どもたちはカマキリに特別な愛着をもったようで、かわるがわる持って眺めたり遊ばせたりしていたのですが、保育者は大勢でさわりすぎて弱ってくることを心配し、順番に持ち帰り、夜は家でかわいがり翌日園に持ってくることを提案しました。保護者の理解もあって、持ち帰る順番が決まり、最初の子が持ち帰りました。しかし、翌日、カマキリの世話を園でしている時に逃がしてしまい、子どもたちの思った飼育は、思うように続けることはできませんでしたが、「千鳥の森にいるのだから、また会えるよね」と、再び出会えることを期待する会話が聞かれました。
 こうした姿は、今までダンゴムシやカタツムリ、幼虫などの色々な虫を飼育する中では見られないことでした。カマキリがバッタを食べる様子はまさしく自然や生き物の脅威ともいえるものでしたが、そこに直面した子どもたちは、激しく心を動かす体験をし、今まで出合った虫以上にカマキリへの愛着を感じるようになったのだと思われます。今回のカマキリとのかかわりの体験を活かして、次の虫との出会いを大切に援助していきたいと思います。

エピソードをご紹介ください
    「ぜひ紹介したい!!」という出来事、子どもたちや保護者の方々の大ニュースになった話題、心温まるエピソード、園独自の特徴的な取り組みなどをお寄せください。「えぴそーど」のコーナーでご紹介いたします。  
ご連絡はメールフォームにて受け付けています。
 

"見えた!?科学する心"は、次回は1月9日(火)に更新です。テーマは【冬】"冬を感じる、冬を楽しむ"です。
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