皆様から寄せられた応募論文の中から選び出した様々な事例、印象に残った子どもたちの一言などのご紹介を中心に、毎月第1・第3月曜日に更新いたします。
2006年度
年間スケジュール
テーマ
知りたい!
応募いただいた論文の中の事例をご紹介いたします。
写真をクリックすると、詳細が表示されます。
カブトムシのなぞを探れ!
砂鉄で作れる?
若葉台保育園(福島県)
実践事例集Vol.3
の29・30頁の事例です
北陵幼稚園(島根県)
実践事例集Vol.3
の57・58頁の事例です
実践発表会
を開催いたします(10月28日)
仲間と考え合い分かる喜び
好奇心の塊ともいえる子どもたちの「知りたい!」という欲求が満たされる活動は、どのように展開されていますか。この「知りたい!」という“つぼ”にはまると、子どもたちは大人の予想をはるかに超える勢いで情報を集めたり確かめたりします。周囲の大人が「幼児が分かること」「幼児が知っているとよいこと」などと思っている間に、今時の子どもらしく、多くの情報から「先生、〇〇だったよ」と伝えてくることもあります。
若葉台保育園の事例は、畑作りの堆肥の中から見つけた幼虫の飼育がきっかけです。「カブトムシはおしっこをするか」という友達同士の問答から活動が展開しました。北陵幼稚園の事例は、砂場での砂鉄集めから、「砂鉄から鉄が作れる?」という思いをもって活動が展開した事例です。子どもたちが、大人も興味を持つような疑問を追究しています。
実践事例集vol.3は
http://www.sony-ef.or.jp/preschool/practice/
へ
応募いただいた論文の中から子どもたちの素敵な一言をご紹介いたします。
広島市立矢野幼稚園(広島県)
「
大変!チョウチョのケースの中に蜂がいる!!
」の声に、子どもたちが集まって蝶の飼育ケースを見ると、確かに蜂。「早く蜂出さないと、チョウチョが食べられちゃう」「はやく助けてあげよう」「みんなの大事なチョウチョなのに…」と言い、蝶のサナギが蜂に襲われると思ってふたを開けようとしました。
ところが、「あれ」「ちょっと待って」「さなぎ、もういない…」「え、いるよ。家から持ってきて、みんなで飼ってるんだから…」よく見ると…「でも、サナギに穴があいてるよ」「
じゃ、チョウチョはどこに行ったん?
」「誰かが逃がしたんじゃない」「みんなで大事にしているのに、逃がしたりするかな?」と保育者がつぶやくと、「逃がしても、蜂が入ったりするかな?」「蜂が産まれたんよ」「それはない!だって図鑑でちゃんと調べたよね。幼虫の模様を見たらアゲハチョウだったもんね」「じゃ、チョウチョを攻撃して蜂が食べたんじゃない?」「ケースの蓋開けてないのに?」・・・会話は尽きず、疑問は膨らむばかり。言葉が次々重なります。
「
こうなったら蜂の図鑑を調べてみよう
。中の蜂の名前も知りたいし」「賛成!」と、子どもたちは園にある昆虫や蜂、蝶の図鑑あらゆるものを集めて、調べ始めました。
「この蜂じゃない?」「これ、これじゃ!」「アゲハヒメバチ。名前にアゲハって付いてる。やっぱりアゲハなんかな?」「でも、蜂の仲間だよ」蝶の幼虫に卵を産みその卵が蜂になったこと、それでサナギは食べられてしまったことなど調べ、分かったことを、みんなに知らせました。
現場の先生方からお寄せ頂いたエピソードを2つご紹介します。
江戸川双葉幼稚園(東京都)から
蛍の生息できるビオトープづくりをし蛍や餌のカワニナの飼育をしています。今まで日常生活のために使ってきた殺虫剤や虫除けなどがまったく使えなくなるという問題解決の一端をご紹介します。
殺虫剤や虫除けが使えなくなることについて、まず子どもたちや保護者から理解や協力を得ることができました。子どもたちは、カエルやカマキリを捕まえては、園庭に逃がしました。カマキリの卵を大事にしていたのになくなった時は、気付いた子どもたちが考え合い、足跡や状況からカラスに盗られたと分かりました。園のシンボルのような大きな桑の木が害虫により治療が必要になった時は、木にも手術のような処置をすることが分かり、子どもなりに親身になって心配しました。また、芝生が害虫によって枯れそうになった時は、全身を使って様々な害虫を駆除する子どもたちの姿がありました。
虫が大好きな子どもたちは、虫には駆除が必要な害虫がいることが分かり、情報を交換し合って見極めていました。それでも、分からない虫がたくさんいます。
「先生、害虫図鑑ってないの?」という子どもがいました。子どもたちのために様々な書籍を整えてきていたのですが、まさに子どもに教わる場面でした。「そうだね。調べてみようね」と応え、早速桑の木の処置をお願いした専門家の方にうかがうと、害虫に関する図鑑があることが分かりました。子どもたちの意欲と発想に学ぶ場面です。
みどり丘幼稚園(大阪府)から
6月上旬、幼稚園の池の草をあがっていく虫を見つけました。子ども達はその見なれない虫が何か知りたくて、じっと見ていました。動かない様子を感じて、早速図鑑を持ってきて調べました。「ヤゴ?」ますます興味をもって注目していると、羽化を始めました。茶色い虫から茶色の身体、少しずつ乾いていく伸びる羽…。トンボです。確かにトンボとわかると、子ども達は「何トンボだろう?」と調べ始めました。それは、「シオカラトンボ」でした。
この後、7月上旬まで10回もこうした羽化を見ることが出来ました。羽化したトンボは、すべてシオカラトンボでした。この間に、羽化をした赤ちゃんトンボはオスとメスどちらも茶色だったのが、しばらくするとオスのトンボは成長すると青色に変わること、オスは“シオカラトンボ”と呼び、メスは“ムギワラトンボ”と呼ぶことなど、オスとメスの違いについて色々なことが分かってきました。羽が伸びしっかりするまで見つめる表情や触りたいけどその気持ちを抑えて見守る様子から、羽が大切なことを実感していることが分かりました。こうして「図鑑で見て知っているトンボ」ではなく、「この池でどのように育って飛んでいるのかを知っているトンボ」になりました。子ども達は、シオカラトンボを見つけると、「幼稚園で生まれたトンボかな」「帰ってきたのかな」と話したり、茶色のトンボを見つけると、「あっ、赤ちゃんトンボだ!」と言い、様子を見守ったりしています。
トンボは最初から飛ぶことができると思っていた子ども達にとって、トンボの生態を知る良い機会になりました。これから出会うたくさんの小さな生き物から、子ども達はたくさんの不思議を感じることと思います。
「ぜひ紹介したい!!」という出来事、子どもたちや保護者の方々の大ニュースになった話題、心温まるエピソード、園独自の特徴的な取り組みなどをお寄せください。「えぴそーど」のコーナーでご紹介いたします。
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"見えた!?科学する心"は、次回は10月2日(月)に更新です。テーマは【飛ぶ】"どこまで飛んだ、どっちが飛んだ"です。
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