
子どもたちの体力が低下しつつあるという報告は、今年度の保育学会の発表にもありました。文部科学省でも丁寧に紹介されています。こうした現状の中でも、子どもの豊かな生活や環境を大切にしている園では、子どもたちが興味や目的をもって、のびのびと体を動かして遊ぶ姿が溢れています。その様子に注目すると、考えたり工夫したり、困難を感じながらも繰り返し挑戦したりする、「科学する心」が育まれる体験を捉えることができます。そこで、今回は体を動かす遊びに視点を当てた実践をご紹介いたします。
「もっと腕の力を強くしたい!」子どもたちが忍者の修行と称して、目的に向かい目当ての運動遊びを繰り返します。何のために腕の力をつけたいのかというと…
「おなかすいてたんやなぁ…」「あのご飯は美味しいの?どんな味かなぁ」と、アヒルが餌を食べている姿をじっと見ていた子どもたち。
牛乳パックで、小物入れやジョウロ、ままごとのサークルや椅子など、いろいろな物が作れます。

牛乳パックの中に詰め物をして、もう一つの牛乳パックと合わせた物をたくさん作り、それをたくさんつなげると「道」ができます。(立てると柵や囲いにもなります)
丸めたり曲げたりできるように、つなげる時は、長辺同士、一面がつながる(ガムテープなどで貼り合せる)ようにします(図の黄色)。布などで覆うと丈夫になります。この道が長いほど、面白くてダイナミックな動きも出てきます。

この「道」で、平均台ではできないようないろいろな動きが出てきます。乳児にとっては安全で特別な道になります。「○○の橋」「○○の道」など、イメージをして遊ぶことで、いろいろな動きが引き出されます。
夏休み明けの始業日、A児は家からアゲハの幼虫を持って登園してきました。虫好きの子どもたちは、園庭の畑に虫とりに出かけます。保育室の中は、あっという間に昆虫を入れた虫かごでいっぱいになりました。それを見ながら、虫好きの3人の子どもたちが、「虫博物館をやりたい!」と考え、クラスのみんなに投げかけました。「名前は、ファーブル昆虫館」「アトリエを使えるって」と、意欲的な3人の提案を受け、周りの子どもたちも「いいねぇ」「オッケー!」 とすぐに了解。ファーブル昆虫館の開催が決まりました。ファーブル昆虫館には、園庭や家でつかまえた様々な元気な昆虫に加え、死んでしまったカブトムシやセミも並べられました。子どもたちのアイデアで、チケットやポスター作り、歌や劇も加わり、連日たくさんのお客 さんで賑わいました。
5歳児10名が氷鬼遊びをしていた時のことです。思い思いに陣地から逃げることを楽しんでいましたが、その中で、A児はなかなか陣地から出られない様子でした。すると、B児がA児と手をつなぎ、一緒に陣地から出るようになりました。保育者が「アッ、AちゃんとBちゃん、二人一緒に逃げたら、どっちを捕まえていいか分からなくなっちゃう」と声をかけると、二人は嬉しそうに顔を見合わせました。その声を聞いて、C児とD児も一緒に逃げ始めました。更に、E児F児G児は3人で手をつなぎ「一緒に逃げようよ」と声をかけ合って走り出しました。
そしてE児は「俺たちも、仲良しパワーで逃げたったもんね!」 と言い、3人で笑顔になりました。
こうして、氷鬼遊びを何度も楽しんでいました。
本園では、いろいろな動物に変身して体を動かして遊ぶ時間を、“チャレンジタイム”として日々の保育の中に取り入れています。
遊びながら支持力、跳躍力、懸垂力、回転・逆さ感覚などを身につけ、最終的にはどの子も、短縄跳び、逆上がり、跳び箱の開脚跳越し、側転ができる喜びが味わえることを目標にしています。
小さな「できた!」という体験を積み重ねることにより自信をつけ、友達と励まし合い、認め合い、そして、群れて遊ぶ楽しさを味わうことができる子に育ってほしいと考えています。
論文募集、締め切りは18日(金)!
本年度の論文応募締め切りは9月18日(金)です。インターネット応募は当日の18時まで、郵送の場合は当日消印有効です。ご応募お待ちしております。