公益財団法人 ソニー教育財団
科学する心を育てる ソニー幼児教育支援プログラム

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論文募集

2007年度(平成19年度) 優良プロジェクト園論文概要

社会福祉法人慈育会 若葉台保育園 (福島県いわき市)
自然・人・物とのふれあいを通し、科学する心を育むための支援方法・指導方法の探究
 大地に触れる畑活動や自然・専門施設に直接関る体験活動は、子どもたちに様々な不思議や発見で感動を与えてくれる。
 エダマメの栽培中、「先生、これ何?貝の模様が付いてるよ」と化石の発見。「なんで畑なのに、貝の化石が出てくんの?」という疑問から地域の施設に出向き、子どもたちが「昔はここが海だった」と納得していく。また、ダイズ栽培から納豆作りに発展したり、海の生き物に直接触れる活動からかまぼこ作りや魚つりごっこに発展したりした。
 子どもたちは「あれ、変だぞ?」と感性で気付き、「もっと知りたい」「次はこうしてみたい!」と次への展開に足を踏み入れていく。そして、「やった、できた!」「わかった、こういうことだったんだ!」と、考えたり、試したり、表現したりして自分のものとして受け入れていく子どもたちの姿に科学する心の芽生えを感じた。
 子どもたちは、それまでの経験と感性で科学すること、地域や保護者との連携で子どもの育ちに大きく影響することが分った。
◆評価されたポイント
 子どもたちの記録を丁寧にとり、子どもたちの経験している内容や育ちを見取るための分析・考察が分かりやすく示されています。研究の構想を明確にしていることが保育の場面で活かされ、園での日常の生活の中で起こった出来事をきっかけにして、土器や化石など本物に触れる機会を大切にすることにつながっています。
学校法人峰学園 すぎの子幼稚園・
社会福祉法人峰悠会 おおぞら保育園(群馬県桐生市)
一粒のお米から飛び出す科学の芽
 園周辺の豊かな自然環境と関わる子どもは、近くの水田の稲の生育を観察すると同時に自分たちの手で、籾まきから稲刈り・餅つきを体験。これらの過程の中で、五感を通して体験しながら「あれ?どうして?」「おもしろい!」「きれい!」と、はじめて出会うものに触れたときに感動・疑問をいだき、そこから探求する意欲をのばしてあげることを「科学する心を育てる」ことであると考える。
 本園の開園以来活動してきた「米作り」に焦点を当て、米の一生を直接体験する中で、籾を食塩水にいれ、上に浮く籾と下に沈む籾を見て、「どうしてだろう?」と疑問が出てきた。地域の農家の方から教えてもらい、良い籾の見分け方を知り、次は「芽と根ではどっちが先に出てくるのか?」と疑問を抱いていった。
 子どもの疑問から顕微鏡で更にくわしく観察できる環境を与えることにより、もっと知りたいという気持ちが高まり、お米の一生の活動に益々・興味関心を持つきっかけとなった。『一粒のお米から飛び出す科学の芽』をテーマに“感じる心”を育んだ。
◆評価されたポイント
 豊かな自然環境を利用しながら園の環境を見直したり工夫したり、見通しをもって着実な実践が行われています。
 身近な“米”をテーマにした活動は、徹底的に最後までやり遂げる取り組みが展開されています。活動の見通しをもって子どもたちが十分にかかわってやり遂げるように保育されているので、偶然の出会いや出来事を活かし、子どもたちのありのままの状況を取り上げて共有することに結びつきました。保護者や地域の方との交流の場面でも生き生きと活動が展開されています。
港区立港南幼稚園(東京都港区)
「幼児、教師、保護者の科学する心を育てる」
〜自然にかかわることを楽しみ体験を積み重ねることを通して〜
  • 科学する心を育てるには?
     幼稚園の生活の中で<環境の構成><教師の指導・援助><保護者と共に>という観点で実践を積み重ねてきた。
     本園は、再開発に伴う変化の著しい地域にあり、高層の集合住宅に住む幼児たちにとって、就園前に自然とかかわる経験が少ないという実態があった。
  • 自然とかかわり心が揺れ動く!
     自然とかかわる直接体験を通して、友達・教師・保護者と響きあい、伝え合うことを大事にしていった。それらは、意欲・心情・態度の育成につながり、幼児はたくさんの学びを経験していった。
    その過程で幼児が考え、働きかけ、表現することを積み重ねることが「科学する心―豊かな感性と創造性の芽生えを育む」と捉えた。
  • もっとやりたい!もっと知りたい!
     異年齢の伝え合い・育ちあい、活動に参加して得られた保護者の姿、より専門性を高める教師の意識等、実践を通して得た学びをもとに、幼児・教師・保護者が「どのように変容していったか」「変容を支えた要因は何か」を明らかにし、より良い教育の在り方を考えていった。
◆評価されたポイント
 入園するまで虫とのかかわりが少なかった子どもたちが、園生活の中で興味をもち、観たり触れたり、捕まえて飼育したりする経験を重ねて、虫と親しむ情報やかかわり方を学んでいます。また、5歳児の姿をモデルにして虫への興味や思いを実現しようとする4歳児の姿や、それを受け止め、更に探求して虫への興味や知識を深め、4歳児に伝える5歳児の交流も、主題に迫る実践です。保護者とのかかわりも効果的に取り入れられ、自然や人とのかかわりで「科学する心」が育まれていることが伝わります。
岡崎市島坂保育園(愛知県岡崎市)
豊かな自然とのかかわりを通して科学する心を育てる
 子どもにとって自然はなくてはならない対象物で大切なものと考えている。園の周りにはその素晴らしい自然が一杯あり、子ども達は自然に親しみ、恵まれた環境の中で思い切り遊んでいる。そこで、これなに?不思議?と感じる子どもに保育士が寄り添い共感し、より意欲に繋げて行く援助(ゆさぶり)をしていった。「子どもが自然とかかわる時、五感である“見る”ことから学ぶことが多い」と捉え、毎年行っている野菜の栽培では、5歳児が異なる野菜から自分の苗を決め生長を継続して観察することにした。「みんな花の下が膨らんで実ができるんだ」。ミニトマト、赤ピーマンの色の変化から「太陽が当たるからだよ」と気付き、ピザづくりでは「野菜はおいしいね」と味わい感動することができた。蚕の飼育で、1〜3歳児は、蚕ってなあに?から始まり、初めて手の平にのせ「なんかぴりぴりって音がする」「いきてるからだよね」と表現する子もいた。4歳児「緑の蚕と茶色の蚕がいるよ」と発見し、何の幼虫か、蚕と比較しながら生長を観察し、知りたいという好奇心がわき図鑑で調べ、スズメ蛾と分かった。散歩で草花取りをし、「根っこが切れないように丁寧に掘ったよ」「水を吸うから」と根に興味をもつ。草花の花壇ができ“草花らんど”と名前を付け、草花と触れ合う場が再現でき「どんな虫がくるかな?」と期待し、楽しい体験となる。周りの大人から教えてもらったり、可愛がってもらったりして、園児を取りまく地域が大切な人的環境になり、豊かな実体験を通して子どもたちの「科学する心」が育まれてきていると思う。
◆評価されたポイント
 科学する心につながる大事な行為「見る」に焦点を当て、子どもが科学的にかかわる姿を丁寧に捉えています。焦点を当てたことで、子どもの興味を支えることができ、動植物を長期間にわたり観察して追求することに結びついています。また、草花らんどの取り組みでは、石探しや地域の人とのかかわりなど、興味やかかわりの対象が広がっています。
刈谷市立重原幼稚園(愛知県刈谷市)
−科学する心を育てる− 好奇心や探究心が更に膨らむ保育を目指して
 幼児は、大人が気付かないようなものにも、心を留めたり、知りたがったり、触れたがったりして、好奇心旺盛である。また、その捉え方には、柔軟性があり、感性豊かである。そのような幼児の素晴らしい感性、特質、能力を生かし、幼児が好奇心や探究心を膨らませるためには、幼児を取り巻く周りの環境が重要である。そして、教師のみならず、保護者の方も、幼児の発見や驚きにもっと耳や心を傾けて、幼児の感動を感じて欲しいと考えた。
 そこで、土作りから世話、収穫まで親子で行いながら、年長児は、米・さつまいも・ひまわり・夏野菜、年中児は、ミニトマトを育てる中で、発見・疑問・喜びなど様々な思いを、栽培ノート「おやこすくすく日記」に書いてもらった。すると、「黄色のお花が咲いたから、黄色のトマトができるかな?」「ナスの花は、どうして下を向いて咲くのかな?」などの幼児の言葉や、保護者の方も発見や驚きを感じたり、子どもの発見やつぶやきを受け止めようとしたりする姿がたくさん見られた。そのことは、幼児が更なる好奇心や探究心を膨らませることにつながったと思われる。
◆評価されたポイント
 自然とかかわる子どもたちの姿を細やかに捉え、丁寧に記録されています。そのため、子どもたちの経験していることや成長を把握することに結びついています。また、子どもと共に保護者も様々な体験を共有することで、自然への興味・関心が高まり子ども同様に感動体験をしたり子どもたちの成長を実感したりすることにもつながっています。
刈谷市立住吉幼稚園(愛知県刈谷市)
「見て、触って、やってみて、不思議を体験」
 −好奇心・探求心をもつための環境や援助を追究する−
 「科学する心」を『好奇心や探究心をもち自分なりに考えながら活動している意欲・態度』と捉えた。子どもたちにとって身の回りの出来事や身近な動植物との触れ合い・友達や教師と遊ぶ中で、驚きや感動や不思議な場面を体験することが大切である。それには、教師が子どもの「不思議」と思ったことにゆさぶりをかけることによって、子どもたちが好奇心を持ち、発見したり自分なりに工夫したり考えたりする態度を身につけ、「分かった」喜び、楽しさを味わい「科学する心」が育っていくのではないかと考え研究を進めた。
 継続して研究を重ねてきた結果、少しずつ分かってきた「科学する心」が育つしくみを基に3歳児では、砂遊び・4歳児では昆虫に触れる・5歳児では、トウモロコシやエダマメを育てる実践を通して、好奇心・探求心を持つための教師の援助や環境構成について検証した。また、栽培物の水かけ・シャボン玉遊びの実践を通して、各学年の実態から何を学んでいるのかなど、科学する心の育つ道すじを考察し、まとめた。
◆評価されたポイント
 日常の園生活の中で、子どもたちが主体的に身近な環境にかかわる取り組みに着目して、どのように育っていくか細やかに子どもたちの姿や成長を捉えています。また、3歳から5歳までの3年間の育つ過程が分かる実践も取り上げられています。子どもの姿や保育者のかかわり、環境を丁寧に記録して考察することの大切さが伝わります。
刈谷市立かりがね保育園(愛知県刈谷市)
「豊かな感性と創造性の芽生えを育む」
−花や野菜や果物を見たり触れたり育てたりする中で−
 私たちは、花や野菜や果物などを見たり触れたり育てたりする中で『どうなるのかな』『こうしてみようよ』『きっとこうなるよ』『やっぱりこうだったね』『咲いたよ』『実がなったよ』などと、よく見たり、感動したり、考えたり、期待したり、調べたりすることができるような豊かな体験や経験を、子どもたちと一緒にしてきた。
 4歳児がヒマワリの苗を地域の方からもらい大切に育てる中で、年長児に苗を踏まれたり、台風で茎が折れたりというアクシデントを、子どもたちと保育者がアイデアを出し合いながら乗り越え、開花の感動を味わうことができた。また、5歳児がおにぎりパーティーをすることを願いながら園内に田んぼを作り、種から米を育て、自分たちで稲刈りや脱穀をしたことで、長い時間をかけて親しみをもって世話をすることができた。
 こうした4歳児や5歳児の植物を育て世話をする姿や、花や野菜、果物の生長や開花を、年下の子どもたちも見ることができる環境にあることで、5歳児の育てたスイカの生長に1歳児が気付き、ほおずりしたり、2歳児がおじぎ草に触って驚いたりなど、全園の子どもたちが五感を通していろいろな刺激を受けることができた。作物を育てる過程の中では、先生、友達、親、地域の方、調理員など、身近な人々とかかわったり、手助けしてもらったりすることで、ものを大切にすることや、感謝の気持ちをもつことにもつながった。
◆評価されたポイント
 栽培活動を通して、子どもたちや保育者が多くのことを学んでいることが伝わってきます。子どもたちの植物への思いや気付きをよく捉えたエピソードにより、子どもたちの心の育ちが分かります。そのため、0歳から5歳までの発達の過程が見えてきます。
神戸市立小束山幼稚園(兵庫県神戸市)
表現活動を通して科学する心を育もう
 本園では生活に即した環境を通して豊かな感性を育むことをねらいとし、野菜の栽培活動を行っている。幼児は、その中で得た感動体験を自分なりに表現し、教師や友達に受け止められる経験をすることで自己充実感を得ると考え、表現活動を充実させる保育内容を進めてきた。そこで今年度は表現活動を3つの視点(身体表現、造形表現、音・歌作り)から捉え研究を深めた。
 トウモロコシの栽培では、茎に現れた突起物が伸びて、やがて土に突き刺さっていったことに驚いた。「これ、何?」「どうなるの?」などの疑問に身体表現を通して教師や友達とイメージを共有し、かかわったり、一緒に考えたりすることができた。友達と一緒にトウモロコシの根っこになることで、心を動かし友達の感情にも気付いた。その中で根っこの面白さ、不思議さ、力強さを身体で感じ取り、命の大切さを学ぶことができた。
 なりきるからこそ動植物のことを自分のこととして捉え、「嬉しい、気持ちがいい、楽しい、くやしい、悲しい」といった感情が生まれる。この経験の積み重ねが思いやりの気持ちを育み、人や動植物にかかわる力になっていくのである。そして幼児は動植物に心を寄せ自分のもっているイメージをいろいろな方法で表現して確かめることで、その特性や特徴に気付いたり、疑問に思って探求しようとしたりする。科学する心は思いやりの心や表現を豊かに楽しむ心が基礎となって育まれていくのである。
◆評価されたポイント
 栽培の経験から、更に表現活動をダイナミックに展開することで、観察や探究、思いやりの心が育まれていることが分かります。そして、自然との出会いを豊かな表現活動によって更に深めることにより、偶然見つけたトウモロコシの種も育ててみようという気持ちをもったり、しっかり根を張っていたトウモロコシが抜かれるときの気持ちになってみたりすることが、自然に引き出されて新たな展開にも結びついています。
学校法人あけぼの学院 立花愛の園幼稚園(兵庫県尼崎市)
言葉で広がり深まる科学する心  ―3歳児から5歳児への言葉の発達を捉えて―
 取り組んでいる畑・田んぼ活動による「科学する心」の育成に、豊かな「言葉」の育ちが必要不可欠であるという考えに及んだ。すなわち科学する心の育成には、栽培に取り組む中で、疑問や発見、感動などの言葉による伝え合いと響き合いがとても大切である。
 よって幼稚園では、3歳児、4歳児の言葉の育ちが5歳児の豊かな伝え合いのベースになると捉らえた。この観点で検証すると、3歳児では主に「感触」「感覚」体験、4歳児では主に仲間との葛藤体験と仲間との「イメージ」の共有体験が、伝え合いや響き合いという意味で大切であることが明らかになった。それらが、5歳児での思いや考えを言葉により表し、親密なコミュニケーションにより豊かな科学する心を育てることができるのではないか。また、感動を伴う言葉の育ちは、友達同士で困難を乗り越えたり、やり遂げたりする充実感だけではなく、認め合いを促し自己有能感の獲得にもつながるのではないか。これらのことが考えられた。異年齢での苗植えや収穫、収穫した野菜の調理体験等が、「あこがれのモデル」として、子どもの発達の見通しと連続性をもたらすことも判明した。
◆評価されたポイント
 「言葉の働き」の視点から科学する心に迫る独自性のある取り組みがされています。視点を絞り子どもの言葉を分析することで、変容や発達的な内容について丁寧に考察されています。
 また、異年齢の子ども同士のかかわりの大切さが分かる事例により、発達の過程や保育のあり方に迫る捉えに結びついています。
学校法人水谷学園 北陵幼稚園(島根県簸川郡)
身の回りの事象をより興味をもって見たり、触れたり、考えたりしながら命の大切さに気づき、命を大切にしていく子どもを育てる
 『命』を大切にする教育を行うことが、『科学する心』を育てることにつながると考えた。
 野菜の切れ端を育て始めた子どもたち。バナナやりんご、セロリに生姜など、絶対に芽が出ないだろうと思えるものまでも子どもたちは集めた。案の定バナナやりんごは日々弱り、腐り始めた。「これは土に返すと、土の中の虫や土が喜ぶから土に返そう」とA児が提案した。痛んだ野菜は次々土に返していった。ところがネギや人参、大根は、土に返すと再び元気を取り戻し始めた。N児「人参は土に返すと実は小さくなっているけど、上には伸びて花が咲いた!」A児「腐っても土の中で生きていることだよ」「強い心をもっているんだよ」葉ネギは子どもたちがメリケン粉団子を作って薬味にしていただいた。大根は筋を残して後はすべてなくなっていることに驚きを隠せない子どもたち。掘り起こすことに躊躇したが子どもたちの不思議との出会いに待ったはかけられなかった。根気よく取り組んだ子どもたちの心に科学する心が確実に育ってきていると感じることができた。子どもの命が躍動していることが「科学する心育て」につながるのではないだろうか。

「生き返った!命があるよ!」

「わ〜筋だけだ!
  土の栄養になってる!」

「大きくなったね
  お水だけだよ!」
◆評価されたポイント
 身近な野菜とかかわる中で起こった出来事や「風」「石」などどこにでもあるようなものとのかかわりにより、子どもたちが心を動かし、豊かな経験が生まれています。子どもらしい発想や疑問、気付きや探究により、生命を感じ、命あるものとのつながりを感じています。日常の生活の中で、「科学する心」が育まれるような「命」を感じる体験を大切にしていることが分かります。
出雲市立稗原幼稚園(島根県出雲市)
「心を動かし、自分の思いを表現する幼児の育成」
〜「あれ?」「どうして?」と、自然の不思議さに気づく心を大切にしながら〜
 幼児期には、感覚を通して自然に直接的、具体的にかかわり(見る・触れる)、心を動かす(感じる・気づくなど)経験をすることが大切であり、そうした心情や行動を育てることが「科学する心のめばえ」につながると捉えた。今年度は、発達や年齢に応じて幼児の思いや願いを探りながら保育を構想し、環境の構成や援助について考えた。特に自然とのかかわり方を「遊び」「栽培」「食」「自然体験」の視点で捉え直し、見る・触れる・聴く・匂う・味わうなどの感覚を通した直接体験を重視した。
  • 幼児の「あれ?」「どうして?」「おもしろい」「不思議だな」と心を揺さぶるまでの心情的、環境的な援助
  • 何に困ったり悩んだりしているのか、つまらなさを感じているのかを、幼児の言葉、しぐさ、表情などからの読み取り(困り感・つまらなさ感・悩み等)と、援助へのつなげ方
  • 一緒に考え、悩み、喜ぶことのできる教師や友達の存在
  • 一人一人の気づきや思いを大切に受け止め認めあえる話し合いの場や、友達とのつながり
などが、幼児の好奇心や追求心を育てる力となることを確信した。感覚を通した体験は話題となり、家庭や地域へと広がった。
◆評価されたポイント
 子どもたちが興味をもったことへの継続的なかかわりを大事にしています。そのため、子どもの素朴な発見や驚きを捉え、子どもに添って活動が展開するような援助がされています。また、目指す幼児像や具体的な体験を共通に理解して、地域の素材を活かしたり食育に結びついた展開をしたりするなど、無理なく体験の広がりや充実を図る工夫がされています。
社会福祉法人 なかの保育園(島根県出雲市)
「乳幼児期の科学する心の芽生えを培う
   どうして? 不思議だね。 やってみよう!」
〜自然体験から広がる好奇心がより豊かに育まれるための環境構成と援助
 今年度は、0歳児から5歳児までの「科学する心」を育むための取り組みを通して、一人ひとりの子どもを見つめ、それぞれの年齢の育ちに応じた環境構成や援助をどのように工夫していくか、職員同士共通理解して実践していった。
 0歳児は、安心して気持ちよく過ごすための環境を作っていくことが、豊かな心を育むための土台になると考え、取り組みを重ねてきた。1歳児は、生活やあそびの中で、自分でできるようになった喜びを感じたり、2歳児は、水や光の不思議さを感じて繰り返し遊ぶ姿があった。3歳児は、泥だんごを“とい”に転がすあそびから、どうするとよく転がるか自分なりに考えている姿があった。4歳児は、色水作りや染めるあそびを通して、色の変化や不思議さに気づき、意欲的に試そうとしていた。5歳児は、よく光る泥だんごや砂時計を作りたいという共通の目的を持って活動に取り組んでいた。
 子ども一人ひとりの目標に合わせ、発達課題に応じた活動ができるように援助していくことで、「できた!」という満足感、達成感を感じることができると実感している。
◆評価されたポイント
 水や土などの素材や活動する姿など、乳幼児期の子どもにふさわしい内容に着目してまとめられています。主題の捉えを具体的に示して環境や保育者のかかわりを考え、保育が展開されています。自然に遊びに取り入れられるように工夫されているので、子どもたちは、0歳児から5歳児までそれぞれの年齢の特徴にあった体験をしています。
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