公益財団法人 ソニー教育財団
科学する心を育てる ソニー幼児教育支援プログラム

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論文募集

2006年度(平成18年度) 優良プロジェクト園論文概要

  • 品川区立南大井保育園
感覚教育における、幼児期の科学する心の育成
〜「豆移し」からの保育展開〜
 幼児期における科学する心とは『基礎となる様々な概念や価値観・人生観・創造力・規範意識を多様な環境や豊かな生活経験を通して楽しみながら“考え、学ぶ”事である。』と捉え、それを土台に、今回は系統立て実践している感覚教育の中から「豆移し」に焦点を当て、子どもの興味関心や気付きを手がかりに主題に迫る保育展開をした。

〜手先のあそびから食育・自然教育・環境教育・全身運動へ〜
豆移し→豆移し競争→豆を食べる→豆を育てる→染物をする→縄跳びの縄を編む

この保育実践の中で、
  1. 子ども自身が様々な事に好奇心(不思議!なぜ?)を持つことで
  2. 自らが調べ学ぶ事により基礎的概念形成の契機となること
  3. 集団の中で意欲・喜び・悔しさなどの豊かな感情体験をすることで
  4. 感動・思いやり・励ましを通したコミニケーション力が向上すること
  5. 自己決定・自己コントロール・規範意識など主体性の育ちにつながること
が確認できた。また実践の中で人的・物的環境の重要性も再認識する事が出来た。
◆評価されたポイント
 豆移しで深まった興味や知識が生きて発展し、食べ物や染めものなど様々な経験を通して、子どもたちが気付きを深め、日々の生活にも結びつけられるような工夫がみられます。子どもたちが、豆の形で名前が分かったり、遊びの中で使う豆を特徴で選んだり、豆の形(平ら、丸い)大きさなどの違いに気付き自分のかかわり方を工夫する姿など、ものの特徴を感じて、自分のかかわり方に気付くという「科学する心」が育まれていることが伝わります。
  • 品川区立中延保育園
アロマの香る保育園・ハーブの育成
 保育活動や保育環境にアロマの香りやハーブの育成・活用を 取り入れ、子どもの不思議・驚き・感動等の気持や気付きを科学する心の育ちに繋げている。
アロマの香りの活用では、保育室にアロマの香りが漂う時、子どもも大人もホッとする一時が生まれる。香りを保育環境に取り入れ、保育効果をより高める活用として 集中する・リラックス・リフレッシュ、 および消臭・抗菌・浄化に活用している。
ハーブの育成では、アロマの香りがどのようなハーブからできるのか興味をもち、種や苗をプランターや花壇に植え、その育成状況を観察・記録している。子どもの多様な観察力から色々な気付きがあり、成長の早いものや遅いもの、一向に芽を出さない種等「なぜ、どうして」と植物や自然への不思議が生まれている。子どもの発想や工夫を次の活動に活かし、植物の育成への期待を育てている。
ハーブの活用では、子どもが育成したハーブを収穫し、保育教材・クッキング保育に活用している。18年度は ハーブ入り石鹸作り、染めもの(のれん作り)、他の製作(うちわ・紙粘土) および ハーブ入りクッキー・ハーブティである。香り・色の変化に気付き、次の活用の工夫が生まれている。保育園で使用する石鹸は子どもたちが作った石鹸を活用している。
◆評価されたポイント
 自然が少ない都心において、長時間を保育園で過ごす子どもたちが、落ち着きや集中した時間を持つように導入されている「アロマテラピー」と「ハーブの育成」を「科学する心」の視点でとらえたユニークな保育が特徴です。幼児の日常生活ではあまり身近でない教材を、子どもたちの状態に合わせて製作や栽培活動の中に取り入れ、さらに様々な不思議や発見を体験したり、工夫して活動したりする姿に結びつきました。
  • 野外保育 森の子
野外で過ごす日々の中で科学する心を育む−自然は未知の宝庫
 野外保育森の子は自然の中で子どもたちを存分に遊ばせたいと願う母親たちによって作られた。園舎はなく、林の中の拠点を中心にして日々の保育を行っている。長時間野外で過ごすので、子どもたちは自然の中で様々な発見をする。セミの羽化を何度も見つけたり、動物の足跡や糞を見つけたりする。また遊びの中から色々な花を集めたり、おとしぶみやセミの抜け殻、木の実などを集めてくる。また、野外で生活する中で根っこを掘り起こしたりコンポストトイレの掃除をしたりする。雨の日も野外で過ごす。こうした園生活の中で子どもたちは自然の営みや美しさ、厳しさを五感で感じ取っていく。自然は子どもたちにとってごく身近なものであり、興味の尽きないものでもある。保育者は園生活の中で子どもたちの発見を大切にし、時にはネイチャーゲームなども取り入れて自然の不思議に気付き、観察する心を養っていくように心がけている。そして自然の循環を学んだり、その恵みに感謝する気持ちも育んでいきたいと考えている。
◆評価されたポイント
 年間を通して毎日、自然と触れ合う中で、子どもたちが色・形・大きさ・匂いなど一つとして同じものがないような目の前の様々なものと出会い、変化を感じて経験を深めていることがよくわかります。地域の自然環境を有効に活用し、子どもの豊かな生活が、四季にわたって考えられています。
 また、保護者も一緒に保育に参加する意識を高める工夫があること、新しい幼児教育の方向性を模索されている点も特徴的でした。
  • 刈谷市立双葉幼稚園
心弾ませ、自ら考え創り出す楽しさを感じる子どもを求めて
 子どもたちは「やってみたい」「面白そう」と心を動かして取り組む遊びの中で、人やもの、出来事など様々なかかわりを通して、試行錯誤しながら自分なりに学んでいく。そして学んだことを次に生かそうとする。また、遊びは結果だけでなく動機や取り組みの過程そのものであり、子どもたちがどれだけ遊び込んでいるのかによって、学ぼうとしている心の芽の伸び方は変わってくる。
 今回、“創る遊び”をとおして研究を進めてきた中で、教師の受け止め方や共感などの温かい支援や子どもが心を動かす環境をどう構成し出会わせていくのかということが、子どもの好奇心や探求心を育むために大きく影響することが分かった。また、創り出す楽しさを体験していくことで『心を揺さぶりながら見立てを楽しむ3歳児』『様々な素材との出会いを通し自分で作る喜びや楽しさを味わう4歳児』『イメージの実現に向けて考えたり試したりしながら、創り上げていく達成感や満足感を味わい自信につなげていく5歳児』と、各学年の発達も捉えることができた。
◆評価されたポイント
 主題に迫るために、小麦粉が粘土になる素材の様子にも興味をもってかかわれるような教材の出し方(3歳児)、子どもがイメージしやすい製作活動の教材の工夫(4歳児)、経験を活かして様々に試せる環境(5歳児)など、子どもの実態や発達に応じた環境の工夫がされています。また、こうした環境で子どもたちが主体的に遊ぶ中での、保育者の指導や援助・子どもたちの経験の様子なども丁寧に押さえて、考察がされています。
  • 刈谷市立井ヶ谷幼稚園
ものや自然と関わる中で、幼児が感じたり考えたりする心を育む
−幼児が心を揺らして学べる、教師の援助や環境構成のあり方−
 幼児は「面白そう」「やっみたい」と興味関心をもつと動き出し、実際にやってみたり予想外だと「どうしてだろう?」「なぜ?」「不思議?」などと思いを、そこから「どうしよう?」「こうするとどうかな?」などと思いをめぐらしていくことで心を揺らしながら考える姿につながっていくと思われる。例えば、かたつむりを見ながら「何だか面白い動きだね」「触ってみたい」「あれなかなか出てこない」「何でかな?」「そうか、今お昼寝中だね」と自分に置き換えながら、かたつむりの動きの意味を考えている。また、予想外にうんちをした、かたつむりをみると驚いたり「人間と同じなんだね」「うんちだらけの家は汚いね」「かたつむりも気持ち悪いかな」と実際に見たり触れたりしながら、思いをめぐらし感じたり考えたりしながら、心を揺れ動かしている様子が伺える。幼児の感じたり考えたりしていることを捉えて、教師が言葉に出すことで幼児は確信したり、実際にやれる環境を保障することで、うまくいったり、いかなかったりして、何度も心を揺れ動かしたりして、これらの過程の中に幼児の学びの姿「科学する心」が育まれているのだと思う。
◆評価されたポイント
 日常生活の中にある幼児なりの発見や気づきを捉え、きめ細かく教師がかかわり、子どもの思いに添った働きかけが丁寧にされ、「科学する心」を育むことにつながっていることが特徴的です。一つひとつの事例について、幼児理解に基づいて3歳、4歳、5歳と見通しをもって保育が展開されており、例えば、4歳児では、繰り返しや試しの場面があり、教師とのやりとり、友だちとのやりとりを通して、自分の中に相手のことば・動きを取り入れ環境とのかかわりを深めるなど、「科学する心」につながるような保育の工夫がされています。
  • 名古屋市立第二幼稚園
「相手の立場になって考える幼児」を育てる
−身近な生き物に親しみ、命の大切さに気付く−
 心から命を大切にする幼児を育てるために、教師は『自分がしたことを感じさせ』、『相手の立場になったつもりで想像させる』視点をもって幼児にかかわった。
 死に対して、興味本位だった4歳児も、教師や友達と一緒に白い綿のようなものを出して水の中に浮いているカメをまのあたりにすると、はっとした表情になり、自分がしたことを振り返ってカメが死んだ原因を考えていた。友達から「このカメ、兄弟だよ」と聞くと、自分と重ね合わせて想像し、どうかかわったらよいかと考えていた。そして、「そっと持つ」と気付いたことを教師に認められたり、我慢して触らないことを分かってもらえたりしたうれしさを体験すると、「悪いことをした」とカメの立場になって「これからは優しく触ろう」と気遣っていた。失敗に気付き、分かっていく体験が学びにつながり、体験が重なるほど豊かな学びとなった。
 “原因を探り、自分にも相手にもよい解決方法を見つける”― 科学する行動パターンーが身に付くと、幼児たちの「科学する心」は、いつのまにかに育くまれていた。
◆評価されたポイント
 「科学する心を育てる」という主題に迫るために、「相手の立場になって考える幼児を育てる」という視点から迫り、心情的な面に着目して実践を重ねられた点が特徴的です。
 そのために、主題に迫る子どもの経験や成長を明確にし、そこで押さえられたキーワードに沿って、事例を分かりやすくまとめています。生き物や人とのかかわりを通して、子どもたちが「命」を感じたり大切に思ったりする心情的な変容が、丁寧に捉えられています。
  • 岡崎市矢作西保育園
「身近にある自然の恵みを生かし、耕す・育てる・収穫する・食べることで、子どもと自然とを結ぶ取り組み」〜本物を育てる〜
 本園は、隣接した畑で地域の方の協力を得て、一年中いろいろな作物を収穫することができる。また、豊かな自然も残っており、直接体験できる環境にある。
 散歩に行き、れんげが食べられることを知り、他にも食べられる野草は何があるのかを調べ、探して天ぷらにし、「甘い」「苦い」「おいしい」など味の違いにも気づくことができた。そして、天ぷらにして食べる経験をしたことで、油に興味を持ち、菜種とりに発展させることができた。菜種が油になることを知り、「菜の花ってすごい!」などと植物への関心も広がっていった。梅干し作りでは、しそを梅酢で漬けると紫色から赤色に変化する様子を実際に見て、不思議に思ったり、青梅が赤く染まることを感動することができ、食材を旬の時期に旬で味わう本物のおいしさを味わうこともできた。
 子どもたちは、直接体験をする中で心を動かし、物事を敏感にとらえ、アンテナを働かせ、五感を使い、自然の恵みや命の大切さに気づき、好奇心や探求心が深まっていき、科学する心を育てることへとつながった。
◆評価されたポイント
 身近にある豊かな自然環境と、地域の人や保護者の知恵と協力が活かされている「植物と食を結びつけた実践」から、先生方が子どもの姿を丁寧に捉えている様子が伝わります。また様々な野菜を栽培することで、子どもが植物の成長に自然と関心を持つように、環境が工夫されています。そして、日本の昔からの食文化に触れながら「梅干しづくり」や「野草のてんぷら」などに着目した「食育活動」が展開されています。梅干しづくりでは、実際に子どもがしそもみから体験したことによって「ふりかけづくり」という発想へと発展しました。
  • 学校法人西学園みどり丘幼稚園
ホントに!あるのかな?「イモリの天気予報士」
○園を囲む自然の中から、子ども達は、色々な物を発見し、触れ、集めてくる。動・植物が身近なことで、その方に集まっていた関心から、大きく捉えようの難しい季節・気象へと関心をむけようとしていること。
○「ふくろうの森(遊びの林)での遊びの展開」藁葺小屋の修復・ロープ遊びの研究、種子の生長の観察など 関心を深めようとしていること。

 梅雨時に“イモリ”大発生!!子ども達は、「夜は寝るの?」「どうして身体がヌルヌルするの?」餌の種類・与え方・・・などイモリについて色々と調べ始めた。するとイモリが天気予報をする習性をもつことがわかり、自分達が毎日行っている天気調べと重なった。「自分達の調べたものとどれだけ一致するか?」「本当にイモリは天気を当てられるのか?」と、次々と疑問を解決することで、新しい知識を養う喜びを感じているのだと思う。その過程で自ら行動する自立心が芽生え、常に天候の変化に敏感になり、友達と協力して物事を進める力も身についてきた。そして生き物をお世話することで命の大切さ、イモリの数を数えることで数にも興味を示している。子ども達の深く広がる新たな不思議がわいてくるよう、取り組んでいきたいと思う。
◆評価されたポイント
 子どもたちが森や池など、園内の特徴的な環境に興味をもってかかわる、豊かな経験を大切にしています。また、いつでもどこでも戸外で感じることのできる空や雲などの自然環境に興味をもって感じたり気付いたりしている姿や、興味深い生き物の「イモリ」の様子に興味をもってかかわることでそこからまた天気など自然にも興味を広げ不思議を感じてイメージを広げる子どもの姿など、幼児なりの気付きや考えを捉えて主題に迫っています。
  • 常磐会短期大学付属泉丘幼稚園
散歩しを通して科学する心の芽生えを育む 
出会い・ふれあい・育ちあいの中で
 “認定こども園”に向け“総合施設”として幼稚園に保育所の機能を加え、0歳から就学前までの子どもに一貫した教育、保育、そして様々な子育て支援を行う中、自然に恵まれた幼稚園の周辺へ散歩に出かけ、“科学する心”の育ちを探った。
 年長児は、散歩の中で「この草は何ていう名前?」「この虫の名前は?」と疑問をもち、図鑑で調べ、知ることの喜びを感じ、生活や遊びの中で自ら図鑑を活用するようになった。また、散歩の中で見つけたカラスノエンドウやニセアカシアの葉を鳴らす遊びは、どのようにしたらうまく鳴らすことができるのか探りながら、保護者や異年齢の子どもたちに様々なかたちで広がっていった。公園のシーソー遊びでも、各々の年齢による“科学する心”を見ることができた。
 散歩という開放された環境の下で、五感をフルに使って感じ取り生まれた遊びが、“出会い・ふれあい・育ちあい”の穏やかで安定した人と人のかかわりを通して、ほんわかと芽生えた“科学する心”を見ることができた。
◆評価されたポイント
 地域の豊かな自然環境を生かした園独自の「散歩」の活動に着目し、子どもたちが自然に親しんだり新たな発見や挑戦をしたりする実践が重ねられています。草花など身近に感じる自然物とのかかわり、葉や茎で笛にして遊ぶ挑戦、シーソーで友達と一緒に目的をもって挑戦したり自分なりの考えで繰り返したりする遊びを通して、主題に迫っています。異年齢の幼児のかかわりや保護者のかかわりなど、人とのかかわりを相互の立場で考察され、人とのかかわりの大切さも視点にされています。
  • 神戸市立奥の池幼稚園
いのち・ふしぎ・ときめきの豊かな心づくり
 本園では幼児たちが毎日の様々な動植物の世話や近隣の小、中学校と連携、4、5歳児のかかわりなど年間を通して、その生き様に触れ、心をときめかし、相手を思いやる豊かな感性を育てていこうと子どもの発想、疑問、つぶやきなどを細やかに捉え、実践を積み重ねてきた。
 ダイコンの栽培で例年にない晴天続きの中、ダイコンが枯れる経験をした時、降り出した雨を見て「ダイコンは雨の水が好きなんだよね」と雨水を集めだした幼児たち。ダイコンにあげる大切な水をいろいろな容器に集める遊びとなり、水の多さを知るために試行錯誤したり、自分たちよりずっと大きい中学生とのかかわりの中で気付いたことを確かめたりする姿から他者に対する思いやりや愛情が「科学する心」の芽生えにつながっていると感じた。
 教師が幼児の心に寄り添い、幼児の気付き、言葉、発見、試しを敏感に捉える。幼児がイメージを獲得していく過程で対象とどう出会わせるか。捉えた幼児の姿から、環境を見直していった。幼児が「育てる」「つくる」「試す」等の活動を通して、いのちの不思議に感動し、心ときめかして遊ぶ姿に教師も感動を覚えた。こうした日々の営みが幼児の科学する心を育んでいく支援となった。
◆評価されたポイント
 主題に迫るために、子どもたちの言葉や気付き、興味や心の動きを丁寧に捉えて考察されています。特徴的な取り組みとなった「大根を育てる」活動に着目し、種との出会い、育ちへの疑問、収穫の喜びなど、折々の経験が子どもたちの姿とともに分かりやすく示されています。また、中学生との交流を通して、自分たちの成長や、人としての成長にも興味をもったり幼児なりに感じたりすることの大切さが示されています。こうした事例から、長期的に繰り返しかかわることで、子どもたちに科学する心が育まれることの大切さが、伝わってきます。
  • 出雲市立乙立幼稚園
科学する心を育む遊びの創造
〜日常の遊びや生活に発展する地域素材を生かした活動の工夫〜
 日常の遊びの中で、五感をはたらかせて「ふしぎ」に気づいたり、「やってみたい」ことを見つけたりしながら、目的をもって考えながら取り組む活動を工夫している。その中で見つけたよろこび・わかったよろこび・できたよろこびを味わい、「ふしぎ」を更に強く意識していくようになると考える。今年度は園・家のまわりにある竹に着目して研究を進めた。子どもたちの活動の拠点である「もりもりランド」に行く途中にも大きな竹藪がある。竹の子の生長を観察したり、竹の種類を調べたり、竹を使った楽器づくりや舟づくりなどさまざまな活動に意欲的に挑戦していった。特に笹まきづくり体験から発展した笹舟作りでは根気強く取り組み、流れの段差があるところでも、壊れない強いかっこいい舟を作ろうという目的を持って取り組んだ。工夫したり試したり、繰り返し行い、自分のイメージしている舟に近づいていく過程で、ふしぎや喜びを感じる姿に、科学する心が育まれていることを実感した。
◆評価されたポイント
 身近に自然の体験をより豊かにできるように、地域の特徴的な自然環境を見直し、実践を重ねられています。特に、地域の特徴的な素材として「竹」に着目して教材研究を深め、活動や経験を細やかに分析して主題に迫る取り組みの構想をもって進められています。 そのため、事例で経験されていることは主題に迫るという位置づけが分かりやすく、経験の積み重ねとして、捉えることができます。
 また、「竹」に着目しても、興味の広がりや様々な気付きが捉えられ、主題に迫る豊かな経験に結びついていることが分かります。
  • 社会福祉法人なかの保育園
どうして?不思議だね。やってみよう!心をゆさぶる感動体験 子どもたちが好奇心、創造力を伸ばし、自分なりに考え挑戦する心を育むための保育の取り組みと保育者の支援
 日々の生活の中で、様々なものや自然環境とのかかわりを通して、子どもたちは「なぜ?」「どうして?」という発見や驚きを繰り返してきた。3歳児は、草花での色水あそびをしながら水の力や色の変化の不思議を感じていた。4歳児は、蚕と青虫、同時に二種類の生き物を飼育することで、色や形、成長過程の違いに気付き、たくさんの不思議を感じていた。また、卵の誕生や変化と同時に蚕蛾の死にも触れ、その体験の中から生命のつながりを知ることも経験した。5歳児は、よく進む船を作るために試したり工夫したりしながら、好奇心や探究心をもって意欲的に取り組んでいる姿が捉えられた。
 子どもの科学する心にどのタイミングでどのように保育者が働きかけをし、ゆさぶりをかけるかということに重点をおいた。保育者自身が、子どもの発見に気付く目を持ち、子どもの心に添う中で、その時々に合った素材や環境を考え、工夫する姿勢を持つことの大切さを感じた。子どもたちが不思議に思うことから展開する遊びが「やってみたい」という意欲を育て、創造力を広げたり「もっと知りたい」と試行錯誤を繰り返しながら試し、挑戦する中でたくましい心が育つことを実感している。
◆評価されたポイント
 身近な活動の中での子どもの「科学する心」が育っていくことを表している事例が年齢ごとに記述されています。保育者が幼児の環境とのかかわりに着目し、子どもの気づきに添った働きかけをすることにより関心をもち、ひき出された子どものことばが丁寧に実践記録に押さえられています。このような丁寧な記録を通して振り返りながら実践することで「科学する心」育ちの捉えにつながっています。
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