散歩に出掛ける前に、全員がそろうまで、エントランス付近で待っている時、保育者がプランターのオジギソウに触って、抱っこしている子どもに葉が閉じる様子を見せていた。「ほら、こんにちはってするでしょ」と笑いかけると、子どもはじっと葉っぱを見つめては保育者の顔をのぞき、また葉っぱを見ることを繰り返していた。しばらくすると自分の手を伸ばしてまるまった手のままオジギソウを触り「あー、あー」と保育者に『何かおもしろいな』と言うかのように声をあげては何度も触ったり、笑ったり保育者を見たりを繰り返した。
0歳児は模倣が好きで、この頃は保育者のやっていることを何でもまねしようとし、自分でやってみたい時期である。まだ分からないだろうと思わずに、保育者が園内の身近な草花や野菜などを意識して「きれいだね」「おいしそうだね」などの声をかけたり、触ったりしていくことで、まねしたり、触ったりなど自ら気持ちや体を動かそうとする姿につながるのだと思う。
オジギソウのプランターの前に座り込んでいるA子が、「先生、来て!消えるよ」と言い、手招きした。「えっ、何かが消えちゃったの?」と急いで駆け寄ると、「はっぱが、消えちゃったよ」と、オジギソウに触って見せる。「ほらねー」と保育者を見て笑う。「ほんとだ!おもしろいね、消えちゃうね」と、A子の言葉をまねして言った。「これね、オジギソウって言うんだよ」と続けて名前を知らせると、「ふーん・・・オジギソウ、ぜーんぶ消えた!」とプランターのオジギソウをすべて閉じさせて満足そうに笑った。
2歳児になってくると、見たことや思ったことを少しずつではあるが、自分なりの表現の仕方で表せるようになってくる。A子にとって、オジギソウの葉っぱが触ると閉じてしまう動きは、消えてしまう、なくなってしまう、というふうに見えたのだろう。子どもにとっては不思議なマジックのようにも感じられるのかもしれない。その子なりの表現を大事にしてあげたいと感じた。小さい年齢でも、感じる力、表現する力の芽生えが着実に感じられた。このような発見や表現を保育者が見逃さないようにしていきたいと痛感した。
まだ葉の動きに不思議を感じたり興味をもったりしていない0歳児は、保育者の模倣で自分からかかわりを楽しんでいます。オジギソウの葉に触ると変化することに興味をもった2歳児は、葉の閉じる様子を「消える」と表現し、その発見を保育者に伝えています。保育者はその「消えちゃう」という表現をそのまま受け止め、その様子に心誘われる思いを「おもしろいね」という言葉にして共感し寄り添っています。そこで保育者の言葉から「オジギソウ」という言葉を分かって使い、「ぜーんぶ消えた!」という自分のしたことと、その満足感を表すことにつながりました。
