ソニー幼児教育支援プログラム > 「科学する心を育てる」実践事例集vol.2

5. 子どもの「4つのするどさ」と教師の「3つのするどさ」
北八下幼稚園(大阪府堺市)

昨年度の主題
 「都会の中での生の自然体験から科学が好きな子どもを育てる」のテーマを設定し、「子どもと教師のするど さの磨き合いをもとに」のサブテーマのもと、大泉緑地の自然を活用した「都会の中での生の自然体験」から、 子どもの育ちをより焦点化するために、「子どもの4つのするどさ」(心・美のするどさ・考えるするどさ・表現す るするどさ・人とかかわるするどさ)と「教師の3つのするどさ」(受信するするどさ・理解するするどさ・感動を 返すするどさ)の磨き合いを重視し、研究を進めた。感動体験を通したその磨き合いにより、子どもが自然を 好きになり、命のあるものを大切に思う心が育ち、科学することが好きな子どもが育つと考えている.

実践の中で明らかになってきたこと


 幼児期には、直接的・具体的に環境と関わることによっ て自分の思いを出し、興味や欲求を満足させながら課題 を見いだし、それを乗り越えることで充実感や満足感を 味わい、自己実現を図ることが重要であると考えている。 しかし、実際にはそれが難しい社会の情勢がある。
 そこで私たちは、大泉緑地の自然の中で、直接自分の 感覚を通してその美しさ、不思議さに感動し、その感動や 喜びを友達と共有または分有しながら、感性をお互いに 磨き合う事を大切にしたいと考えている。
 また、教師も幼児の見える部分だけでなく、心の揺れ動 きなどの見えにくい育ちを受け止め、幼児の思いに適切 に対応できる援助のあり方を工夫していきたいと考えて いる。そのために大切なことは、同一体験者として幼児の 思いを受信し、理解し、感動を返していく教師のするどさ を磨いていくことだと考えている。
《子どもの「4つのするどさ」と教師の「3つのするどさ」の
考え方》

今年度の指導計画
 
1期
(4〜5月)


春の暖かな自然の中で開放感・安心感などが味わえる場の利用
草花や小さな虫と関わる活動から自然と関わる楽しさを感じる
園内でも春の草花や虫に身近に関われるような工夫

2期
(6〜7月)

梅雨や夏の特徴的な自然に触れられるような活動の工夫
小動物や水と関わる遊び、親子の一体感が味わえる活動の工夫
大泉緑地で採取してきた生き物の飼育

3期
(9〜10月)
空の美しさや風のさわやかさなど秋の気持ちよさが感じ取れる
場やドングリなど秋の実りに触れられる場の利用
秋の虫と関わる活動 大泉緑地で採集してきた
虫の飼育や園内で虫取りのできる場の工夫
4期
(11〜12月)
秋から冬への自然の移ろいの美しさを十分に感じ、
自然の中で子どもたちが様々な遊びが工夫できる場の利用
継続的な活動 大泉緑地で採取してきた
自然物を使った園内活動の工夫
5期
(1〜3月)
冬の静かな大泉緑地が感じ取れる場の利用
動植物の冬越しへの興味関心を刺激するような活動の工夫
春への期待感が膨らむような自然との出会いの工夫

● ポ イ ン ト ●
 「科学する心を育てる」ために、子どもの中に「4つのするどさ」を育むことが大切であり、そのために保育者側の「3つ のするどさ」の支えが必要であると考えています。これらのことが進むためには、自然の中での子どもと保育者の同一体 験から、お互いの感性を磨きあうことが、両者の育ちにつながると捉えています。

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