ソニー幼児教育支援プログラム > 「科学する心を育てる」実践事例集vol.1


C−2.「おにいちゃん、おねえちゃんと一緒に遊ぼう」
八幡東幼稚園(福岡県北九州市)  <5歳児と小学校4年生 4月〜7月>

1.ねらい
 幼児が自然に触れて生活するとき、その中での気付きや発見を伝えることができ、受け止め共感してくれる人が周りにいることで、より満足感や充実感を味わうことができる。また、年上の友達と一緒に活動することで様々な刺激を受け、「おもしろそうだな」「どうしてそうなるのかな」「私もやってみよう」と幼児の心が揺さぶられ、知的好奇心が高まっていく。そこで、園庭に沿った川を活用して、隣接する高見小学校の4年生との交流を継続的に行った。

2.昨年度の反省から
 昨年度、小学校のおにいちゃん、おねえちゃんと一緒に遊んだことは、幼児にとって気付きや発見などの多くの経験をさせることとなり、科学への楽しさを感じることとなった。今年度は、互いが自己発揮し、満足感を味わえるような活動を考えていくことが課題である。
 この課題を受けて、本年度は、交流しながら親しみを感じ自分の思いを出しながら活動できるように、初めからグループに分かれて活動してきた。そのため早い段階から、それぞれの性格や興味などがわかり活動しやすい雰囲気になっている。また、4年生からしてもらうばかりでなく、刺激を受けながら、「不思議だなあ」と感じたり、自分たちで考えて、試してみようとしたりする心を育てていくようにした。

3.活動の様子
[ 一緒に川で遊ぶために ]
何をして遊ぼうかな
 川の様子を見ながら、「ここは魚がいるからつりが出来るね」「いかだを作って深いところで遊ぼう」などのイメージを膨らませている小学生のことばを聞いて、興味をもち、「どうやってつるのかな」「いかだは何で作るんだろう」と疑問をもっていた。幼児は、普段遊び慣れている川なので、「ここにはお魚がたくさんいるよ」「ここで舟を流して遊べるよ」と自分たちの経験したことを小学生に話しながら、川での遊びに期待をもっている。

教師の読み取り : 小学生からの刺激を受けて遊びへの期待が高まっている。



[ 遊びに必要な物を作ろう ]
おにいちゃんてすごいね
「大きないかだやね。早く、乗りたいな」 と遊びに期待を膨らませている。
「魚はにおいで寄ってくるんだよ」 とカレー粉、小麦粉を混ぜた餌を見て、「すごいねぇ」と感心している。

★小学生が実際に作っているのを見て、「すごいな」、「やってみたいな」「どんなふうにして作っているんだろう」と関心をもってじっと見ている。

教師の読み取り : 「自分たちも作ってみたいな」と意欲が増してきているな。どんな材料を準備しようかな。

[ 一緒に遊ぼう ]
川で遊ぼう

「わぁーいい気持ち。でも、少し恐いな」  幼児の気持ちに合わせて、ゆっくり動かしてくれている。 その後、流れの速いところで乗ると、「あれ、押さなくても動く」と気付いていた。
満足感 挑戦 試す 発見

「どんなところにお魚はいるかな」
「そっと見てみよう」

小学生のお姉ちゃんと一緒に魚を捕まえている。
考える 共感 試す

「何が見えるかな」とビニルシートを張ったところを除いている。

「あっ、見えた」「ぼくにもかわって」と次々に覗いている。

[ ぼくたちもやってみよう ]
「ガムテープをしっかり貼らんと、水が入って壊れるよ」と小学生との経験をしっかり覚えていて、活動に生かしている。
「水の中が見えるようにしたい」という思いから、 いかだの中に、透明のシートを貼ったり、ペットボトルを立て向きにつけ、中が覗けるようにした。
(小学生と一緒に)
幼児の思いを受けて、幼児の作った水の中を見る筒をいかだに取り付けてくれている。
教師の読み取り : 幼児は、自分たちのアイデアが生かされてうれしそうだ。 小学生からしてもらうだけでなく、自分たちの思いも生かして、応答関係が出来ているな。

[ 考察 ]
 幼児たちは、4年生たちと一緒に活動するとき、4年生の作ったものや活動している様子などを興味をもってじっと見ている。そして、「すごいなあ」と感動したり「どうしてそうなるのかな」と不思議に思ったりしている。そして次には、「ぼくもやりたいな」「あれ、うまくいかないなあ」「そうだ、こうしていたね」と自分なりに考えたり試したりするようになっていった。4年生との交流を継続することは、幼児の知的好奇心を刺激し、幼児の科学する心が育っていくだろうと考える。また、4年生にしてもらうだけでなく、刺激を受けて自分たちで考えたことを認めてもらったり、遊びの中に生かしたりしていく応答関係を育てていくことが大切である。そのことが、幼児の満足感を生み、「どうすればいいのかな」「またやってみよう」という更なる「科学する心」を育てていくのだと考える。今後は、川遊びだけでなく、繰り返し季節ごとの自然に触れる機会を捉えて、それを生かした遊びを、共に考えていきたい。


● ポ イ ン ト ●
 園庭に沿って流れている川、そして隣接する小学校との連携など、地域の特性を活かした活動が継続的に積み重ねられています。子どもたちは、小学4年生の作ったものや活動の様子に「すごい」と感動し、刺激を受け、今度は、自分でやってみようと試したりして、好奇心をふくらませていきます。

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