公益財団法人 ソニー教育財団
科学する心を育てる ソニー幼児教育支援プログラム

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論文募集

7月2日(土)“2010年度優秀園”である社会福祉法人芽豆羅の里 芽豆羅保育園に於いて、実践提案研究会を開催しました。宇佐市及び中津市の保育園・公立幼稚園16園から72名の先生方の参加があり、主題「科学する心を育てる」に迫る協議が行われました。


研究会概要

       
  1. 日  時: 2011年7月2日(土)17:00〜19:35
  2. 会  場: 社会福祉法人芽豆羅の里 芽豆羅保育園(大分県宇佐市)
  3. 主  題: 「科学する心を育てる」
          幼児の豊かな感性を育む体験〜生き物との出会いを通して〜
  4. 共  催: 公益財団法人 ソニー教育財団 
  5. 芽豆羅保育園 実践提案研究会 開催レポート
  6. 時  程:
    • 17:00〜17:05  開会
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    • 17:05〜17:25  実践提案発表
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    • 17:25〜17:30  質疑応答
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    • 17:30〜18:20  グループ協議(ワークショップ)
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    • 18:20〜18:40  グループ発表
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    • 18:40〜19:30  まとめと論文の書き方の説明
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    • 19:30〜19:35  閉会

  

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実践提案発表

芽豆羅保育園 実践提案研究会 開催レポート
芽豆羅保育園 実践提案研究会 開催レポート

芽豆羅保育園 佐竹優保育士がテーマ「生き生きとして驚きと感動を味わいながら科学する基礎を培う園児の保育」サブテーマ「〜自然・社会・生活にかかわる体験活動を通して〜」の実践報告を行った。

事例のメインであるアメリカザリガニの飼育観察を通して、子どもたちはザリガニ採り→ザリガニの死んだ原因の探求→死んだザリガニをどうするか→残った一匹の飼育・観察に全園児が参加→三度の脱皮の観察→お嫁さん捜しなどに取り組んだ。(現在も飼育・観察を継続中)
その中で、様々な問題や課題を解決するために※探求サイクルを繰り返し活用し、 経験を重ねることで自信を深め達成感、成功感・充実感を得て、たくましく生き生 きと生活を送っている園児たちの姿が確認できた。これらの体験活動は「科学する 心」の基礎を培うことに有効であることが明らかになった。

探求サイクル…芽豆羅保育園が考えている「科学する心」が育成されると期待できる幼児の気付きから探求の広がり・深まりをサイクルで表したもの。

    <質疑応答>
  • 子どもたちの細かく鋭い観察力に大変感動した。心の教育まで合わせた発表だった。
  • 4〜5歳児の体験する様子を見て、他のクラスの園児たちはどのような刺激を受けて いるか?
  • ザリガニの飼育に適した水温はどのくらいか…(15 ℃~25℃)
    ※質疑については、グループ協議の中でも答えていくようにした。
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グループ協議(ワークショップ)

芽豆羅保育園 実践提案研究会 開催レポート
芽豆羅保育園 実践提案研究会 開催レポート

本日の提案や具体事例「カエルとの出会い」を基に、8グループに分かれ、4項目「『科学する心』という言葉から想像する幼児の姿について」「子どもの育ち」「保育者のかかわり」「環境」の視点に沿ってワークショップ型の協議を行う。各自が読み取ったことを付箋紙に記入し、模造紙に貼っていく。
その後 互いに書いたものを見合ったり、出し合ったりしながら、考えを共有し、さらに、一人ひとりが自分の保育を振り返りながらの協議が熱心に行われた。(グループ協議から一部抜粋)

「科学する心」とは?
  • 「科学する心」とは、疑問・不思議に思ったことを知りたいと探求心を起こし、自ら行動することではないか。
  • 「科学する心」を育てるには、子どもが気付き環境とかかわり、十分に体験できることが必要である。そこで、子どもたちが協力して考え、行動することにより、子どもの思いやり、命の大切さ、共感する心などの育ちがあるのではないか。
  • 子どもたちが、興味・関心をもち試行錯誤していく過程で育つ心ではないか。
  • 子どもがもつ「なぜ?」という気持ちを深めていくことで「そうなんだ」という思いに変わり、様々な分野において探求心が増していくことではないか?
子どもの姿と育ち
  • カエルを育てる上で飼育の工夫について、どのようにしたらよいのか子ども同士で情報を出し、話し合ったり図鑑で調べたりしている。相手を思いやる気持ちや自分で挑戦しようとする気持ちの育ちが感じられる。
  • 自分たちで、カエルを飼うためにカエルの棲める場所を作ろうと試みたが、うまくいかないことから、自分の気持ち(逃がしたくない)よりカエルの為にどうしたらよいかを考えるように育っている。そして、一つの目的(生き物が生きるための場所を考える)に向かって友達と一緒に考え行動する力が感じられた。
  • 命の大切さに気付き、もっとザリガニの生態などを知らなければいけないことに気付き、情報を出し合い考え合って知る努力をしている、それが学びにも結びついている。
  • 生き物との出会いを通して子どもたちが感じていることを見逃さないように努めたい。提案事例では、ザリガニと出会い興味をもってかかわる姿から、脱皮に気付き命を大切に育てようとする心の育ちへと変化していく姿を捉えた保育をしている。
保育者のかかわり
  • 子どもたちの気付きを保育者が見逃してしまっているのではないか。その芽を摘んでしまわないように、子どもたちの姿を捉えていかねばならないと感じた。
  • 子どもに共感し、知らないことは子どもと共に調べて学んでいく。
  • 保育者がすぐに答えを出してしまうのではなく、子どもの主体性を大切にしながら 子どもの気持ちを引き出すことの難しさを感じた。
  • 保育者の豊富な経験と指導力の人的環境の重要性が理解できた。
  • 保育者のかかわりは子どもの姿からヒントを得る。目的に到達するまで声かけの タイミングなどを考えながら導いたり、待ったりすることの大切さを感じた。
環境について
  • 生物を飼う、生態を学ぶことにより命の大切さを伝えることがいかに重要なことかを学んだ。
  • ザリガニの飼育を通して、子どもの得意分野を子ども自身が見つけて発揮でき ていた。そのことが自信につながっていると思われる。
  • 子どもは、疑問や興味・関心など様々な思いをもつ。大人がすぐに答えるの では、育たないのではないか。子どもの主体性が発揮できる環境をつくること が大切であると感じた。
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まとめ

芽豆羅保育園 実践提案研究会 開催レポート
芽豆羅保育園 実践提案研究会 開催レポート
主題をどのようの捉えるか
  • 本日の協議のように、それぞれが考えを出し合い  互いの考えを知ることで、新たなことに気付いていくその過程が大切と思われる。 そして、そこから、子どもたちに育てたいことを明確にすることが必要と思われる。

※参考「科学する心」を育てる7つの項目
http://www.sony-ef.or.jp/preschool/theme.html

主題に沿って子どもの姿を捉えるために
  • 日々の記録が大切であり、主題に結びつくであろうと思った場面に出会ったら記録 を取る。その際は写真やビデオ等を活用し、子どもの姿と保育者のかかわりなどを細かく記録する方法やエピソード形式で記録するなど、園で様々な工夫をする。芽豆羅保育園では、毎月“今月の科学する心の種は?”と、みんなで主題に結びつく子どもの姿を出し合いそれを基に話し合うなどの工夫をしている。
  • 今日のように一つの記録を多数で読み取り意見交換をすることで、子どもの姿をとらえる視点が広がる。また、同じ記録も時間を経て改めて見直すことで、新たな発見が見いだされ(この間に保育者自身が保育を見る視野が広がるなど成長しているため)読み取りが深まることが期待できる。
  • 事例にあるように同じ場面で同じように生き物とかかわっていても、A児と周りの子どもたち一人ひとり違う経験・成長をしていることが読み取れる。一人ひとりの子どもの姿とその育ちに目を向けて記録を読み取ることも重要である。
  • 実践提案や事例では、子どもたちが、生き物と出会うことから、友達とのつながりが生まれ異年齢児に受け継がれるなど人とのかかわりが広がっている。また、生き物との出会いで感じていることを受け止める友達・共感する友達・時にはそのかかわりはよくないと言ってくれる友達の存在がある。このような人間関係を作っていくことがとても大切である。二つの事例から、人とのかかわりの深まりが生き物とのかかわりをも深めているということがわかる。
保育者のかかわりと環境
  • 生き物との出会いで子どもたちが発見していることを見逃さず、子どもの興味・関心にとことん向き合い、どう変化していくのか見届けることが必要である。また、子どもの疑問をそのままにせず、思いに共感する・共に考えるなどの保育者の姿勢が大切であり、(事例のように)疑問へのヒントが必要なのか?いつ出すのか?タイミングをとらえることも大切と思われる。
  • 子どもに豊かな感性を育むには保育者の感性が大切であり、本日の提案や協議のように、真剣に保育に取り組むと保育者自身の感性も育つことにつながると感じた。また、生き物が苦手な保育者もいると思うが、苦手な子どもの気持ちがよくわかる存在となり、生き物の様々なことを知っていく喜びを子どもとともに味わって欲しい。
  • 保育者は、「生命の大切さ」を伝える役割がある。実践事例では、ザリガニの飼育を通して、保育者が命の大切さを知らせるために、子どもたちの心に訴えるかかわりをしている。
  • 子どもの思いを生かし、直接体験をしたり、本物と向き合ったりできるような環境を工夫するなど、子どもの成長発達に応じて豊かな体験ができるようにすることが大切である。
  • 生き物にはそれぞれに変化や成長過程があり、季節にも影響される。そのような時期を逃さない自然との豊かなかかわりができるようにすることも必要である。

おわりに

参加者のアンケートから、「科学する心」を育てる視点を保育者は常にもっていなければならない重要性を感じた」「科学する対象が身近にあることや保育の場面で育つことがわかった」「とても難しいと考えていた科学が普段の生活の中にたくさんあること、ともすれば見逃してしまうことに気付き、改めて子どもの心に寄り添い生活したいと感じた」「科学は難しくはない日常のこと」グループ協議については「新しい討議形式であり、参考になった。また、メンバーの意見がいろいろな内容であったことも分かった」など、また実践提案発表については、「なぜと感じる心を大切にした保育、先を見通した保育がすばらしかった」など、研究会は大変参考になり、有意義であったとの意見が寄せられた。当園にとっても「科学する心を育てる」保育を学ぶ良い機会となった。 今後も「科学する心」の種をまいて、大きく育てて行きたいと思う。

(文責:芽豆羅保育園

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