公益財団法人 ソニー教育財団
科学する心を育てる ソニー幼児教育支援プログラム

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みどり丘幼稚園 実践提案研究会開催レポート

 みどり丘幼稚園は保護者の活動が活発に行われており、その一つに「体験サークル」(3・0の会)があります。三浦園長先生をファシリテーターとして、保護者が自主的主体的に活動を進めているこのサークルの活動(全6回)の初回に、「科学する心を育てる」主題に迫る取り組みが実施されました。計画はもちろん、当日の準備や進行など全て、自ら担当になられたお二人の保護者の方中心に展開されました。活動後の保護者や子どもたちの話し合いで出された鳴き声や音、見えた様子から、11種類の鳥に遭遇できたことがわかりました。その活動の内容をご紹介いたします。
園研究主題: 「自然との出会いから育まれる感性」〜親と子の体験を通して〜
会場: みどり丘幼稚園(大阪府豊能郡能勢町柏原62-2)
日程: 2007年6月11日(月)
09:00 受付
09:30 ミーティング・事前アンケートの回収
09:50 ふくろうの森の親と子の体験
10:25 体験発表・研究討議
10:45 講師のお話、まとめ
11:20 終了

設定した理由

 子ども達は、毎日「何故だろう」「不思議だなあ」と、自然との出会いに満ちた生活をしています。この「科学する心」を多忙な大人の心に呼び戻し、「自然との出会いから育まれる感性」を親と子で体験してみようと試みました。
 多方の大人は、段取った生活をしています。時間にしばられない空間を作り出して、その中に自分を放したら、どんなことに気付くだろう。ふと自分に気付いたらきっと子育ても肩に力が入らずに子どもの心にもっと近づけるのではないでしょうか。幸いにして、当園は、自然が周囲にいっぱいあるところに位置しています。その自然の中でどんな音に出会うのだろうか・・・。“音”というテーマにしぼって体験してみては楽しいのでは・・・と思いました。

ふくろうの森の親と子の体験

目標
  1. 自然の音を聞き、聞こえる音を体験する
  2. 自然の音を聞き、どのように感じたかを考える
  3. この体験がどんな意味があったか認識をしていく
  4. 新たな理解を子どもにどう生かすか考え、期待をする

 園庭に続く斜面の自然環境は「ふくろうの森」と名付けられ、普段は子どもたちが自然体験を楽しんでいる場所です。ここで15名の保護者と5歳児(全員でないので、幼児が分かりやすく納得して参加できるように当日飼育当番のメンバーが参加した)が、「音」を通して自然と楽しむ体験をしました。1分、3分、5分と時間を決めて目を閉じて静かに耳を澄ますと、日頃気付かないような色々な音を感じることが出来ました。保護者から「体が透き通っていく感じがした」「森と一体化した」などの感想が聞かれました。子どもたちが見つけた草花、木の実や虫に、大人も興味を持って関わり一緒に楽しみました。

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体験発表・研究討議

 ふくろうの森での活動の後園に戻り、子ども、保護者それぞれに別れて発表が行われました。
 子ども達は虫を探したり、体を動かしたりしながらも「チュンチュン」、「ピヨピヨ」、「コンコン」などの音が自然と耳に入ってきていたようで、その話し合いの内容は担当の先生から保護者の会で報告されました。
 保護者からはグループでの協議はもちろん、全体会でも「自分と向き合えた」、「CDとは違った生の音でα波がでているようだった」、「普段は気付かない音に気付き、新鮮な気持ちになり、子育てのヒントを得ることが出来たりした」、「子どもに色々な自然の音があることを教えたい」、「ふくろうの森に遊びに入った子ども達が、降園のお迎えの時間になっても戻ってこない理由は大人の自分が体験してみて、“子どもの心”が理解できた」「今までも聞こえていたはずの鳥の鳴き声が、今まで聞こえていなかったことがわかる。今日体験したことで、今保育室のここにいても、鳥の鳴き声が聞こえてきます」など、参加した保護者全員が、思い思いに体験したことや感じたことを熱心に意見交換し、活動の有意義さを改めて実感していました。

アンケート結果、研究討議詳細、研究後の変容・様子

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講師のお話、まとめ

 ふくろうの森で聴いた小鳥のさえずり。そして能勢に住む小鳥たちの生態について自然の森の中に身をおく事で日常から離れて静かに自然の中に溶け込んでいつの間にか“自然の子”になっていく。そんな体験の後で「野鳥の会のメンバー」で地元の田尻小学校の宮脇校長先生を講師にお迎えし、鳥についての次のようなお話を伺いました。「野鳥の会」のメンバーで能勢町立田尻小学校の宮脇校長より、ふくろうの森で見聞きした野鳥や、能勢で見られる野鳥の興味深いお話しを聞くことが出来ました。

  • ホーホケキョ・・・春から秋にかけて鳴く
  • キョンキョン・・・冬の鳴き方や危険な時
  • ウグイス・・・方言がある各々地方で違う。母鳥の鳴き方も特徴がある。オスの色、姿、鳴き方も美しい・・・など。

 国の指定を受けている野間の大ケヤキ(樹齢1000年 国で4番目の巨樹)に住む“アオバズク”は、オスのアオバズクが先に渡って来てその後に大ケヤキにメスが渡ってくる。5月下旬〜繁殖期に入るメスは、卵を守り、オスは見張り役で過ごす。また、大ケヤキには、“やどり木”という植物が寄生している。やどり木は、赤い実をつけて、その実を冬には食べに来る鳥がいる。その鳥は赤い尾をもつ“ヒレンジャ”。黄色の尾をもつ“キレンジャ”などがいる。その他、多くの鳥の写真集と鳴き声を参照し、紹介されました。

 今回、ふくろうの森や能勢の山野には、まるで一つに聞こえていた小鳥たちのさえずりは驚くほどの種類の鳥が、季節ごとに渡ってきているのだと知りました。夏鳥では、オオルリ・コマドリ・サンコウチョウなどを聞き分けられるかなど、まだまだ、知らない自然がある事を認識した数時間でした。宮脇校長先生は「普段、見過ごしがちな自然を再発見する感動が素晴らしいのだ」と、締めくくってくださいました。

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成果

 ふくろうの森で観たこと・発見した事・聴いた事・聞こえた事を成果として、一つ一つ丁寧に話したり、調べたりもっと深く図鑑と照合し、友と一緒に分析していった事など「どんな音が聞こえた?」と、一石投じる事から、次々と興奮のようなものを子ども自身が感じて、徐々に学習の習慣がついたように思われます。
 また、豊かな体験を親自身や教師達がする事により、それと同じ空間で親の姿や考え方を子ども達は学習していきます。周囲の大人達と喜びをともにした時こそ、子ども達の前進の方向は、好奇心や探究心へと発達していくものと考えられます。
 家庭が、両親が、教師が「好奇心」を忘れず、子どもの心を忘れず、子どもが大人になっていく連続的な行動や思考を発達させていけるよう努力して欲しいと深く願うものです。

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