
中央保育所・中央幼稚園 実践提案研究会開催レポート
指導講評
【講師】出雲市立乙立小学校・幼稚園 校長・園長 原 幹雄氏
今日の保育の姿から
- 1歳児はボールの遊びで型はめを楽しんでいた。繰り返し根気よく遊ぶ姿が見られた。2歳児はペットボトルの筒でボールを転がして遊んでいた。既製のボールはうまく転がるが、新聞紙のボールはひっかかり、どうやって出せばいいのか試行錯誤していた。2歳児なりに大きな課題を持つことこそ科学への第一歩であると感じた。
- 3歳児は今まで色水遊びの積み重ねがあり、今日の活動の魔法の水の提示の大きな意味があった。
- 4歳児は、6月の遊びから更に発展し、場や素材の工夫が感じられた。立体駐車場や安定感のある道路になり、子どもたちも生き生きと遊びが続いていた。
- 5歳児は、風の車の遊びで重さの違い、風の強弱に気づいていた。最後の話し合いの場面では集中した子どもの姿があったが、それは個々が充実していた表れである。
- 全体の保育から、教師が考えを出し合い、工夫し合う姿勢が感じられた。研究の方法、内容、取り組みが明確でわかりやすいものだった。教師の存在自体が大きな支援となっていた。
1.「科学する心を育てるということ」・・・☆保育の姿から
- 学ぶ楽しさを体験させること
学力は目先の点数で評価しがちである。遊びの中では、自然に関わりたくなる環境を設定することで目的、課題を見つけることができるので、本当の意味での科学の心を育てることができる。
おもしろそう。やってみたい。もっとやりたい。
→もっと〜したい。どうして〜だろう。 → 充実感 満足感 達成感
学ぶ楽しさの実感 → 学ぶ心 学ぼうとする意欲
☆4歳児
6月:道路の高さを変えて遊んでいた。H児は遊んだ後「あ〜 おもしろかった」とつぶやく。集まりの時間に車のタイヤや軸を変えたことを発表する。一番になれなかったが、充実している。楽しかったという経験が学ぶ意欲につながる。
- 「感性」を育てること
井深 大氏(ソニー創始者)の言葉から
『赤ちゃんの時から心と体の右脳を鍛える教育をすべき。知的教育は後からでもやれる』
☆1、2歳児
水遊びの時、スポンジの魚で遊んでいた。繰り返し握るだけでも、軟らかさを感じる、しずくがポタポタと落ちるのを見る、絞る等、様々な感覚を使って遊んでいるということになる。
- 「イメージをする力」を育てること
現在イメージすることができない人が増えている。イメージができないということは、人の気持ちが分からない、〜したら○○になる、という予測がつかないために青少年の事件が多発しているのではないか。これらは、実体験の不足、映像文化の影響などが挙げられる。
教師が子どもの思いを表情、しぐさから理解するためには、感覚を磨くことが大切である。アミニズムも相手の立場に立ち、対象の世界にしっかりと入り込んで、考えたりイメージしたりすることであり、大切にしたい。
☆2歳児
トマトの水掛をしながら「パクン パクン」と言っていた。
食べたいな〜、お水飲んでね、おいしそうだな・・・様々な思いがイメージできる。
- 「願いを実現する力」を育てること
科学の方法=価値実現の方法
2.あそびの中で育てるということ
- あそび
主体的、身体的、動的、楽しい活動の中に、指導の手立てを組み込まなければならない。
小、中学校では目標、達成が決まっている。幼児教育こそ、本物の科学ができる。(感性を使う、イメージする、学ぶ喜びを味わうなど)
- 科学する子どもの意識・姿とその発展
【科学する心の芽生え(自然との出会い・触れ合い)】
◎自然の事物・事象に興味関心をもつ(面白そう、ふしぎ、すごい、やってみたい)
◎感覚を働かせて発見したり、気づいたり、実感したりする
◎真似たり、工夫したりして、繰り返し楽しむ
◎遊びを発展させようとする
【科学する心の成長(学びの始まり)】
◎問いや願いをもつ 〔課題意識・目的意識が学びの始まり〕
◎比較して観る・聴く・考える
◎そのものになって見たり考えたりする(アニミズム)
◎違いや変化に気づく
◎予想や考えを、繰り返し試してみる
◎関係があることに気づく
【科学する知的な成長】
○変化の仕方が分かる
○規則性を見つける
○自然の事物・事象の性質が分かる
○因果関係に気づく(〜だから・・・だ)
○分かったことを生かして遊びを発展させる
◎既知の内容・新しく知ったこと・経験したこと、つながりから新たなイメージの形成
3.どのように育てるか
- 環境の構成
【子どもと自然とのコミュニケーション=「働きかけ」と「反応」のキャッチボール】を、より豊かに繰り返すことのできる豊かな環境設定(素材、活動、時期、場所など)
<多様性と可能性>
- 子どもの発想で多様な働きかけができ、それに対応した反応があること。
- 反応を、五感ではっきり捉えることができ、繰り返し行うことが可能であること。
面白そう・やってみたい・ふしぎ・すごい
↑↓
面白い・もっとやりたい・もっと〜してみたい・どうして〜だろう?
- 子どもの実態把握(興味・関心、生活経験)
- ねらい・展開の見直し(活動の予測)・手立てや配慮
- 支援
- 教師自身の科学することへの興味・関心・意欲
- 子どもの意識の把握、反応の予想
- 関わり方【共感、受容、同化、助言】
4.0歳児の教育 【EDA(幼児開発センター)創立者・井深 大氏の願い】から
『赤ちゃんは、私が思っていたよりも、さらに深く、広く、感性によって、すべてのことが相当分かっているようです。言葉が出るよりも以前にもっている非常に高い理解力、感性をもっと生かさなければいけません。・・・』
(1991年EDAセミナー「未来へのメッセージ」より)
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