ソニーと品川区立日野学園が、「ものづくり教育」カリキュラムを開発
年間計画で、中学3年生がロボット「ライントレーサー」を製作
ソニーエンジニアリング株式会社
品川区立小中一貫校 日野学園
財団法人ソニー教育財団
ソニーエンジニアリング株式会社(社長:加藤哲夫)と品川区立小中一貫校日野学園(校長:菅谷正美)は共同して、「ものづくり教育」の年間カリキュラムを開発しました。両者の連携は、全国のソニーの事業所で「ものづくり教室」(小・中学生対象)を展開している、財団法人ソニー教育財団(理事長:出井伸之)※の協力で成立したものです。
今回開発された中学3年生の年間学習計画は、周回トラックの軌跡を追尾して走るロボット「ライントレーサー」を1年かけて完成させる、大変ユニークなカリキュラムです。ロボットづくりのアイデアと技術はソニーエンジニアリングが提供し、同社の技術者と日野学園の技術科の先生とが協力して、年間カリキュラムと教材を開発しました。新年度(2008年度)の選択技術科(ステップアップ学習II・III)9年生(中学3年生)約20名で実施する予定です。
「ものづくり」は、科学・技術立国である我が国が大切に守り育てて行かなければならない伝統です。完成度を高めたロボットづくりを1年間かけて取り組む過程を通して、生徒たちは電気・メカ(機械)・ソフトの各分野で本格的な「ものづくり」の基礎を学ぶとともに、工夫する喜び・困難を乗り越える達成感を味わい、将来の進路選択に「ものづくり」の分野も視野に入れて行くものと期待されます。
品川区の提唱する小中一貫教育を具体化した同区初の小中一貫校である日野学園は、「ものづくり」を教育の柱の一つに据えており、地元の企業との協力による教育プログラムの開発を考えていました。
一方、品川区に本拠を置くソニーエンジニアリングは、多くのソニー製品の設計を担当しており、若手技術者の教育に熱心で、従来から地元の教育界へ貢献する意欲を持っていました。
「ものづくり」年間カリキュラムのテーマとなる「ライントレーサー」は、もともとは、ソニーエンジニアリングが、新入社員の教育用に開発したプログラムで、カーレースのような周回路のラインを光センサーで検出し、そのラインに沿って自動走行するロボットのことです。毎年、完成後にレースを行い、タイムを競っています。
基本的な部品は同じなのに、製作者のアイデアでロボットのデザインや機能を大きく変えることができるので、創意工夫のセンスを磨くのに適した優れた教材です。
※(財)ソニー教育財団(http://www.sony-ef.or.jp/):科学を通して、子どもたちの好奇心や創造力を伸ばすため、幼稚園・小学校・中学校の先生方や子どもたちに向け教育支援を行っている。
日野学園で行う選択技術科9年生(中学3年生)の年間の学習課程は次の通りです。
- 1学期 : 「ライントレーサー」の基本形(1号機)を製作、試走。電気的な動作原理を学ぶ。
- 夏休み : オリジナルカーを構想する。
- 2学期 : ソニーエンジニアリングの設計者が実際に設計する手順に従って、生徒がオリジナルカー(2号機)を製作、試走。ソフトウェアについて学び、さらに性能アップの構想を練る。
- 3学期 : ソフトウェアを変更して3号機を製作し、走行チェック。最終レースを行う。
授業は日野学園の技術科の先生が実施し、ソニーエンジニアリングの技術者が、要所で技術指導に参加する予定です。


年間カリキュラムと教材作成を行った担当者のコメント
- ソニーエンジニアリングの技術者:
技術者育成用のプログラムを中学生向きに作り変えることに工夫が必要でした。中学生がロボットの製作で、どのような新しいアイデアを出してくるか楽しみです。 - 日野学園技術科の教諭:
1年間の長い学習プログラムですので、基本段階→発展段階→最終段階と順を踏んで学ぶことができるように目標を設定しました。また各段階で達成感をもつことができるように工夫し、ものづくりの楽しさを多くの生徒に味わってほしいと思います。
各組織代表者のコメント
- ソニーエンジニアリング社長 加藤哲夫:
弊社の経営理念のひとつに「会社の成長=社員の成長」を掲げています。これは会社のみならず、社会の成長=人の成長に他なりません。これからの未来を担う若い人達に、知恵をめぐらし工夫しながら仲間と造り上げる喜びを感じて頂ければ幸いです。 - 日野学園校長 菅谷正美:
技術科の学習は、まず作ってみる・動かしてみる、ということが大切です。生徒たちが自由な発想で「ものづくり」を経験できるこの機会を、大いに活用したいと思います。 - ソニー教育財団専務理事 青木昭明:
電気、機械、ソフトウェアという重要な分野が盛り込まれた画期的なカリキュラムです。「ものづくり」を通して、子どもたちの科学への興味・好奇心が育つことを願っています。また、ソニーと同じ品川区にある日野学園で行うことで、地域への貢献にも繋がれば幸いです。
今後3者は、この取り組みが実を結ぶよう、年間計画を協力して推進して参ります。

