書籍のご案内
「幼児期に育つ科学する心」
すこやかで豊かな脳と心を育てる7つの視点
小泉英明 秋田喜代美 山田敏之 編著
小学館 2007年4月27日(金)発売 定価 1,470 円(税込)
“人としての土台” をしっかりと育てるにはどうしたらいいのでしょうか?
本書では、人や自然、物との関わりを通して幼児期に「科学する心を育てる」意義や大切さを、日本全国の幼稚園・保育所の実践の事例を通して紹介しています。
第1部では、「科学する心と脳の発達」をテーマにした各専門家の座談、第2部では 「科学する心」についてノーベル賞受賞者らからのメッセージ、 第3部 ソニー幼児教育支援プログラムの入選園の事例と具体的なアドバイス を紹介しています。
幼児期に大切な豊かな心の育ちとは?
「科学する心」を幼児期に育むにはどうしたらいいのか?
子どもの姿をどう見るか、どうかかわったらいいのか?
子どもたちとのかかわり方や育ちを考える上でのヒントにしていただければ幸いです。
「科学する心」を育むポイント (書籍「幼児期に育つ科学する心」より)
- 自然体験を身近にできる環境を準備する(p22)
- 子どもが感じることに対して、大人が受け入れて言葉で返す(p51,134)。
例えば、散歩ではせかせか歩かず、子どもの感じる・気づく・こだわるにあわせて歩く。(p122) - 子どもが何を発見していたかをまず聴くこと(p127)、子どもの目線を忘れず、子どものテンポや息遣いに合わせる(大人が先走らない)。(p28)
- 働きかけすぎず、子どもが経験を重ね納得できるように、受け止める(p177)。興味を喚起することより持続できるようにする(ex.就学前の子どもたちには自分で計画するための意見や手立てを考えさせる)(p160)
これが全ての答えではなく、子どもの発達に応じて、「どういう環境を用意するか」「どういうかかわりをするといいか」大人も疑問を持ち、考える(p27)ことが大切です。
著者 先生方のメッセージ(書籍より抜粋)
秋田喜代美氏(東京大学大学院教育学研究科教授)
「親も面倒がらずに子どもたちと一緒に自然の中に行ってみませんか?」
幼児期にこそ自然の変化や摂理をもっともっと体験して、感じて欲しいと思います。自然の中でこそ出来事として実感できる学びが生まれるのだと思います。そして、それには同時に子どもが感じていることを大人が受け入れてあげる姿勢と技術とが大事なのです。また、子どもたちが全身全霊を込めて「遊びこむ」時に「没頭」と言われる状態になり、その時に五感が研ぎ澄まされて敏感になるのだと思います。
「科学する心」は行動しながら、日常的な遊びや暮らしの中での経験を通して育まれるのです。貴重な科学する経験を一度しただけで子どもの心は育つものではなく、日常生活の中に科学する芽が習慣として繰り返し培われていくこと、そのための大人のまなざしとかかわりこそが大切です。
小泉英明氏(株式会社 日立製作所 役員待遇フェロー)
幼児期の科学教育に本質的なアプローチを試みることは大変に難しいと感じます。単なる早期教育に終わってしまっては、ほとんど意味をもたないからです。早期教育で本当にやるべきことは、人としての根本をしっかりと育てるということです。そうやって、確固たる根がはぐくまれていれば、放っておいても自分自身で伸びていくのです。
そして、下記の5つの点から考えて、幼児期の本質的な科学教育こそが大切だと思います。
- 自然の素晴らしさに、深く感動する心
- 真実を率直に認め、決してごまかさない心
- 偏りや思い込みなしに、素直に判断し、行動する心
- 自然の中に生かされる、命を大切にする心
- 多様性を尊び、相手を思いやる心
山田敏之氏(学校法人ソニー学園 湘北短期大学 教授、理事)
エンジニアとしての視点からみて、幼児期に、「自分でものを創り出す喜び」を知るということも大切な要素だと思います。自分の想像力を働かせて、何でもない木の切れ端や紙から自分の手を使って物を作る、試行錯誤を繰り返す。自分から物を創り出すことで子どもたちは新たな感動を覚え、心の糧となっていくのではないでしょうか。プログラムの審査の中で、いろいろな園の実践から「科学する心」とは何か?それを幼児期に育てるにはどうするのが望ましいのかという根源的な問題について、議論を重ねてきました。
〜 読者からの感想 〜
- 「科学する心って何?」「難しそう…」と思ったが、この本を読んで「幼児の科学する心」を理解することができた。とても分かりやすく、その大切さがわかった。(幼稚園教諭)
- 非常に有意義な本で、ぜひ全ての母親に読んで欲しいです。(団体管理職)
- 保育者自身が科学する心をもつことが大切なのだと痛感した。この本で、自分の心が大きく動かされた。 (幼稚園教諭)
- 「科学する心は本当に大切だ!」とよくわかった。子どもは科学する心の目があり、その目で見て活動することは“心”の育ちにつながるのだと思った。(幼稚園管理職)
- 保護者へのアドバイスがついていて、分かりやすかった。園での我が子の様子を見に行きたいと思った。(保護者)
- 著名な科学者の方々が、それぞれに願いやお考えをもっていらっしゃることを知り、科学といってもいろいろな迫り方があり、子どもたちの成長に大切なのだということもわかった。(保育士)
- はじめの3名の先生方の座談がとても分かりやすく、園の事例の理解が深まった。(大学教授)
- 「幼児の学び」と「教育」という面を考えることができた。「科学する心」を育てることが、分かりやすく記述されている。事例に照らし合わせて論理的に語られているので、深く理解することができたと思う。(保育園園長)
- 園の先生にお借りして、興味深く読みました。じっくりと読みたいと思い購入しました。 (保育士)
- 本の中にあるように、小泉先生の紹介されている「科学する心」を考える5つの視点は「科学する心」に基本となることのみにとどまらず、人間らしくいきいき生きるためにも必要なことだと改めて感じています。そして、何か物事をなす場合にも重要になると思いました。(団体管理職)
ソニー教育財団 専務理事 青木 昭明
幼児期に「科学する心を育てる」という主題は、分かりにくいというご意見をいただいたことがあります。また一見、単なる「科学」の早期教育と思われがちですが、そうではなく、「心」を育てるためにとても重要なのだということをこの本を通してぜひお伝えしたいと思っています。明日からの子どもたちとの生活に活かしていただけることを願っています。
本の各ページで紹介されている事例の関連記事をご覧いただけます
- 「科学する心」を育むしくみ … P96
- 「科学する心」の育ちのサイクル … P100
- 「科学する心を育てる」ための実践研究 … P105
- 感じる心・探究心・命の尊重から … P108
- 「科学するって何?」 … P110
- 森は保育の広場 … P115
- 若葉の森探検 … P123
- 風を感じて分かること … P128
- 五感を拓くもりのみち作り … P132
- みんなで育てよう 科学する心・実践カレンダー … P135
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