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第49回ソニーものづくり教室
エネルギーを体験しよう
普段の授業では味わえない、ものづくりにどっぷりと浸った3時間。「ええっ!」「なぜ?」「難しいけどおもしろい!!」23名の子どもたちの視線は、真剣そのものでした。
- 開催日:2010年1月30日(土)9:00〜12:00
- 会場:八戸市立東公民館
- 主催:SSTA青森支部、ソニー教育財団
- 講師:SSTA青森支部
河原木聡先生(町畑小学校)
工藤隆継先生(名久井小学校)
井上貫之先生(番屋小学校)
松山勉先生(天間東小学校)
上山香子先生(天間西小学校)
田中将先生(川代小学校)
湊尚人先生(町畑小学校)
久保慶喜先生(名久井小学校) - 参加者:八戸市内の小学生
4〜6年生の皆さん 23名
テーマ:エネルギーを体験しよう
「ものづくり」に、偉大な科学者の発明・発見や開発者の工夫・苦労の過程を追体験する要素を加えれば、子どもたちの科学・技術への興味や関心が高まると同時に、科学の原理原則について実感を伴って理解できるのではないか。SSTA青森支部では、昨年度に続き、「エネルギーを体験しよう」というテーマでものづくり教室を行いました。
今回は:
- エジソンがフィラメントに改良を重ね実用化した「フィラメント電球づくり」
- 日本人が開発・製作に向け深くかかわった極小モーターでかわいらしく動く「振動で動くタワシづくり」
- 電気が熱エネルギーに変換されることがよく分かり新指導要領にも基づく教材「発泡スチロールカッターづくり」
を行いました。
材料は、市販のキットではなくすべて100円ショップやホームセンターなどで調達したものにこだわりました。まさしく、「手づくり」のものづくり教室です。
1.フィラメント電球(エジソン電球)づくり〜電気→光エネルギー〜




電気を光エネルギーに変換し電球として実用化する。「そのためにエジソンはフィラメントの材質にこだわり一万回もの実験を行った…。」電球の中にも回路が存在していることを知りフィラメントの存在と意味を考えた子どもたちは、フィラメントを電気が通る金属にすればよいと考えました。
講師の松山先生がスチールウールで演示すると一瞬にして焼き切れてしまいます。「…そして、見つけたのがなんと日本の竹でした…。」竹炭のフィラメントは準備できませんでしたが、その代用品としてペンシルの芯を提示しました。
食品を詰める瓶を電球に見立て、電源装置と導線で結びペンシルの芯をはさみ、スイッチオン。半信半疑の子どもたちの目の前で、芯は徐々に赤くなり光り輝き始めます。「あっ光った!」シャープペンシルの芯が熱や光を放つ姿は、必ず子どもたちの心をとらえます。
あの「世界的に有名な発明の父エジソン」と「日本の竹炭」が子どもたちの中で結びついていったのではないでしょうか。今回は、芯の太さをいろいろ試すなどエジソンのようにちょっとした試行・工夫の時間を持つことができました。「あまり太いとよくない。」「電気の流れやすさと関係あるのかな。」「他のものでも試してみたいな。」「乾電池でもできるのかな。」小さな未来のエジソンたちの誕生です。
今回も、電源として電源装置(パワーハウス)を使いました。SSTA青森支部では、手作りの電源装置の開発も目指しています。試作品ができていますので、今後紹介できればいいなと思っています。
2.振動で動くタワシ!?づくり〜光エネルギー→電気→運動エネルギー〜




「携帯電話がブルブル震えるのはなぜでしょう。小さな小さなモーターが入っているのです。そのモーターを開発したのは日本人です。」ソーラーパネルを使い、光エネルギー→電気→運動エネルギーというサイクルをたどって振動で動くタワシづくりを行いました。
極小モーターやソーラーパネルは、今やネットで手に入ります。タワシは7cm×5cmぐらいのミニタワシです。色・材質・形状を変え、子どもたちが好みのものを選びます。それぞれに動作性能が微妙に違うのです。
約2cm×4cmの小さなパネルとわずか1cmあまりの極小モーターを接続させるのは、ものづくりの定番である「ハンダ付け」です。ここで、ひとつ問題が起きました。大人であれば注意して何とかできるのですが、モーターが小さすぎてテーブルに置いてハンダ付けするには不安定なのです。しかし、講師の井上先生の機転で切り込みを入れた工作用紙を折り固定する道具をみんなで作って解消しました。「ものづくり」のための「ものづくり」です。
説明の後、各テーブルに分かれハンダ付けの開始です。経験があるという頼もしい男子はもちろん、初めてだという女の子も一生懸命集中して作業しました。独特のにおいがたちこめる部屋で「未来の技術者」たちの誕生です。
「かげに入ると止まっちゃう。」「日光が当たる角度にパネルを合わせなきゃ。」知らず知らずのうちにエネルギーについて考え、試していました。
3.発泡スチロールカッターづくり〜電気→熱エネルギー〜




最後のメニューは、「発泡スチロールカッターづくり」です。電気が熱エネルギーとして変換されることがよく分かります。今回のミソは、導線以外は100円ショップで手に入るものでつくったことと支えの部分にわりばしを使ったことです。はしを開いたり閉じたりすることで、発泡スチロールを切ったりくりぬいたりできるすぐれもののカッターをつくりました。
電池ボックスを厚紙で作り、つないだ導線で手元にスイッチを作りました。出来上がるまでの工程が多かったのですが、「難しかったけど楽しかった」と粘り強く子どもたちは取り組んでいました。出来上がりは、まさしく、はしを使うようにして発泡スチロールを切っていく日本人的なカッターとなりました。
「ものづくり教室」終了後、SSTA青森支部 河原木支部長より子どもたちに修了証とソニー教育財団からの素敵なプレゼント(特製ボールペンとエコバッグ)が渡されました。子どもたちからは「自分でこんなにすごいものを作れることが分かった」という感想も聞かれました。どの子も満足そうに自分の作品をもらったばかりのエコバッグにしまい、笑顔で持ち帰っていく姿が印象的でした。
子どもたちへのアンケートから
アンケートでは、「発泡スチロールを簡単に切れるほどの熱が出ること(8名)」や「ペンシルの芯が光ったこと(5名)」「太陽光や振動でタワシが動くこと(4名)」に驚いた子が多く、「参加費500円なのにこんなに作れて驚いた(3名)」「エネルギーってすごいな(1名)」という意見も聞かれました。3つのものづくりがそれぞれ子どもたちの驚きや感動のもとになり得たことが分かりました。
また、「この次には、何をつくってみたいですか?」という問いには、「もっと難しいもの・今まで誰もやってないもの・何でもOK・いろいろ」という「技術挑戦系」の反応や、「ヘッドホン・ソーラーカー・スピーカー・イヤホン・電池・いろいろな仕組みのおもちゃ」という「実用系」の回答が見られました。さらに、「何とか竹のフィラメントで光らせたい」と「こだわり系」の反応も見られました。まさしく、エジソンへの挑戦です。どの反応も、今回のものづくりがあったからこその結果です。ものづくりとともに科学への興味と関心が高まっていると分かりました。
(文責:SSTA青森支部事務局長 久保慶喜)

