今回は、北区立うめのき幼稚園※の若きホープ小野 智美先生にお話をうかがいました。5歳児の担任をした初めての実践が最優秀プロジェクト園に選ばれる事例となった驚きや喜び、意欲が伝わってきます。
※2007年度ソニー幼児教育支援プログラム 最優秀プロジェクト園
保育者自身の感動体験の大切さ
ソニー幼児教育支援プログラム、最優秀プロジェクト園に選ばれましたことに、大変感動しました。それ以上に、5歳児の担任をすることが初めての私はもちろんのこと、職員一同大変驚きました。この論文応募のために特別に研究のための講師の指導を受けることはなく、主題について十分に理解をしてスタートしたとは言えないからです。
そこで考えてみると、「保育者自身の感動体験」が大切なポイントだったと思います。同じ敷地内の小学校の池で、大きなカエルが産卵するところを見た時の、思わず声が出るほどの感動は忘れられません。「子どもたちにも見せてあげたい!」という思いは、その場で共通の願いになりました。保育者自身が感動体験をして熱い思いをもつこと、しかも、その思いを保育者みんなが共通に強くもったことは、他にない特別のことであったと思います。その特別なことが、保育者と子どもたちが一緒に感動体験をすることに結びつき、研究につながりました。
子どもと一緒に「すごい!」「どうして?」「ふしぎ?」
…「科学する心」が見えてきた
いつもの保育時間とは違う夕方からの薄暗い時間帯に、感動的なカエルの産卵を観た体験は、その後のカエルの卵、オタマジャクシ、カエルとのかかわりに大きく影響したと思います。
「すごい!卵がどんどん出てくる」「卵がピクッて動いた!」「(今までは丸い卵だったのに)あれ?まん丸じゃなくなった」「何食べてるの?」など「あれ?」「なに?」「ふしぎ!」という思いを、子どもと一緒に感じたり考えたりすることで、「これが、科学する心!?」と、次第に主題が実感できるようになりました。
小さなカエルに再会して感動し「あんなにオタマジャクシがいたんだから、もっとカエルを見つけられるはずだ」と、みんなでカエル探しをしたり、「カエルのうんちから、虫が出てきた!」という発見をしたりしたそれぞれの貴重な場面は、心を動かす自然体験を継続的に積み重ねてきた賜物です。子どもと一緒に私自身も驚いたり不思議に思ったりしているうちに、当初は難しいと思っていた「科学する心」のことが分かってくると同時に、子どもたちの成長も見え楽しく研究をすることができました。
小学校との交流、連携の大切さも実感
日頃から交流の深い、併設する梅木小学校がで「カエルプロジェクト」活動を展開していたことも、応募のきっかけになったと思います。産卵の観察会やオタマジャクシを顕微鏡で見ることができるという情報を得、感動体験をすることにつながったことは、大きなきっかけです。
例年、運動会や発表会など小学校の大きな行事には幼稚園も参加させていただいています。4、5年生との交流を活発に行っていることもあり、学校の敷地に園児がいることも、園の敷地に小学生がいることも自然な状況になっています。産卵の観察会もいつものように学校から連絡をいただき、「行ってみよう」と参加したことがきっかけでした。学校と幼稚園の教師間の仲がよく、こうして日頃の交流や連携ができることの大切さが、この研究を通してもよく分かりました。
自然や地域の人とのつながりが、園の大きな財産
「自然がいっぱい、遊びがいっぱい、友達がいっぱい」が本園のキャッチフレーズです。鳥や昆虫など生き物が集まり、実のなる草木、野草、飼育栽培物、傾斜のある土手があるなど、自然がいっぱいです。そして、園を訪ねて教育力をおしまず提供してくださる地域の方が多く、保護者の皆さんも協力的で、「自然」と「人のつながり」は園の大きな財産です。
これからも、子どもと一緒に「あれ?」「なに?」「ふしぎ!」
の体験を積んでいきたいと思います。そして、この研究をして楽しかったことを保育者仲間に伝えたいと思います。
園長荒木康子先生から

PTA島村さん 荒木園長 小林先生
小野先生 山田副園長
ソニー幼児教育支援プログラム
・子ども科学教育プログラム
上位入選園・校 表彰式にて
2008年1月19日 ソニー(株)本社ビル
小野先生は、生き物大好き、自然大好きの先生で、カエルもカマキリも子どものように触れます。3年目の若さで、子どもと一緒に心を“ワクワク”“ドキドキ”させて、生き生きと保育をしています。絵もとても上手な先生です。
関連リンク
- 2008年6月12日(木) 実践発表会開催
- 2007年度 入選論文(最優秀プロジェクト園)
- えぴそーど ウェブマガジン vol.2 (2005年)



