ソニー教育財団トップページへ sony foundation for education EDAトップページへ サイトマップ ENGLISH
EDAへようこそ EDAの子育て研究 EDAの教室 子育て広場 がんばれ!子育てリーダー 問い合わせ
子育てで大切なこと
子育て情報誌『EDA』
子育て相談Q&A
内藤先生の育児相談室
海外子育て事情
子育てリンク集
EDAの推薦図書
home > 子育て広場 > 内藤先生の育児相談室 > バックナンバー
バックナンバー

お母さん、0歳児には「愛」を教えてあげてね!  (T)
■泣いたら、抱いてあげましょう

 0歳児が何かを求めて泣いている時、抱いてあげないと、2歳になった時に非常に攻撃性の強い人間になると言われています。これは、日本の医者はもちろんのこと、アメリカの研究者もそう言っています。赤ちゃんが泣いている時というのは、やはり何かしら欲求が発生してきた時です。そしてそれを満たしてくれる人を絶えず求めているのです。それが毎回毎回、思い通りにいかないと、非常にフラストレーションが強く残り、結局それが1年、2年と続くうちに、どういうふうに変化してゆくかと言うと、助けを求めていたのが、今度は逆に、人を攻撃してやろうという性格となって現れるのです。
 アメリカで出版され、日本でも翻訳された『保育室からの亡霊』という本には、今、問題になっている「中学生ぐらいの非行は、みんな乳児期の誤った取り扱いが問題である」と書かれています。
 妊娠中にお母さんたちがタバコを飲んだり −1本や2本は大丈夫でしょうけれど、たくさん飲んだりするのはいけませんね − あるいは、自分勝手に麻薬を使ったり、覚醒剤を使ったり、あるいはアルコールを多く飲んだりする。そういうことが結局は、生まれた子どもが中学時代にいろいろな問題を起こす、妊娠中の大切さを取り上げています。


■しつけ躾の厳し過ぎが、心の傷に…

 妊娠中の問題と同時に、生まれてからの問題も大切ですね。あんまり躾が厳しいこと、ほかから見て良い子にしようと思って「だめ」「いけません」を毎日毎日、雨あられのように言うこと、これらはとてもいけないことですね。
 私が前からお願いしている通り、0歳の時は「人間愛」を自然に教えていただければ良いと思うのです。それは泣いたら抱っこ、というようなことで結構なんです。抱きぐせなんか心配いりません。これは、本当にそうです。そうして一人歩きできるようになったら、ぼつぼつ、抱っこではなく歩かせるようように気をつけていただければ良いのです。
 そのようにしていただかないと、2歳になった頃に、ご両親の厳し過ぎた躾が染み込んで、深い心の傷になることもあります。


■「イヤ」と言い出したら、お祝いしよう

 2歳から3歳くらいの間は反抗心や攻撃心が現れたりしていますけれど、そのままにしておくと、ちょうど泥水をじっと置いておくと上のほうがきれいになるように、いつの間にか子どもの反抗心や攻撃心も治まってきます。しかし、それできれいになった、反抗心が治まったと安心していると、今度は中学時代という、生理が始まったり、声変わりしたりといわゆる性的なホルモンがたくさん出てくる時代に、男の子も女の子もイライラして、泥水のせっかくきれいに澄んだ水が再びかき混ぜられてしまう状態になる、と考えていただくと良いと思いますね。その時、いろいろな問題がたくさん起こってきます。ですから今の中学生の問題は、中学の時だけの問題というわけではないので、中学の先生が心配していろいろ手を尽くしても、なかなか消滅しない現象だと思います。
 やはりこれは、妊娠中、乳児期、それから自我の芽生えの時すべてが大切だと思います。自我の芽生えが始まりますとね、本当に頭の中に自己認知と言いますか "自分の思いを貫徹しよう"という気持ちが、とても強く湧いてきます。そうすると何か思い通りにならないことに直面すると、子どもは「イヤ」と言いますよね。「イヤ」と言うのは親にとっては、とってもつらいことです。そして、これではいけないと思って「 "イヤ"とは何です」という態度になっていくわけです。しかし、その「イヤ」と言い出したら、むしろ私は「お祝いしましょう」と言っています。「イヤ」と言い出した時が、自我の芽生えの一番最初の症状と思っていただくといいんですね。その時、子どもたちの気持ちとしては、「イヤ」と言うことで、自我の芽生えを大事に大事に守っていることを宣言しているのです。


■芽生えたばかりの自我を大切に

 人から無視される − これは大人でも一番つらいことですね。1歳半前後から自我が芽生えることに親が気づかなかったり、無視したりすることは、いけないのです。また、たとえ気づいたとしても、それを我がままだと思って、否定してもいけないのです。
 無視はしないけれど、早く良い子にしたいからと、「だめ」と言って叱る。子どもの芽生えたばかりの「自我」を、本人が大事に大事に守っていることを、親や大人たちがまったく知らないで接してきたのが、これまでの自我の芽生えの時期の幼児に対する認識でした。したがって、その自我を圧しつぶしたり、否定したり、無視したりするわけですから、当然幼児と両親や大人たちとの間に葛藤が起こります。そうすると自我を守ろうとする幼児は、それを無視されまい、圧しつぶされまいとします。だから、外見上いわゆる反抗心や反抗的な行動が強く湧いているように、大人には見えるわけです。
 くどいようですが、もう一度申します。子どもの願いは、"自我を認めて欲しい"ということです。

(次回へつづく)
 
(『EDA』98.7月号掲載)


バックナンバーインデックスへ戻る


copyright© 2003 Early Development Activity Center. All rights reserved.